あんなに頑張って勉強して、友人ともそれなりに調和して過ごし、好きな仕事に就き、寝ないで働いて、相応の結果も出し、資産も築き、社会的な信用も得たのに――、なぜ今、こんな苦しみのただ中にいるのだろう? いちばん近くにいる人が、憎しみを込めて僕を否定する。
どうしようもない自己否定と自己嫌悪にさいなまれる時がある。誰にも会いたくないし話したくないし、できることなら消えてしまいたいと思う。そんな時、この子を見る。磯の藻の中で生きる微生物、ワレカラ。頭飾りをつけて踊るようなその姿に、自分もまだ恥をさらしながら生き続けなければと思う。