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緩い期待と幸せのおすそ分け
父から写真が届いた。
パッションフルーツの花が咲いて、嬉しくて誰かに報告したかったのだそうだ。
こんな平和なメッセージある?
ほっこりしたわ。
思わず口元が緩んだわ。
うちの父は鹿児島在住で、畑と庭を持っている。
暇さえあれば庭を弄っている。
濡れ縁を自作したり、庭に木を植えたり。
最近は果物の種を庭に埋めるのが流行っていて、このパッションフルーツも種から育てたものだ。
うちの父は字を
早朝ピカチュウジェット
実はポケモン世代である。
赤緑の、ゲームボーイがまだ色付きですらないころのポケモンをプレイしていた民である。
歳がバレそうな気がするけどそこはちょっとスルーして欲しい。
大人な対応を望みます。
二歳下の弟の熱望により我が家にやってきたゲームボーイソフト。
母は基本「なんでも平等」を謳っていたので、弟に与えるのであれば私にもと、赤と緑両方買ってきてくれたのである。
私は正直そこまで興味はなかっ
【小話】電車に乗らないと
電車に乗らないと。
あの電車に乗らないと。
遅れる訳にはいかないのに。
走った。
走った。
走った。
なんとか滑り込んだ。
でも、最後に強めに踏み込んだものだから、靴が脱げてしまった。
電車には乗れたけど、片足はローファー、片足は靴下で残念な格好の私。
あーあ。
間に合わない。
仕方がないから次の駅で降りて、駅員さんに事情を話す。
幸い、落とし物として届いているらしい。
電車に乗った駅に
【小話】嘘をついてもいい日
「私のこと、もう愛してないんでしょう?」
彼女は頬を膨らませて僕を睨む。
僕は「そんなことない」と首を横に振る。
「嘘」
「嘘じゃない」
「あなたが愛してるのは私の父親の権力でしょう」
「違う。僕は君自身を愛してるよ。君が昨日、どこで誰と何をしていたとしても」
「……もう一回、愛してるって言って」
「ああ。愛してるよ」
彼女は微笑み、「私も愛してる」と囁いた。
今日はエイプリルフール。
年