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物を買わずに豊かに生きる

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物を買ったり、お金を貯めたりしてどんどん増やしていくことに疑問を持ちだして。物買わずにそれでいて心は豊かに生きられないかな?と思って、色々と考え始めました。連載のように書いてます。
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記事一覧

モダン・タイムス2024春

モダン・タイムス2024春

 いつまでも寝ていたい春の朝にバス停で待ちながらおもむろにヘッドフォンを取り出して、お気に入りのプレーヤーで音楽を鳴らす。今日の選曲は、グレン・グールドが奏でるバッハの平均律クラヴィーア曲集。小気味よくピアノの旋律が刻んで上昇していく音に私の眠っていた心は反応し始める。ふと、幼少期に母が毎朝クラシックをかけていたことを思い出す。平日はいつだって目覚めと同時に社会なるものとの付き合いを再開せねばなら

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無常を腹に落として執着で遊べ!

無常を腹に落として執着で遊べ!

今までの自分のnote記事を見返してみて何が言いたかったのかということが朧げながら見えてきたので総括的な記事を書こうと思う。
私が言いたかったのは、仏教の一番の核となる思想、「無常」という一点に尽きる。無常=いかなるものも永久に存在する本質というものをもっているわけではない。

無常=空
ブッダの一番弟子であるサーリプッタが「空に住する境地」でおりました!と報告したところ、「みごとだみごとだ!偉大

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別冊太陽「河合隼雄」を読んで

別冊太陽「河合隼雄」を読んで

暑さも酷いもので、こんな暑い日は家の中で冷房効かせて読書なんかしているのが一番と思っていますが、なにか今感じていることをつらつらと書き連ねてみようと言う気になりましたので、そんなどうでも良い雑感にお付き合いいただく殊勝な方がおられましたら読み進めてみてください。

最近、私の大好きな河合隼雄さんの雑誌が刊行されまして読んでおりましたら、とても気になる一節が出てきました。

ちょっとグサりときました

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物を買わずに豊かに生きる 番外編1

物を買わずに豊かに生きる 番外編1

コロナ禍がひと段落して、会社の飲み会というものに行った。そこで思い知ったのは努力して生きている人の異様な空回りと虚しさだった。
ある先輩とサシで二次会に連れていってもらい、営業とは喋ることだから、こういうBARで俺は喋りを鍛えたんだ!と彼は話していた。もともと、シャイで口下手だった彼は、努力してたくさん話せるようになった。だから営業たるもの、喋りを鍛えるのは日々の鍛錬として絶対にやらなければいけな

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物を買わずに豊かに生きる8

物を買わずに豊かに生きる8

アメリカのシリコンバレー銀行の破綻から端を発して毎週のように出てくる金融不安。シリコンバレー銀行の後は、クレディスイス、そしてドイツ銀行。必死に信用不安を覆い隠そうと躍起になる政府や各国中央銀行。資本主義の綻びは限界を迎えようとしているのではないだろうか。中央銀行は根拠のない紙幣を刷りまくり、実体の無いお金を増殖させてきたけれど、遂にはその泡が弾けて資本主義もろとも、世界を瓦解させようとしているよ

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物を買わずに豊かに生きる7

物を買わずに豊かに生きる7

大量消費マインドだった自分を少しずつ変えていく。ここ数週間での自分の変化に驚いている。電気料金が高くなってきている現在において、私の「貨幣を使わずに豊かに生きる」という行動改革は益々意義深いものとなってきた。システムに依存しているというものの代表的なひとつにこの「電気」というものもあると思い知った。

つい数ヶ月前、我が家に大容量のポータブル電源とソーラーパネルが来た。当時、私はウクライナ戦争やエ

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物を買わずに豊かに生きる6

物を買わずに豊かに生きる6

いつから自分はお金がないと生きていけなくなってしまったのだろう?

『新百姓』という素晴らしい雑誌の創刊号(000号)に出会えて幸せだった。私の考えていることの実践が鮮やかに描かれていた。
思えば「買う」ことによって、さまざまなものを作り出す智慧を手放してきた。衣食住すべてにおいて「買う」ことによって生きてきた私は、お金がないと生きていけない人になってしまったのである。「買う」代わりに何も考えずに

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物を買わずに豊かに生きる5

物を買わずに豊かに生きる5

今日も今日とてお金を使って生きているけれど、出来るだけお金を使わずに豊かに生きるために何ができるか?少しずつ自分に問うている。

仕事始めの今日は午前中は在宅勤務をした後、昼にかけて自宅を出発して挨拶回りへと行った。午後2時くらいであろうか、お腹も減ってきたので外食を取ろうとする。近くのトンカツ屋が目に入って、カツは縁起がいいから年始くらいは良いだろうと誘惑に駆られる。すぐさまハンドルを切ってカツ

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物を買わずに豊かに生きる4

物を買わずに豊かに生きる4

最近YouTubeで車の動画をよく見る。私の好きだった元中日の山本昌さんがスーパーカーを紹介する動画を何個か見た。考えは二つあった。一つは、スーパーカーというのは、軽自動車と移動する手段としては何ら変わりなく、むしろ不便である。小さい道も入れないし、段差も車高の低さで気を遣わないといけない。スーパーカーを持つということは、盗まれないように気を遣わないといけない。もう一つの考えは、工芸品的な楽しみ方

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物を買わずに豊かに生きる3

物を買わずに豊かに生きる3

私が最近読んでいる本には、お金はなく、貧しいのに、精神はとても豊かな人々が描かれている。『チベットの先生』(角川ソフィア文庫)中沢新一がチベットで出会ったラマたち、道元禅師の『正法眼蔵随聞記』から「学道は、まづすべからく貧を学すべし」という教え、アナキスト森元斎の『もう革命しかないもんね』(晶文社)資本主義から抜け出した「生活の哲学」など。

それとは対照的に、投資にハマり、一攫千金を夢見て、日々

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物を買わずに豊かに生きる2

物を買わずに豊かに生きる2

物を買わずに豊かに生きる?

どう考えたって物を買ったり、お金を使った方が豊かじゃないか!と怒られそうである。たしかに、この資本主義末期の社会ではお金を使わないと体験できないことがたくさんある。美味しい食事だって、お金を使ってなんぼのところもある。物を買うことで、豊かになれることだっていっぱいある。家電、なんてものはその最たるもので、それによって生活が豊かになるかもしれない。

でもこの物のあふれ

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物を買わずに豊かに生きる

物を買わずに豊かに生きる

世界はウクライナの戦争をキッカケに混迷を極め、古くからの価値観は壊れて、混沌としている。コロナ禍においても、古い価値観が音を立てて崩れていくのを目撃していたが、この戦争もまた、古い価値観を壊すだけには充分な変化をもたらすのではないかと思っている。

どうやら電力不足らしい。あまりニュースを見ていないので詳細は知らないが、エネルギー事情のひとつをとってみても、今までの電力を大量消費している時代は変わ

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