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「めんどくせーな」が口癖の先輩は、誰よりも優秀だった


✔︎ 仕事ができた先輩の口癖

私が新卒入社したのは、あるシステム開発会社。そこでメンターとして付いてくれた先輩はいつも言っていました。

「めんどくせーなー」

何か仕事が増えると、彼はいつもそう言います。
ぶっきらぼうで、気だるそうに仕事をする先輩。

でも彼は、誰よりも優秀で仕事ができました。
20代半ばにして、開発チーム10数名の開発リードを担い、チームで最も頼りにされるエンジニアだったのです。


✔︎ "めんどくさがり"は仕事ができる

いま思い返すと彼が仕事ができたのは、そんな「めんどくさがりの性格」によるものだったと思うのです。大きく分類すると彼は次の3つの思考で仕事をしていました。

① どうやったら楽にできるかなー
② 同じ作業は二度したくないなー
③ 自分で手を動かしたくないなー

それぞれ具体的に見ていきましょう。


① どうやったら楽にできるか

彼は仕事をするとき、すぐに作業に着手することはしませんでした。手を動かす前に、どうやったら楽に進めることができるかを、とことん考えていたのです。

どうやったら最小限のコーディングで要件が実現出来るだろうか、誰でも簡単に開発できるアーキテクチャを設計できないか、そんなことを考え尽くしてから、作業を始めていました。


② 同じ作業は二度したくない

彼は同じ作業を二度行うことを何よりも嫌っていました。例えば、何度も行うことが必要な単純作業は自動化を試みます。

また、顧客や同僚から何度も問い合わせを受けるのが嫌いな彼は、誰でも分かる完璧なマニュアルや手順書を作っていました。


③ 自分で手を動かしたくない

ぶっきらぼうな態度とは裏腹に、彼は部下への教育はとても丁寧でした。自分の持つ知識や技術を惜しみなく教える。そうやって、彼の部下もまた、優秀なエンジニアに育っていました。

それは、"部下が優秀なら自分は手を動かさなくてもいいから楽できる"、そんな利己的な考えからによるものだったかもしれません。それでも結果として、彼は誰からも尊敬され、感謝されていたのです。


✔︎ 彼のめんどくさがりの本質

3つの特徴を見てきましたが、彼のめんどくさがりな性格、それを総じて言うと「全体の労力を減らすために手間を惜しまない気質」と言えると思います。

彼の仕事の進め方をイメージにすると、以下の図表のようになるでしょうか。

つまり、将来に楽になるために今は労力をかける。「楽な方法を考えること」も「自動化・マニュアル化」も「部下への教育」も、最初は時間と労力を必要とします。

でも、その投資により将来は楽になる。彼の最初の工夫によって、チーム全体の労力を下げることができていたのです。


✔︎ 今でも抱く感謝の気持ち

一緒に働いて3年が経ったとき、彼はフリーランスエンジニアとして独立、それからはもう会うことはできていません。

ただ、彼への感謝の気持ちは今でも残っています。先輩からの多くの学びは、私の働き方の礎となっているのです。

社会に出て最初に出逢えたのが彼で、本当に良かったなぁと思う、今日この頃です。


✔︎ 最後に

最後までお読みいただき、ありがとうございました!これからも仕事に役立つことを投稿しますので、ぜひフォローをいただけると嬉しいです!

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