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色とりどりのメシの種【第二話】 #創作大賞2024
子供の日って子供が働く日だったっけ。
むなしい自問自答。
俺は一緒に行きたいというユイに留守番を命じて、ひとりで放火魔の両親の家に向かった。
少し緊張してインターフォンを押す。
「はーい」
「あ、すみません、『何でもヘルプ屋マツダ』です」
「あ、はーい」
優しそうな女の人の声で安心した。
玄関のドアが開いて60代くらいの女性が出てきた。
マツダに言われた通り、挨拶をする。
「こんにちは
色とりどりのメシの種【第一話】 #創作大賞2024
【第一話】メシの種との出会い
腹が減ったら飯を食べる。至極当然のことだ。
その飯は誰が用意してくれるか。
未成年の子供の場合は、お母さん。お父さんが用意してくれる家も多いだろう。
でも、これは当たり前のことではないと知っている。
ウチの場合、ばあちゃんが飯を用意してくれていた。
俺達には両親がいない。生きているか死んでいるかも分からない。ある日、目の前からいなくなってしまったのだ。
だから、じ
創作大賞2024にチャレンジしてみようと思います。心折れて2万字に到達できないかもしれませんが、温かい目で見守っていただけると幸いです🙇♂️
トラネキサム酸笑顔 #毎週ショートショートnote
「オイ、ゴホン、オマエ、ゴホゴホ、起キロ」
え?誰?
「オイ、ゴホン、起キロッテバ」
嫌だ、怖い。寝た振りしよう。
「寝タ振リヲシテモ無駄ダ。俺ハ宇宙人ダゾ」
ガーン。
風邪ひいてるならマスクしてよ。
宇宙の風邪ってヤバそう。
「宇宙ノ風邪デハナイ。地球ノ風邪ダ」
本当に?
「本当ダ。何トカシロ」
病院行け。
「病院?テ言ウカ、ソロソロ直接話セ」
仕方なく起き上がると、いかに
春ギター #毎週ショートショートnote
♪
これが
これこそが
俺がお前に
見せたかった
春の風景
♪
「どう?」
曲が出来るといつも最初にミー子に聴いてもらう。
「うーん、なんだろ、全然春って感じがしないのよね……あ、わかった!ギターの音が春っぽくないのよ。日本海が目の前に広がってる感じ。寒い」
「春の音を出せばいいんだな」
「駅前にギター教室できてたよ。行ってみたら」
そう言ってミー子がビラを渡してきた。
「春ギター教室
花冷え全員集合 #毎週ショートショートnote
「お父さん、今日なんか寒いね。桜も咲いたのに」
三女の夏子が帰ってきた。
高校生にもなれば父親となんか話したくもないだろうに、毎日何かしら声をかけてくれる。
「花冷えっていうらしいぞ。風邪引くなよ」
「何それ、知らない」
「俺も今日知ったよ」
「なーんだ」
呼び鈴が鳴った。
玄関のドアを開けると、長男の春生が立っていた。今年の春から大学生で一人暮らしをしている。
「なんだ、何しに帰っ
深煎り入学式 #毎週ショートショートnote
ちょっと遠くの国の、ちょっと昔の話。
珈琲好きの三兄弟がいた。
どのくらい好きかと言うと、珈琲の神様がご褒美をあげたくなるほどだった。
「お前たち、明日は入学式なんだろ?俺が思い出に残る入学式にしてやるよ」
「やったー!どんなやつ?」
一番下のオチョイが神様に聞いた。
「お前は小さいから浅煎りだ」
オチョイが入学式に行くと、かわいい女の子に出会って甘酸っぱい恋をした。
次は次男のチチョイ
命乞いする蜘蛛 #毎週ショートショートnote
「助けてください」
ん?
「お願いです!まだ死にたくないんです」
え?
声はするけど姿は見えず。
「こっちこっち。上です!上!天井!」
蜘蛛が一匹、天井に張り付いていた。
「蜘蛛がしゃべった?」
「はい、私です。助けを求めていたのは」
「なんで話せるの?」
「今そんなことどうでもいいでしょう!助けてくださいよ!」
「何すればいいの?なんともなさそうだけど」
「アイツが、俺を食