仮面の芸人

25歳/男/お医者さんの勉強6年目(4年生)/ あえて表に出ずに笑いの活動します …

仮面の芸人

25歳/男/お医者さんの勉強6年目(4年生)/ あえて表に出ずに笑いの活動します /「資料室」という名のブログ http://kamengeinin.wordpress.com

マガジン

  • 「読む笑い」 『100m走』(全8回)

    20代男性Aは友人Bと100m走の選手たちの凄さを語っていた。しかし、二人の会話は思わぬ方向に…

  • 「読む笑い」 『双子』(全8回)

    20代男性Aは最近になって自分が双子であったことを知らされる。その経緯を親友のBに話すのだが…

  • なんか脳を支配された記憶

    エッセイです。

  • 「読む笑い」 『巨人』(全8回)

    20代男性Aは巨人の資格を得たと、友人のBに話すのだが…

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『読む笑い』の提唱と意志

noteを1週間書いてきて、改めてしっかりと私が考える『読む笑い』について思いを簡潔に伝えたいと思います。 まず、私にとってネタは「技術」でも「キャラクター」でも「展開」でもなく、「設定」が一番であると考えています。今の笑いにおいて、それほど重視されていません。 私も最初は漫才やコントのネタ作りを行っていました。日々、色々なアイデアを考えていくにつれ、それを表現するのに漫才やコントには「設定」において限界があると感じました。 言い換えれば「笑い」にはまだまだ伸び代がある

    • 「読む笑い」 『美容院』④

      (美容院③の続き) A:それでなんだけどさ B:なによ A:この調子でいったら 40くらいではじめて髪を切ることになるのよ。そんなのたまらんだろ? B:ん〜、まぁそうなるか、 A:いやいや! だってお前、 40までかなりハードルの低い童貞ってことだぞ? B:よく分からんけど じゃあ、そんな心配するなら 切ったらいいじゃん A:お前なぁ、 別に切りに行く長さではないだろ? B: …そうかもしれんけど、 一旦、どんなもんか美容院に行ってみたら

      • 「読む笑い」 『美容院』③

        A:それに人が髪を切るって知ったのも最近だしな B:それは無いだろ? 周りにいる奴ら見てたら分かるじゃない A:いや〜? B:「お前髪切った?」とか言うじゃん A:うん B:なら分かるでしょ A:それを最近聞いたのよ! B:え? A:大学の頃の友だちと3人で飲みに行って 1人が遅れてきて B:うん A:おれと待ってた友だちがさ その後から来たやつに 「髪切った?」って言ってて B:うん… A:「え?どういうこと?」って 思わず聞いてしまったよね B:

        • 「読む笑い」 『美容院』②

          (美容院①の続き) B:髪がたまにしか伸びないって… 本当ならまず病院に行った方がいいよ A:なんで? B:なんでって、おかしいじゃん 普通じゃないよ A:でも別にからだに害はないだろ? B: …確かにないけど A:なら行かなくていいだろ。 B:いや、でも、普通じゃないからな〜… A:普通ってなに? それは多くの人がそうだから そうじゃない俺はおかしいとかか? B:いや…別にそういう訳じゃ A:そんなの差別だろ! ほら!どうも無いんだから B:まあ…そ

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        『読む笑い』の提唱と意志

        マガジン

        • 「読む笑い」 『100m走』(全8回)
          6本
        • 「読む笑い」 『双子』(全8回)
          8本
        • なんか脳を支配された記憶
          2本
        • 「読む笑い」 『巨人』(全8回)
          8本

        記事

          「読む笑い」 『美容院』①

          20代男性Aとその友人Bとの会話 A:あのさ、男の人って普通どれくらいのペースで髪を切るの? B:ん〜、人によりそうだけど A:じゃあ、お前の場合はどうなの? B:んー だいたい2、3ヶ月に1度くらいじゃない? A:そうなんだ B:うん だいたいそんなもんだと思うよ A:美容院とかいってるの? B:うん、行ってるけど、 美容院いってないの? A:美容院っていうか 髪を切ってもらったことがないからね B:ん? あ、自分で切ってるの? A:いやそういうことじ

          「読む笑い」 『美容院』①

          「読む笑い」 『見えてない』⑧

          (見えてない⑦の続き) B:ごめん、そんな言われても、意味がわからないよ。 A:まぁ、確かに戸惑うのは分かる。 おれも声を荒らげて悪かった。 でもゆっくりでいいから受け入れてくれ。 実は俺は見えてない、これだけでいいんだよ。 B:でも、お前自体は存在してるんだよな? A:そう。 B:そこから辺が、もう〜訳分からねえよ〜! A:じゃあ分かった! もっと分かるためにもう1つ真実を言おう。 B:うん。 A:俺の声は聞こえてる? B:うん、聞こえてるよ A:実はそ

          「読む笑い」 『見えてない』⑧

          「読む笑い」 『見えてない』⑦

          (見えてない⑥の続き) B:もう1回ちゃんと整理しよう。 見えてるのは俺だけじゃないんだろ? A:そうだよ。 みんな俺のことが見えてる。 そこの歩いてる人も、 向こうにいる子連れのお母さんも、 赤ちゃんも みんな俺のことが見えてる。 B:じゃあ、見えてるってことだろ。 みんなお前のことを見て認識してるんだから。 A:それが間違いだったんだよ…。 B:なにで間違いって知ったんだよ! ネットにでもなんか載ってたのかよ A:ちがう、最初からそうだったんだよ。 それをずっ

          「読む笑い」 『見えてない』⑦

          「読む笑い」 『見えてない』⑥

          (見えてない⑤の続き) B:もう〜、なんなんだよ、 A:だから、ずーっと言ってる。 シンプルな話! 俺は存在してるけど、お前から見えてない! B:存在してるのに見えてないってどういうことだよって言ってんの! しかも見えてるの! A:だから、それが間違い。 B:だめだ…無限ループだよこれ、 A:よくあるだろ? 今まで定説とされていたことが、 研究が進んで実は間違いでしたって B:あるけどさ、そういうことじゃないだろ A:いや、だからそういうことなのよ! 今、「お

          「読む笑い」 『見えてない』⑥

          「読む笑い」 『見えてない』⑤

          (見えてない④の続き) B:じゃあ、虹とかオーロラみたいな奴ってこと? A:はぁ? B:光の加減とか、ある条件を満たしたら見えてる風なもの? A:お前失礼だな! 俺はいつでも見えてるだろ? B:見えてるよ A:じゃあ、違うだろ! 俺を気象現象と一緒にするな! B:確かにな。 じゃあ、あれか。 本当のお前はどっか遠くにいて映し出されてる存在だったとかってこと? A:どういうことだよそれ B:例えば、なんかプロジェクションマッピング的な、なんだっけ、 A:ホロ

          「読む笑い」 『見えてない』⑤

          「読む笑い」 『見えてない』④

          (見えてない③の続き) B:じゃあ、みんなに見えてる幽霊ってこと? A:どういうことだよそれ B:本来は存在しないけど、 みんなが見えてしまってるって存在的な A:おいおい、勝手に人の存在消すなよ B:いや、自分でそう言ってるようなもんだろ! 本当は見えてないって言ったら A:違う!俺はここにいるの! B:どういう理屈だよ! じゃあ、分かったあれか? 幻覚とか幻的なやつって言いたいの? A:全然違います! それ今お前が言ったやつと一緒だろ B:そうか。お前は

          「読む笑い」 『見えてない』④

          「読む笑い」 『見えてない』③

          (見えてない②の続き) B:ちょっと待て、ん? 幽霊みたいなのは、本来は見えないはずのものが見えてるよな? A:そうだね B:それなら分かるわ。 そういうこと? A:全然違うだろ! B:違うの!? A:幽霊っていうのは、お前も今言ったけど 例えば俺とお前の間に幽霊がいるとするだろ? B:うん A:それで、俺は見えてないけど お前は見えてる。 本来は見えてないのが普通だけど、 お前が見えてしまっている。 こういうことだろ B:そうだよな。 じゃあ、お前の場合は

          「読む笑い」 『見えてない』③

          「読む笑い」 『見えてない』②

          (見えてない①の続き) A:違う違う! だから、それが間違いなの。 俺のことは見えてないわけ B:いやいやいや、今ここにいるじゃん。 お前のこと、しっかり見えてるよ A:だから!! それが間違いなんだって! B:間違いってなに? A:そのまんまよ。 真実に対して、真実とは異なる認識をしてることを間違っているっていうだろ? そういうこと B:どういうことだよ! ちゃんと説明して? A:だから、もうほんとシンプルな話! お前は俺のことが実は見えてないの B:実はっ

          「読む笑い」 『見えてない』②

          「読む笑い」 『見えてない』①

          20代前半男性Aとその友人Bの会話 A:ちょっとさ、大事な話していい? B:どうした? A:お前にさ真実を伝えないといけないと思って B:なによ?そんな改まって A:お前さ、俺のこと見えてると思ってるでしょ? B: …ん? A:見えてると思ってるでしょって B:思ってるでしょってどういうこと? A:じゃあ、わかった。 俺のことが見えてるよな? B:うん A:実はね、それが間違いなの B:は? A:本当は俺のこと、お前は見えてないの B:いや、

          「読む笑い」 『見えてない』①

          「読む笑い」 『100m走』⑧

          (100m走⑦の続き) A:じゃあ最後! 1秒ならどう? B:もういいって! 疲れたよ A:これなら絶対わかる! あの人たち、単純計算で、 だいたい1秒間に10m進むんだよ B:そうなるな A:1! 今10m進んだ! B:確かに…速いな (1秒) A:今10m! B:すごいな (1秒) A:今また10m! B:すげー! (3秒経過) A:今30m進んだ! B:うわうわ!速い! (7秒経過) A:今80m!! B:超速いな! (9秒経

          「読む笑い」 『100m走』⑧

          「読む笑い」 『100m走』⑦

          (100m走⑥の続き) A:じゃあ、今のが高校生のときのお前な? B:じゃあ、じゃないけどな A:てことは3秒違うんだぞ B:ん? あ〜、トップの人たちとね A:分かるか? (3秒経過) A:これが世界との差なんだよ! B:それだとなんか、そんな差がなく感じよ! A:なんでだよ! お前がオリンピックの100m決勝とかに出る人たちと一緒に走ったらよ B:はい A:その人たちがゴールしました。 (3秒経過) こんなにも離れてんだよ? B:いやいや、 確

          「読む笑い」 『100m走』⑦

          「読む笑い」 『100m走』⑥

          (100m走⑤の続き) A:今度は自分のことだからわかると思うんだよ 行くぞ B:これじゃ自分の事じゃないのよ。 A:ちゃんと見とけよ? 向こうからむこ B:分かったから! 向こうから向こうまでが100mだろ? あの距離を見てたらいいんだろ? A:見てるだけじゃダメだぞ! あれがどれだけ長いか、それを体感しながらだからな! B:ハイハイ A:2人で高校生のときのお前を振り返ろう B:それなら卒アルでいいよ… A:ちゃんと俺が思い出させてやるからな B:それ

          「読む笑い」 『100m走』⑥