【超短編】第17話 双生児
「僕は、町の灯りが煌めいているのが好きだし、町の道はまっすぐなのが好きだ。四つ辻に立ち、ある方向を見た時、その道がまっすぐ続いているのが良い」
「俺は、暗く、ひっそりとした町の雰囲気が好きだし、町の道は複雑に入り組んでいるのが好きだ。時に坂道や階段なども加わって、空間がいっそう歪んでいくのが良い」
「僕は、天体や地球が回っているのは、終わりを嫌うからだと思っている。前に進めば、きっとどこかに終わりがある。回ることは、終わらないことだから」
「俺は、回るという行為そのものが既