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まいにちノート1

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毎日10分で書く日記です(と言いながら帰り道に30分ぐらい書いてる)。 #毎日更新
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#推薦図書

SFじゃなきゃ託せないこと #本棚をさらし合おう

SFじゃなきゃ託せないこと #本棚をさらし合おう

「これからもずっと、何回も読んでいくだろうな」と思える本は、どれだろう。

わたしの場合、538冊を収録するKindleのバーチャル本棚を見渡してみても、そんな作品は多くない。そして、大事にしたい本は、国産SF小説に固まっていた。

「SF」と呼ばれるジャンルの境目はかなり曖昧ではあるけれど、現実と少し(またはかなり)違う世界設定を踏まえた近未来の物語を、かりにSFと呼ぼう。

なぜSFをわたしは

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ダイバーシティ(多様性)と山小屋ガール

ダイバーシティ(多様性)と山小屋ガール

多様性、ということについて色々考えていたところで、吉玉サキさんの『山小屋ガールの癒されない日々』を読んだ。山小屋は、多様性がライトに受容される場なのかなと感じた。

恋には相手への尊重があるけれど、ジャッジにはそれがない。本当に仲間として尊重していたら、陰でアリだのナシだの言えないと思うのだ。(p206『「この中で誰が好み」禁止令』)

尊重。性別とか年齢とか、国籍とか民族とかのラベルで決めずに、

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Everyone, Creator

Everyone, Creator

津原泰水さんの『ヒッキーヒッキーシェイク』を読んだ。ひきこもりのパセリ/セージ/ローズマリー/タイムが、さまざまな創作をしながら人生に向き合っていく話だ(雑)。推理小説のような疾走感はないけど、愛すべきキャラクターがたくさん出てきた。

多数派に属するためのある種の社交性があろうとなかろうと、創造的であることは誰しもに開かれている。とくに、パソコンを使ったデジタル制作のテクノロジーと幅、「アップロ

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再読『利休にたずねよ』:70代の凄味をめざして

山本兼一さんの直木賞受賞作『利休にたずねよ』2周目を読み終えた。茶の湯の達人・千利休の生涯を「逆から」たどり、原点となったある女性との関係性に焦点を当てていく… というプロットなのだが、とにかく利休の60代〜70代の凄味がはんぱない。鬼のような美への追究と創意工夫。

この作品を通じて気に入った一節がある。234ページ、利休67歳。太宰府へ流される大徳寺の古渓宗陳を送る席でのやりとり。

「人は、

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娘、クレヨン王国を読み始める

娘、クレヨン王国を読み始める

小さい頃なんども読み返していた福永令三さんの『クレヨン王国』シリーズを、小3の娘がついに読み始めた。

第1巻『クレヨン王国の十二ヶ月』は、2年生のユカちゃんが主人公の旅物語で、総ルビで漢字のバランスもちょうどよく、ぴったりのタイミング。
寝る前に読み聞かせをしていて、長いので途中でおしまいにすると、「えーー続き読みたい!読みたい!」と言って、翌朝早起きしてひとりで続きを読んでいたりする。

作品

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noteで出会った読書:『ベルリンは晴れているか』

noteで出会った読書:『ベルリンは晴れているか』

深緑野分さんの直木賞候補作、『ベルリンは晴れているか』を読了した。とても面白くて、一週間ぐらい続けて一息に読んだ。

この本との出会いは、たぶんnote編集部のおすすめに入っていた、著者・深緑さんのこのnoteだ。これがなかったら、読まなかったかもしれない。

私は「現代の日本人が戦後のベルリンを」、真藤さんは「現代のヤマトが戦後のウチナーを」書いた。
自分が体験していないことに魅力と語るべき物語

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『嫌われる勇気』3周目を読了した

『嫌われる勇気』3周目を読了した

アドラー心理学の本『嫌われる勇気』3周目を読了した。課題の分離。自己受容・他者信頼・他者貢献。共同体感覚。貢献感。さまざまなキーワードの復習をして、穏やかな心を取り戻しています。

ハッシュタグ「#推薦図書」に、100万部越えのベストセラーたる本書を挙げるのも野暮だけど、不寛容がはびこる昨今、手元にアドラー心理学を置くことはとても大事だと思う。100万人以上がこの本を手に取り、その全てではないにせ

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こんな三人組、あり!?

こんな三人組、あり!?

帯のコピーと表紙イラストにびびっと来て買った『そしてぼくらは仲間になった』がとてもよかった。小5・小6の子どもたちが活躍する短編集形式の児童書なんだけど、大人ながら没頭して読んでしまった。特に4番目、虹山つるみさんの『いきもの仲間』は続けて2周読んだ。これは女子3人組の話。表紙イラストは小嶋陽太郎さんの『夏のはぐれもの』、男子2女子1の王道ドリカム編成(古い)で、この作品も大好き。小説で読む子ども

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