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"歌モノ"と"インスト"を「繋げる」。

普段、音楽史などのコラム的なことを中心に書いている当noteでは、自身の音楽活動のことについてはあまり宣伝などしてきませんでしたが、音楽ジャンルの分断や差について考えてきた当noteにも今回は関連があると考え、自身の新しいMusic Video『記憶喪失』を公開したことについて書きたいと思います。


今までの音楽人生で、小さなころから現在までずっと一番大きなテーマになっていたのが

"インスト(歌無し)" と "歌モノ"

の違いについてでした。

自分の中で分裂していたこの2つを"同じ「音楽」"として繋げるためには、

今までインスト楽曲を何曲か発表してきた中で、単に「好みな歌モノ」を作って出すだけでは何の解決にもならない、と思いました。

そうではなく。

インストを含めて音楽活動をしていく上で自分が感じたことや、これまでのインスト曲のリリースによって自分がやろうとしてきたこと、自分の歩んできたインストのドキュメンタリー"それ自体"をそのまま歌詞にする

そうすることで、自分の中で別々に存在していた"インスト"と"歌モノ"のストーリーを合流させることができると僕は考えました。


小さい頃からピアノとエレクトーンを習ってきて、2010年にエレクトーン上で作った曲

『Over Time』

この曲は自分の中で常に大事な曲として存在していました。

しかし、その後、高校の同級生が聴いているようなJpopを吸収したり、大学生になってジャズ研に入部したことをきっかけにビバップを演奏したり、他大のつながりではコンテンポラリージャズやビッグバンドでの演奏もさせてもらったり、そこから今度はファンク界隈やR&Bなどの演奏をする場へと繋がっていったり、同時にロックやエレクトロ、クラブミュージックをたくさん吸収したり、徐々にJpopのサポート伴奏もやらせてもらえるようになったり・・・

様々な界隈を常にさまよいながら、
紆余曲折あって

10年越しの2020年に、音源として再完成させて
『Over Time』のMusic Videoを公開しました。



今回新しく公開した新曲MV『記憶喪失』は、その10年間のお話です。

この歌を聴いてもらうことによって、今まで伝わりにくかった歌のないインスト曲も、その活動で僕が何を葛藤してきたのかも、伝わればいいなと思って作りました。

でも、そうでなくても単純にみんなそれぞれの人生と重ねて歌のメッセージに共感してもらえればそれだけでも嬉しいです。

是非ご覧ください。

記憶喪失

作詞作曲・オオタジュンヤ


知識なんて 増すだけで良いのに
受け皿の小ささに 嫌気が差す
溢れて 押し出されて
消えてく 昔の自分に 縋った

みんなが持っているもの
みんなが感じること
僕に 足りなくて 悔しくて
空っぽだったはずなのに
いつのまに汚れたのだろう
今ある感覚は 上塗り
それは もう乾いている
ほんの微かに 見えかけた気がした手掛かりも
もう消えた

ここはどこ? わたしはだれ?
何を持っている? 何を思っている?
わからない わからないけど
ぜんぶわかってる フリをした


少しの感覚 分かち合えればいいのに
価値観の多さに 嫌気が差す
比べて 比べられて
消えてく 昔の自分に 縋った

みんなが見ていないもの
みんなが気付かないこと
僕が 見せたくて 伝えたくて
ひたむきだったはずなのに
いつのまに忘れたのだろう
今 しがみつく日々も 上行き
それでも 晴れないでいる
ようやく 掴みかけていたはずの切符もここで
もう捨てた

ここはどこ? わたしはだれ?
何を待っている? どこに向かっている?
わからない わからないけど
ぜんぶわかってる フリをした


繋げる 点を
繋げる 線で 繋げる
過去を描きなおせば 繋がる


ここはどこ? わたしはだれ?
何を持っている? 何を思っている?
わからない わからないけど
ぜんぶわかってる はずなんだ

ここはどこ? わたしはだれ?
何を待っている? どこに向かっている?
わからない わからないけど
ぜんぶわかってる はずなんだ
ぜんぶわかってる はずなんだ
ぜんぶわかってる はずなんだ

ぜんぶ わかってる
ぜんぶ わかってる はずだからさ

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