ビックハグビックラブバレンタイン
いつもは湯船に浸かっている時間も含めて1時間ほど風呂に入っているのだが、気が気じゃなかったので烏の行水で入浴を済ませる。
リビングで寝ている祖父の元に駆け寄り、胸のあたりが上下に動いていることを見て安堵する。
手を握るととても冷たい。「おじいちゃんの手はとても冷たいね」と言いながら、血管が浮き出た紫色の手に「ハーッ」と息を吹きかけ、何度もさする。
温まってきた祖父の手と反比例して、化粧水もつけずに風呂から飛び出した31歳の顔面はカピカピと乾燥してきた。
手を温めたが、相変わ