マガジンのカバー画像

エッセイ的な

22
運営しているクリエイター

記事一覧

吹くかぜきいろ

吹くかぜきいろ

先日投稿した、僕がこの随筆をはじめた理由の話がいつの間にやら80以上も「いいね」を頂いてしまった。

「~の話」なんて言う話題は大概面白くない場合が多いので、ほとんど自己満足の投げやりで投稿した訳ですが、こんなにも需要があるのなら、調子に乗ります。それだったら何を話すにもやぶさかではございません。

ということで、この投稿のもうひとつの要素である「写真」。どうして僕が「人を撮らない」のかというのが

もっとみる
鶴がまう

鶴がまう

私、遂におじさんデビューを果たしました。

それは仕事中のことでした。
3歳くらいかな顧客様のお子様と仲良くお話してもらっていたら、突然「ねえ〜、おじさんさ〜」なんて言われたものだから結構動揺しちゃったよね。

なんてったってアラサーですから、幾らもしないうちに呼ばれるだろうとは思ったけれど、思いの外早かった。

心の準備ができていなかったので、3秒くらい時が止まったよね。「え、俺?ぼうずや、ほん

もっとみる
誕生日

誕生日

さア、20代も折り返しなんて言いながらもう1年経ちました。
相変わらずの幸か不幸か将またボケているだけなのか、この1年なんの悔いもなく26歳を迎えることができた訳で、改めてそんな環境を作り出してくれた皆さんに感謝する大事な一日が終わりました。

僕にとっての誕生日は兎に角ここまでの自分を育ててくれた周りのみんなへの感謝の1日です。

だから誕生日は基本的に仕事を入れて無理やり用事を作ります。

もっとみる
ふたりゆめうつつ

ふたりゆめうつつ

ぼくがこの随筆をはじめた理由。もっと言うとnoteに投稿するようになった理由の話。「~の話」なんて言う話題は大概面白くない場合が多い。書きはじめた自分ですら薄々感じてはいたのだが、これから綴る気持ちはどうしてもここらの機会に知ってもらいたいと思ったので是非読んで欲しい。

ぼくが随筆をはじめた大きな理由のひとつは自分の成長と変化の為だ。

私事だが子どもの頃から人前に出たり、とにかく目立つことをす

もっとみる
ありありと

ありありと

いつからから僕は「とっておき」とお別れしました。

「とっておかない」ようにしようと決めた訳です。

人はみんな意外性が好きです。
あっと驚く瞬間に心を動かされがちです。

だからこそ、とっておきのニュースとか、とっておきの切り札とか、とっておきの秘伝のタレとか、とっておきのサプライズとか、
世の中「とっておき」が多すぎる嫌いがあると思うんですよ。

まア、行政も企業も個人も割と境目なく動く今の世

もっとみる
フロムずっとずっと

フロムずっとずっと

やあやあやあ、キリンの皆さん。それとも犬さんかな、猫さんかな。

いやいや僕らは人間だったね。

それはそうと、人間ってなんであれこれ心配するんだろうね。
やっぱりキリンさんも犬さんも猫さんもあれこれ心配はしないと思う。

こんなことを考えあぐねて、「心配」って辞書を引くと、「物事の先行きなどを気にして、心を悩ますこと。また、そのさま。気がかり。」とありました。

そうか。わかってしまった。
先行

もっとみる
月なみをはじく

月なみをはじく

今の世代の人には馴染みがないかもしれないけど、僕が小さい頃は「キリンは努力して高い枝の葉を食べたから大きくなったんだ」と教えられたもんだ。その影響もあってか、 何人かの大人に「背伸びをして生きなさい。いつの間にか成長しているよ。」なんていう風に言われて、かなりええかっこして生きてきた気がする。

僕は生物学には疎いので、進化論なんてのはあれこれ言えないんですけどね、やっぱ背伸びなんかせず、等身大の

もっとみる
きみがいて、ぼくがいて、あなたがいる

きみがいて、ぼくがいて、あなたがいる

男ってのはどうして言葉が少ないのかね。

男だって言葉の多い人は大勢いますし、言葉の少ない女性だっています。あんまり男って、女ってと言うべきではないんですけど、歴史的なことを言えば狩りに出る男や侍は口数が少なかったと思うし、寡黙な人ってのはかっこよく見えてしまうものだから言葉が少なくなりがちだと思うんですよね。

こんなことを話し出す僕は元より言葉が少ない。
男だ女だなんて言う訳だから尚更、女性を

もっとみる
雨は待っている

雨は待っている

一昨日の大雨も中々大変な規模でした。ネガティブなニュースが流れてしまうものだったので、声高に言えるものではないのですが、あんな風な天気の日はどうしても窓の外を眺めて高まる気持ちがあります。

無数の雨粒のお陰で普段見えない風の動きが見えるんですよ。普段見えないものが見える瞬間ってなんだか乙じゃありませんか。

泣いたり、怒ったり、人の感情もそんな感じ。
ふとした感情の嵐によって可視化されるものがあ

もっとみる
ハムレットは顔をそむける

ハムレットは顔をそむける

君はぼくがきらいなんだろう?

もし誰かがぼくを好きだったら君がぼくをきらいなことが気になるけどね。

皆さんご存知のスヌーピーの飼い主、チャーリー・ブラウンのことばなのだが、こういう抽象的なことばをすんなり理解できる人を心から尊敬している。

因みに僕はこれが未だに理解できません。

翻訳をしている谷川俊太郎さん曰く好きな人に嫌われたくないチャーリー・ブラウンの恋の作法らしい。

いやア、余計に

もっとみる
はしらのきずはおととしの

はしらのきずはおととしの

「Je me souviens.」

このことばをご存知だろうか。
カナダのケベック州のモットーで、ケベックの人たちの乗る車のナンバープレートにはこのことばが刻まれているのだが、「私は思い出す」と「私は忘れない」の二通りの訳ができる。

昨日風呂に浸かりながらこの訳のどちらが適切なのでを考えていたのだが、そもそも「思い出す」と「忘れない」の違いが分からなくなってしまって3時間以上浴槽から出られなか

もっとみる
こんぺいとう

こんぺいとう

無償の愛なんていうのは利他的のようで、利己的の最終形だ。

人間っていうのは、困ったもので、
利他的であればあるほどに見返りを求めてしまう。

だからこそ、無償の愛は利己的なんだ。

以下に他者を含むか。

親は無償の愛を与えてくれる。
それは誰よりも自分に近い他者だからだ。

だから理想の女性像ってのは極論言うとセックスのできるお母さんで、男性像で言うならセックスのできる父親だ。

でもそんな極

もっとみる
あこがれこがれ

あこがれこがれ

僕が生まれてはじめて憧れを抱いたのはカブトムシだ。

仮面ライダーでもウルトラマンでもなくカブトムシだった。

煌びやかな羽、見るからに丈夫な体には逞しい角が生えていてある意味僕にないものを兼ね備えていたんだよな。馬鹿らしい話だが幼稚園の卒園アルバムの将来の夢はカブトムシだ。捕まえたり、眺めているだけでちょっぴり強くなれたような気がしたもんだ。

そんな憧れはやがて好きになって、いつの間にかただの

もっとみる
しあわせる

しあわせる

僕は「可愛そう」って言葉が苦手です。

逆も然り。「幸せそう」もポジティブな言葉に聞こえるけど言葉にするのに躊躇してしまいます。

なんでって、幸せを客観的に見てるあの感じがあんまり好きじゃないんですよね。

例えば、おんば日傘で育った子供は放任主義の家庭が幸せそうに見えるかもしれない。逆もあるだろう。当人がどう感じているかはわからない。
聞いたことのない宗教に属する人を可愛そうと思う人がいるかも

もっとみる