伊良波航太kotairaha ブログ月間最高120万PV

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伊良波航太kotairaha ブログ月間最高120万PV

フリーライター。映画の考察、哲学、写真、小説を書いたり、映画ブログは月間最高120万PV→https://cinemag-eiga.com 映画解説Youtubeも→https://www.youtube.com/channel/UCx8uGTfQGjzjqiQ6KguAEvg

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Netflix実写『シティーハンター』感想「コスプレ作品だろコレ?」原作愛あるの?ダメな理由を解説!

2024年4月25日配信されたNetflixの実写版『シティーハンター』を視聴。 日本でシティーハンターを実写化するのは今回が初めてだそうだ。 原作マンガのファンなのでさっそく視聴してみたが…。 シティーハンターの魅力を大胆にカット!鈴木亮平のビジュアルの完成度は高いけど、原作とはまったく別モノ。 二次創作だろコレ…。 まず、冴羽リョウ(獠)が手当たり次第ナンパするのは良いとして、揺れ動く恋心などをまったく描いていない。 原作だとリョウは香のことが好きだけど隠している微

    • 映画『オッペンハイマー』ネタバレ感想 原爆とアメリカのジャイアニズムが怖すぎる

      クリストファー・ノーランの映画『オッペンハイマー』をIMAXで鑑賞! キリアン・マーフィーやロバート・ダウニー・Jrの繊細かつ複雑な演技、原爆実験の轟音や緊張感などなど、映画としては本当に素晴らしかった。 しかし原爆を落とされた日本を一切描かないのはある面で致命的だと思った。原爆に対するアメリカの壮大なエクスキューズやエゴを感じる。 トリニティ実験など原爆の怖さも際立っていたが、よく考えるとアメリカのジャイアニズム自体が1番怖かった。 「オッペンハイマーの1人称映画だか

      • 創作小説『鳥の骨格標本に左右される猫は、猫を超越しうるか?』⑨(最終回)

        狂ったアパートへの帰還その翌日に帰宅を許された。窓の外には1ヶ月ぶりに青空が広がり、上階からの騒音はもう聞こえなかった。 ベランダで白頭鷲とビールを飲みながら聞いたところによると、彼が騒音について警察の元同僚に話し、事件のついでにパンダ夫人に騒音問題をなんとかするよう頼んでくれたことがわかった。パンダ夫人は仕方なく分厚いクッションを何十枚も買ったようだ。ヒグマの妻、雪豹はここには住めなくなり、近々出ていく予定らしい。 「そういえば、隣に住んでたタンチョウが最近挨拶もなしに

        • 創作小説『鳥の骨格標本に左右される猫は、猫を超越しうるか?』⑧

          翼と握手した猫眩しさに目を開けて数秒後、鼓膜を連続ビンタされたような衝撃を受けた。しかしドラム音ではない。どうやら、そう遠くない距離で雷が落ちたようだ。転がっていたあるものを手に握りしめた。準備運動の後に深呼吸をして窓を開け、部屋の奥から思い切り走ってベランダから飛んだ。 ヒグマが下で待ち構えている。しかし僕が万有引力の法則に従うことはなかった。 人生一番の雄叫びを上げながらザビエルの脚につかまって上昇していった。ヒグマとパンダ夫人がこちらを見て口をあんぐり開けている。雷

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          創作小説『鳥の骨格標本に左右される猫は、猫を超越しうるか?』⑦

          啓示翌朝、ドラムの音が小さくなったので恐る恐るベランダへ出てみた。下にヒグマの気配がない。逃げられる。そう思った瞬間、鼻先に熱い液体が降り注いできてパニック状態になった。いい香りがする。上を見るとパンダ夫人が微笑んでいた。如雨露には熱々のコーヒーがたっぷり入っているようで、黒い液体が引き伸ばされて弧を描き、降り注いでくる。深煎りのようだ。 熱さで悶えながら部屋の中に転がり込む。恐らくスピリチュアルだか風水だかによると、敵にコーヒーを浴びせるのが効果的なのかもしれない。やられ

          創作小説『鳥の骨格標本に左右される猫は、猫を超越しうるか?』⑦

          創作小説『鳥の骨格標本に左右される猫は、猫を超越しうるか?』⑥

          鳥の骨格標本午前1時、灰皿で火を消してザビエルを発進させる。付近にザビエルを一時的に隠せるような場所がないか偵察をするためだ。夜目が効くのは猫の特権だった。 ザビエルを空中で旋回させアパートを眺めていると、203号室の大家の部屋が目についた。カーテンは閉まっておらず、好奇心からカメラをズームさせてヒグマの部屋を覗く。 リビングには大きなテーブルと椅子があるだけだ。ミニマリストだとは知らなかった。ザビエルを東側へ旋回させて別の部屋を覗くと、アンティーク調の木造り棚が見えた。

          創作小説『鳥の骨格標本に左右される猫は、猫を超越しうるか?』⑥

          創作小説『鳥の骨格標本に左右される猫は、猫を超越しうるか?』⑤

          失敗と小さな怒りそれから二週間が経過した。パンダ親子が引っ越す様子は微塵も見られない。 タンチョウからの情報によれば、スピリチュアルだか風水だかによると鳩の羽は吉報らしく、パンダ夫人は盗撮を差し引いても引っ越はしたくないらしい。パンダ夫人の脳内が予想以上にお花畑だったことは、計画に大きな誤算をもたらした。鳩の羽動画自体もSNSですっかりスルーされて拡散せず、メディアが取り上げることもなかった。この世界が猫に味方してくれることはないのか。 パンダ夫人は盗撮の件を警察に知らせ

          創作小説『鳥の骨格標本に左右される猫は、猫を超越しうるか?』⑤

          創作小説『鳥の骨格標本に左右される猫は、猫を超越しうるか?』④

          鳩の羽を使った報復翌朝さっそくドローンの試運転に取り掛かる。ドローンの映像が直接見えるゴーグルをつけ、ベランダでホバリングさせ、恐る恐る上昇させていった。空が目玉を持ったとでもいうべきか。ベランダの自分がだんだん遠く小さくなり、さらに上昇させるとアパートすらが街のたった一点になって、やがて消えた。 ゴーグルはマイ千里眼。リモコンを握る手に、汗と共に何ともいえない万能感。僕は猫を超えたのかもしれない。灰色の街を眺めていると、超猫になれた気がした。 空の散歩をしばらく堪能した

          創作小説『鳥の骨格標本に左右される猫は、猫を超越しうるか?』④

          創作小説『鳥の骨格標本に左右される猫は、猫を超越しうるか?』③

          正義の説教隣の部屋に住む白頭鷲だが、さらにその隣で暮らすタンチョウから聞いた話では軍人上がりの警官でなかなか優秀だったが犯人逮捕に際して暴力をやり過ぎてしまうことや、思い込みの激しさによる誤認逮捕、証拠捏造が多かったせいで数年前に勤続10年にして懲戒免職になったらしい。今は大手ネットショップの倉庫で働いている。 いろいろと残念な奴ではあるが、白頭鷲は夕方にいつもベランダからビールを投げてくれるので、2年前にここに越してきてからというもの、タバコを吸いながら喋るには丁度いい相

          創作小説『鳥の骨格標本に左右される猫は、猫を超越しうるか?』③

          創作小説『鳥の骨格標本に左右される猫は、猫を超越しうるか?』②

          騒音の正体三日後やっと雨が上がり、窓から見える街は紺色から灰色へと変化した。 昼時に隣の302号室に住む、テンションが高くて難聴で押し付けがましい白頭鷲から聞いたところによると、上の階から響いてくる音は新しく引っ越してきたパンダ夫人の子供が寝返りをうっているせいらしかった。パンダの子供は体が柔らかいので、寝返りといってもテーブルからイスへ、イスから床へという具合に、転がり落ちているようだ。 笹の葉ばかり食べているくせに体重は増えるのはなぜだろうか。僕の部屋では定期的に地震

          創作小説『鳥の骨格標本に左右される猫は、猫を超越しうるか?』②

          創作小説『鳥の骨格標本に左右される猫は、猫を超越しうるか?』①

          圧力による侵入白い羽ひとつひとつで透明の雨粒を弾き返し、紺色の空を夢中で翔ていた。両翼を広げ、風を受け止める。もう衝動を妨げる者などありはしない。自らが喰らう肉を狩ることが禁止されたこの世界で、兼ねてからの願いが今やっと叶う…かもしれない。そのとき突然雷鳴が響く。破れた風船のように気持ちを縮こませながら、現実という名のブラックホールへと吸い込まれていった。 雨音が耳を濡らし、夢から目を覚ます。四日、五日? もうずいぶん降り続いている。晴れの日にそっぽを向かれたようだ。無人の

          創作小説『鳥の骨格標本に左右される猫は、猫を超越しうるか?』①

          「〜という」を使うな!という風潮なんなの?

          ライター業に携わると何度も、そして必ず言われる「“〜という”を極力省け」という主張。 理由は「文が冗長になるから」らしい。その方が上手な文章になるらしい。 私はその風潮が好きではない。たった3文字の節約のために勝手に「〜という」の素晴らしさを奪わないでほしい。 使い過ぎは良くないにしろ、「極力省け」と言われるとそれは違う気がする。「〜という」を適度に使った方が文章が読みやすくなることも多いからだ。 ちなみに太宰治も北方謙三も、松岡正剛もみんな「〜という」を適宜使ってるぞ

          「〜という」を使うな!という風潮なんなの?

          映画に多様な解釈は必要ない!そんなわけないから…

          映画の考察ブログやYoutubeをやっていると、私の解釈に対して「曲解だ」と言ってくる人が結構いる。 裏を返せば、「1つの絶対的な映画の解釈があり、それ以外は視聴者の想像にすぎない」と考えている人だ。 とりあえずここでは、“ひとつの解釈信者”と呼ぼう。 ひとつの解釈信者は多様な解釈ができる作品があることを知らないのだろうか。 相当な根拠があるならともかく、なぜ曲解かしっかり説明もできず、ストーリーに対して正解が1個しかないと考えるのは流石に見方が狭すぎると思う。 さ

          映画に多様な解釈は必要ない!そんなわけないから…

          ディスニー的ポリコレ・多様性がコンテンツを滅ぼす可能性!

          本記事は、ポリコレゴリ押しの近年のディズニー作品に対しての儚い抗議文である。 ポリコレの不毛な論争に1つの明確な視点を与えられたと思う(そうじゃなかったらごめんなさい)。 「ディズニーさんのポリコレ映画・ドラマにはもうウンザリ…」。 私含めそんな人は少なくないだろう。 (最近だと『スターウォーズ新3部作』、『バズライトイヤー』100周年で爆死した『ウィッシュ』(2024)など。) (※ここでいうポリコレ映画とは主にキャラクターにマイノリティ(LGBTQ・人種)の要素を意

          ディスニー的ポリコレ・多様性がコンテンツを滅ぼす可能性!

          ドラマ『不適切にもほどがある!』多様性の正体を暴露する痛快作!

          宮藤官九郎脚本×阿部サダヲの新ドラマ『不適切にもほどがある!』を視聴! めちゃくちゃ笑った。とにかく面白すぎる。 1986年の体育教師が現代にタイムスリップするコメディで、多様性の時代にパワハラで特攻する痛快作だ。 まだ第一話だけど、多様性について発見したことがあった。 結論から先にいうと、日本の多様性は協調性の土台に支えられているということ。 多様性が個人を守るものではなく、協調性や同調圧力の道具になってしまっている気がするのだ。 多様性と協調性が掛け算しているから、

          ドラマ『不適切にもほどがある!』多様性の正体を暴露する痛快作!

          AI問題を音楽のグルーヴから考える、素人のAI論その1

          チャットGPTが世間を賑わせてしばらく経つ。 ファンクやR&Bなどブラックミュージックが大好きな私の最大の関心は、AIは音楽におけるグルーヴを生み出せるのだろうか?という点。 私の仮説や現状を述べるなら、AIが音楽は作れるのは明白だが、人間を踊らせるグルーヴのある楽曲を作るのはかなり苦手では!?というもの。 理由は、その楽曲のリズム・グルーヴ(心地よさ)は楽器同士の相関で決まるからだ。 つまり、他のパートを聴いて何らかの反応して演奏しなければグルーヴは生まれない。

          AI問題を音楽のグルーヴから考える、素人のAI論その1