創作小説『鳥の骨格標本に左右される猫は、猫を超越しうるか?』⑦
啓示翌朝、ドラムの音が小さくなったので恐る恐るベランダへ出てみた。下にヒグマの気配がない。逃げられる。そう思った瞬間、鼻先に熱い液体が降り注いできてパニック状態になった。いい香りがする。上を見るとパンダ夫人が微笑んでいた。如雨露には熱々のコーヒーがたっぷり入っているようで、黒い液体が引き伸ばされて弧を描き、降り注いでくる。深煎りのようだ。
熱さで悶えながら部屋の中に転がり込む。恐らくスピリチュアルだか風水だかによると、敵にコーヒーを浴びせるのが効果的なのかもしれない。やられ