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すずめの戸締まり

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『すずめの戸締まり』は今まで観た映画の中で、トップクラスに良かったです。多くの人が感想や考察を書いていますが、私が読んだ中で共感できるものやハッとさせられたものを集めてみました。… もっと読む
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『すずめの戸締まり』に通底する精神は『日月神示』に通じる

『すずめの戸締まり』には日本の根源的精神が流れている 新海誠『すずめの戸締まり』はご覧になったでしょうか。普通に日本で暮らしている人であれば、この映画には神道の発想が根底に流れていることを感じたのではないかと思います。神道の発想の中でも、特に古神道あるいは幕末明治維新期に生じた新興神道(形式化した神道に対する本来の神道復活の動き)に通じるものがあると感じました。 そうした古来の本来の神道のエッセンスは『日月神示』(「ひつきしんじ」と読みます)に凝縮されて示されていると思ってい

『すずめの戸締まり』から考えるコンパクトシティ、国土強靱化

新海誠監督『すずめの戸締まり』は、日本列島の住民が直面している課題を描き出している。こうした課題への政策的対応が、「コンパクト+ネットワーク」の形成だ。「コンパクト+ネットワーク」は、土木建設、鉄道、航空、情報通信、エネルギー等に影響する。関係産業への影響を知ることは、中長期的な株式投資の銘柄選択に資する。 新海誠三部作は自然災害がテーマの底流 新海誠監督の最新アニメ映画『すずめの戸締まり』は、既にご覧になっただろうか。1月15日時点で国内の興行収入124.9億円、国内歴代

【感想】すずめの戸締まり 感想と考察(草鈴風味)

・映画『すずめの戸締まり』、並びに関連コンテンツのネタバレを含みます。 ・草鈴推しが書いています。  すずめの戸締まり、公開1か月経過おめでとうございます!  映画が気になる方は大体映画館に足を運んだ頃かと思うので、もうそろそろ大丈夫かなと思い感想文をまとめました。  この記事は、前情報なしに初見で映画を観た後の<1度目>の感想および考察と、小説版等の関連コンテンツに目を通した上で再度映画を観た後の<2度目>の感想および考察に大きく分かれています。  初見で観たときにしか感

新海誠『すずめの戸締まり』レビュー〜災害3部作から〜

新海誠監督の映画『すずめの戸締まり』を見た。 みたいみたいと思っていたのだが、ちょうど子育てが始まってすぐというときだったのでずっと見逃したままになっていて、結局地上波でオンエアされるまでひっぱってしまった。 でも観た感想としては、公式HPがうたっているとおり「新海誠作品の中で最高傑作」だったと僕は思う。 ネタバレ全開で感想文兼レビューをしていきたい。 ◆災害3部作 「君の名は。」「天気の子」そして今回の「すずめの戸締まり」。 すずめの戸締まりについてのインタビュー

(チラ裏レビュー) すずめの戸締まり (映画 2022年)

※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。 作品名:すずめの戸締まり リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/B0CGJ67VCF 評価:★5(★★★★★) 2024年4月、金曜ロードショーで鑑賞した。2022年12月に小学生の娘と劇場で鑑賞して以来、2回目

すずめの戸締まりを見たよ

 公開当時にみたのですが、下書きのままだいぶ寝かせてあったのものを。   新海誠監督作品は全部見ています。  でもめちゃくちゃファンかというとそうでもない気もする。今回のすずめは地震が話に出てくるらしい、そのくらいの予備知識で見にいきました。    事前知識があると、それに引っ張られてしまうような気がして予告も見ずに。初見でみる機会は一度しかない。ならそうしようかなと。  別にネタバレ厳禁主義というわけではありません。なんとなく今回はそうしようかな。そのくらいのテンションで

『すずめの戸締まり』を観た感想(ネタバレ有)

ずっと前から楽しみにしてた『すずめの戸締まり』を観た感想をダラダラと綴っていく。 まず、扉を閉めた瞬間のタイトルカットで鳥肌が立って一瞬で心を掴まれた。 草太が唐突に椅子になる展開には笑ったし、SNSの投稿からダイジンを追うのも現代っぽくて良いと思った。 鈴芽が旅をする中で出会う人達が優しすぎる。民宿で働く同い年の千果、2人の子供を育ててるスナックのルミさん。この2人がいなければ鈴芽の冒険は成り立っていない。お別れの時に千果は洋服、ルミさんは帽子をくれるのは『君の名は。』の「

【映画レビュー】「すずめの戸締り」

本日も読んでいただきありがとうございます! 「すずめの戸締り」を見たのでレビューをしていきたいと思います。 最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 それではいってみましょう! どんな映画? 叔母の岩戸 環(いわと たまき)と一緒に暮らしている女子高校生の岩戸 鈴芽(いわと すずめ)は、登校中にすれ違った青年の宗像 草太(むなかた そうた)が気になり、彼を追いかけリゾート地の廃屋に向かったことをきっかけに、宗像 草太が代々行ってきた大地震を起こす「ミミズ」の封印を手伝

『すずめの戸締り』雑感

金曜ロードショーの録画を観た。新海誠作品で一番好きだった。 すでに素晴らしい批評がたくさんあるだろうけど、それらに目を通す前に素朴な雑感を書いておこう。 常世への扉を閉める常世は死者がいるべき場所である。今を生きる人がそこにとらわれたり、そこを見つめ続けてはいけない。気持ちを留めてはいけない。心が常世から出られなくなってしまう。 だが、そこに意識を囚われてしまう人もいる。本作では、震災をトラウマとして抱えた人々が該当する。廃墟となった場所に想いが集まると、そこの扉を通じて

日本の扉の物語『すずめの戸締まり』

豊かな想像力が、人間を自然の脅威への恐怖から少しだけ開放してくれる。日本の要石の話は、村上春樹の小説などに現代の神話のよう謎めいて描かれてきたけれど、新海誠監督は、まるで江戸時代の絵師が大きなナマズ絵を描いて地震を表現したように、老若男女にわかりやすく、それでいて21世紀の日本人に響くメッセージを込めて、日本人の地震の迷信を物語化してくれた。 しかし、テーマは「地震」だけではない。日本人は躾として「きちんと襖を閉める」ということに意識を向けるが、そこに一種の美学を感じ取った

すずめの戸締まり5回見た

今はどんなに悲しくてもね、すずめはこの先、ちゃんと大きくなるの。だから心配しないで。未来なんて怖くない。あなたはこれからも誰かを大好きになるし、あなたを大好きになってくれる誰かとも、たくさん出会う。今は真っ暗闇に思えるかもしれないけれど、いつか必ず朝が来る。朝が来て、また夜が来て、それを何度も繰り返して、あなたは光の中で大人になっていく。必ずそうなるの。それはちゃんと、決まっていることなの。 ───幼少期の鈴芽との邂逅シーンより引用 これエグすぎませんか・・・泣いちゃいま

すずめの戸締まり 新海誠は二代目宮崎駿かもしんない

なかなか時間が合わず観れなかったけれど、やっと観ました。 映画としては主人公と椅子に変えられてしまった相棒のロードムービーで、次々にイベントが発生してポイントで待ち構える中ボスを倒したらまた次のへというRPGみたいな映画でした。 まあそのぶんテンポがよいのでドキドキしながら見ることができて面白かったですね。 劇中の音楽が良かったし、昭和のJ-POPが流れたりしてロードムービー感満載なのもまたよかったと感じました。 以下、若干ネタバレありです。 なぜ主人公が椅子と一緒にネ

映画の話534 すずめの戸締まり

 震災の記憶と、民俗学的な風合いと、旅と、人とのふれあいなどが織り込まれて、さまざまなことを考えさせられました。  東日本震災の跡をたどりながら、震災遺児である主人公と、身近な大人たちの生々しい姿が描かれていると思いました。凍りついたままの震災の深い悲しみと、その悲しみの扉を戸締まりしようとする人々のメタファだとも思いました。癒えることのない心の傷と、それでもその傷と向き合いながら生きていく人々の姿に感動しました。  とても良い映画だと思います。

映画「すずめの戸締まり」を見てきた。素晴らしい導入。

映画「すずめの戸締まり」を見てきました! 公開初日、早朝7:30の回で見てきましたよ。良かったですね。でも、舞台としてここを選んでいいのかとは思いました。見ていて凄く哀しみを感じる映画でしたね。廃墟がたくさん出てきますが、そこは昔たくさんの人たちがいたところ、でも今はもう人はいず。 物語は希望を示して終わりますが、映像が見せるのはものすごい哀しみです。 良い映画でした。 導入部は特に素晴らしかったですね。映画館で見る映画を途中で出る人はほぼいないだろうに、しっかり人の心を掴