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【BL二次小説(R18)】 卒業旅行⑥


様々なアトラクションを楽しむ4人組。

東堂の言っていた通り、どれも待ち時間はゼロであった。



東「隼人」

新「?」


東堂が新開に耳打ちする。

東「荒北と観覧車でも乗ってこい」

新「え?……あ」


東堂は新開にウインクし、背中をポンと叩いた。


東「フク、あっちにボニーが居た。今度は気絶するでないぞ」

福「ム!」

東堂は福富を連れ、離れて行く。


新「靖友。オレ達は観覧車に乗ろうぜ」

荒「ン?……そうだナ。ちょっと疲れたしナ」

素直に従う荒北。




ゴンドラに乗り込み、向い合わせに座る。

ゆっくりと上昇を始めた。


新「……」

荒「……」


久々に二人きりになり、なんとなくお互いモジモジする。


(よし、いい雰囲気だ。今夜はオレの部屋に戻って来てくれって言わないと)

新「……あ、あのさ、靖友」

荒「……ン?」

新「実はさ」

荒「ン」

新「尽八にオレ達の関係バレちま……」
荒「ンだと何やってンだテメェゴラ!!」

新開が言い終わる前に荒北は立ち上がり胸ぐらを掴んで叫んだ。


新「うわぁ話す順番間違え……」
荒「ンな大事なこと今頃報告か!ア゙ァ?」

新開の頭を前後に振り、ゴンドラもグラグラと大きく揺れる。


新「き、聞いてくれ靖友!それでさ……」



新開は東堂が巻島に恋をしていることを話した。



荒「アイツも……男に?」

新「そうなんだ。だからオレ達のことすごく理解してくれたんだよ」


荒北は締め上げていた手を離した。

荒「ものすげェ……遠距離じゃねーか」

新「ああ。すごく寂しそうだった。オレ達のこと羨ましいって」


荒「そうか……」

東堂に同情心が芽生える荒北。


新「でさ、今日から同室になれって。オレ達に。幹事命令だって」

荒「エ?」

新「靖友……戻ってきてくれよ。離れ離れは寂しいよオレ」

荒「ウ……」


二人共顔が真っ赤になる。


荒「……わァったヨ。幹事命令なら仕方ねェ」

新「靖友!」

新開は飛び上がって喜び、荒北の手を握った。




ちょうど観覧車が一周し、二人はゴンドラを降りる。

東堂と福富が待っていた。


東「では、一旦ホテルへ戻るぞ」

荒「エ?なんで?」

新「まだ昼過ぎだぜ?」

驚く二人。


東堂は不敵な笑みを浮かべて説明した。

東「フッ。これだから素人は。……ツウはな、昼間はホテルに戻り昼寝をしたりプールで寛ぐのだ。一番気温が高くなる時間帯だからな。そんな時に屋外で遊んでいたらヘトヘトになってしまう。陽が落ちて涼しくなってから再入場し、ナイトパレードや花火を楽しむのだよ」

荒「ヘェ~。なるほどナ」

新「確かにパスは何度でも出入り自由だし、まだ数日あるんだから慌てて遊ぶことも無いな」

東「フフフ。だんだんわかってきたようだな。とかく日本人は余裕を知らなさ過ぎるのだ」






ホテルへ戻ると、既にベッドメイクは終わっていた。

荒北と東堂は荷物をまとめ、部屋を入れ替わった。


福「オレはプールに入ってみたい。昼寝ならプールサイドでする」

東「おお!それは良い。オレも付き合うぞフク!」

泳ぐ気満々の福富に東堂も同意する。


新「オレ達は部屋で昼寝してるよ。二人共ごゆっくり」

荒「なんか昼間にホテルで寛ぐって、すげェ勿体ねェ気がするが、すげェ贅沢な気もするナ」

東「夜遊びするための休憩だ。何も勿体ないことはない。ゆっくり休め。ではまた夜にな」

東堂と福富は海パンとタオルを持ってプールへ向かった。



新開と荒北は部屋へ入る。

パタン。

ガチャ。

ドアを閉め、鍵をかけた。



ガバッ!

新「!」

鍵をかけた瞬間、荒北が飛び付き、キスをしてきた。


新「ん……」


荒北の差し込んできた熱い舌に、新開も舌を絡めて応える。


二人は抱き合ったまま、ベッドへ倒れ込んだ ──。




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