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15歳の娘が男だと言い出した。LGBTqなんて、マジでくそ。(その1)
スーパーマーケットで買い物をしている時だった。
「ママ、私、付き合っている人がいるの」
『え!』
(ついにきた!!!赤ちゃんの時から手塩にかけて育ててきた愛娘Sちゃんに、人生初の彼氏ができたのかっー!
そーか、そーか。ついに、Sちゃんにも、甘酸っぱい青春が来たのねー!
いいなぁ、初恋、実ったのかー。)
思春期真っ只中のSちゃん、中学に上がった途端、学校でのことなんて、聞いても何も教えてくれない。
15歳の娘が男だと言い出した。(17)
何度か訪れている京都。
旅行が解禁されて日も浅いということもあって、いつも人で賑わう三年坂に、ほぼほぼ人がいない。
お店は全部空いていたので、こんなにもゆっくり見て回れることに感謝した。
今回は、まだ見ていない神社仏閣に行こうと提案し、事前に行きたい場所をSに選択させていた。
その一つが、「縁切り神社」だった。
なるほど、そうきたか!と内心笑ってしまった。
思いのほか特徴のある神社で、縁を切りた
15歳の娘が男だと言い出した。(16)
カウンセラーからのアドバイス通り、部屋の片付けを始めた。
自分の部屋の掃除は、彼女に任せていたので、ガッツリと部屋に入るのは久しぶりだった。
親が部屋に入ることは、全く抵抗のない娘であるが、部屋の掃除をすることはかなり苦手。この際に、断捨離もしたほうがいいのかなと思いつつ、カウンセラーの指示通り、自傷行為につながる道具を全部整理し始めた。
「先端が尖っているものは、この袋の中に入れてちょうだい
15歳の娘が男だと言い出した。(15)
クリニックには付き添ったが、診察室は、「自分だけで行ってくる」という彼女の気持ちを尊重して待合室で待つことにした。
診察後、医師から「不安神経症」であると告げられた。
そしてカウンセラーとのセッションを10回受けることを指導され、
その日は帰宅した。
それから何週間か経過したある日、カウンセラーから電話があり、
夫婦二人で来院するようにと告げられる。
入室早々、私たち二人をじっくりと観察している
15歳の娘が男だと言い出した。(14)
『違う、1年半くらい前。。。。』
この言葉が頭から離れなかった。
この時期は、彼女にとって、おそらくとても辛かった時期なのだ。
まさか、あのことが、まだ尾を引いているのか。。。。
原因があるのだとしたら、あれしか考えられなかった。
彼女が自分を男性だと自認し始めたと言った時期、それは中1の最後ごろ。
世界は、コロナ禍の最終段階に入ったところという時期。
中学という新世界がスタートするも、まだま
15歳の娘が男だと言い出した。(13)
会計を済ませ、荷物を車に乗せた。
フードコートで二人座って、ガッツリ話したいという欲求に駆られた。
聞きたいことというより、母親として、彼女に言いたいことが山ほどあった。
だけど、それをぶつけたら、勇気を出して言ってくれたであろう娘の気持ちはどうなる。。。
カミングアウトだけでもきっと相当勇気が入ったはず、今日はそれ以上突っ込まない方がいいのかもしれない。
サラッと流すことも時に必要だ。
だけど
15歳の娘が男だと言い出した。(12、ついにカミングアウト)
「牛乳、ありがとうね、カゴに入れて。」
「アーモンドも、いい??」
「うん、いいけど、2袋もいる?」
「ちゃんと食べるから」
アーモンドを積極的に食べる我が家ではない。
チョコレートに入っていたら食べる程度のSちゃん、単体でなぜ2袋も欲しいのか、わからない。
(ちゃんと食べるから)という言葉に引っかかったが、それよりもS奈ちゃんとのことのを打ち明けてくれたことに私の関心は向いていた。
「まま、
15歳の娘が男だと言い出した。(11)
(第一話のスーパーマーケットに戻る。)
娘Sが、S奈ちゃんと真剣交際をしていると打ち明けられた私は、
彼女に「牛乳を取ってきて」と頼み、その短い間に、今までの一連の彼女の変化を思い起こしながら、どう反応したらいいのか、迷っていた。
女子だけに囲まれて育った私は、部活でテニスが一番上手だった先輩に、恋に似た感情を持ち、バレンタインデーには「好きです」と書いたメッセージと一緒にチョコレートを手渡し
15歳の娘が男だと言い出した。(10)
実家の母から、祖母の危篤の知らせが入る。
姪っ子の結婚式の時に、家族全員で祖母とのひと時を過ごすことができていたので、祖母の最期は、私だけで実家に行くことにした。
臨終の祖母の付き添いに疲れ果てていた母や伯父達を休ませたり、お看取り、葬儀の手配、遺品整理などなどやることが多く、あっという間に2週間が経過していた。
その後、残念なことに、祖母の遺した諸々のもので、兄弟間が争うことになった。
母のスト
15歳の娘が男だと言い出した。(その8)
ドーナッツ屋さんで、二人向き合い、まだ試していなかった新作を頬張る。
美味しい!やっぱり、甘いものって、気持ちが上がる。
ちらっと彼女を覗き見る。
購買部での心細さは、ドーナッツが見事、追い払ってくれたのがわかった。
ママにできないこと、ドーナッツが、できる!!やってくれた!
「Sちゃんと一緒に食べると、いつもより美味しい気がする。」
ふふっと笑うSちゃん。
「コンファメーションバイヤス」
「何
15歳の娘が男だと言い出した。(その7)
二人無言のまま、車に乗り、エンジンをかけた。
Sも私も、何も悪いことなんてしていない。
だけどなんでだろう、この妙な後めたさと、そしてどうしてか、とっても恥ずかしいという気持ちに苛まれ、言葉が出ない。
母親の直感、さっき感じた、何かが起きているという感覚と、
車の中だというのに、購買部の女性達の視線が、未だに絡みついているような感じがして、一体、何から話したらいいのか、混乱していた。
Sちゃんに
15歳の娘が男だと言い出した。(その6)
約束通り、学校の購買部の前でSと待ち合わせをした。
6時間目の終了と共に校舎中にブザー音が、響く。
それと同時に、生徒たちの声に混ざって、椅子や、足音が溢れ出す。
一斉に降りてくる生徒達に混ざって、笑顔で階段を駆け降りてくるSちゃんの横には、仲良しのグループの一人、S奈ちゃんがピッタリ寄り添っていた。
娘と手を繋いでいた。しかも恋人繋ぎだ。
(今時女子って、中3になっても、手を繋ぐのだろうか?
15歳の娘が男だと言い出した。(その5)
ドアが勢いよく閉められてから、一体、何週間が経過しただろうか。
本格的に、寒くなったある朝、娘Sは、視線を合わせず横を向いたまま
こう言った。
「ママ、サイズが合わなくなったから、新しい制服をかって」
サイズが合わない、という表現に違和感しかなかった。
中2から身長は伸びておらず、完全に成長が止まった彼女に
制服のサイズが合わないという現象が起きるはずがないからだ。
悪戯がバレて、これから怒ら
15歳の娘が男だと言い出した。(その4)
10月は衣替え。
冬用の制服を箪笥から出し、アイロンがけをしていた。
用事がある時にしか私の近くに来ない娘Sが、まとわりつくように、体をくっつけて、たわいもない話を喋り出す。
Sちゃんがまだ幼かった頃、家事をこなす私にまとわりついては抱っこを迫り、何も手がつけられず、うんざりしたこともあった。
でもあれは、とんでもなく幸せな時間だったのだと、今になってわかるなんて。。
幼い時のSちゃんの面影を