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コラム・エッセイ集

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コラム・エッセイ等をまとめました。
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2019年2月の記事一覧

(0)プロローグ

(0)プロローグ

私は小さい頃から特定の物に愛着を感じてしまい、物にも感情があるような気がしてなかなか捨てられない性質なのだ。だから断捨離が流行り、世の中のかつて愛されたものたちがどんどんとリサイクルショップにも回されずゴミ捨て場に直行する話を聞くたびにそわそわしたもんだ。
そして自分の身に降りかかってきた母の狂気。断捨離、周辺整理と称して母は実家にある物ほとんどすべてを捨ててしまった。私や妹の小さかった頃の写真ま

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ひとめぼれ病

ひとめぼれ病

私は雰囲気がいい人が好きだ。何というか佇まいがよい、線にしたときに美しい形になりそうな人に毎回目が行ってしまう。
特に一条ゆかりの漫画から抜け出してきたような線の人が好物だ。
私はユーチューブで音楽を聴くときは初めに好きなミュージシャンの曲を流してからずっとオートプレイにしておく。そうしておけば似たような特徴のミュージシャンの曲を流してくれるので、知らなかった好きそうなバンドや歌手を見つけられて一

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見えない人たち

見えない人たち

憂鬱な日曜日。私は日曜日が怖い。月曜日なんかよりもずっと日曜日が怖い。日曜日なんてこなけりゃいいのに。いくらそう願っても日は昇りあたらしい一日が始まる。
小さな色々が積み重なって私は日曜日がだんだん怖くなっていった。初めは何となく楽しかった。だけど最近は日曜日が近付くにつれてどんより、気分が沈んだ。
外見も内面も何となくいいなあ、かわいいなあと思っていた人間が同性だったら限りなく恋愛に発展する確率

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腐った愛

腐った愛

そこに愛はあるかしら?
もうないな、と思った。
あるとするなら家族のような、切れない縁のような腐った愛だけ。
そもそも初めからそこに愛はあったのかしら?
わからない。
たまたまが重なって私たちは一緒になった。
何度も繰り返される同じような争い、そしてもつれていく別れ話。
困難を共に乗り越えてきたと言ったらかっこよいけれど、そんな事はないただ単に面倒だから別れずにいるだけ。
誰だって今の生活を捨てて

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