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【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説

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フリムンという言葉は沖縄の方言で、バカ・愚か者という意味で使われる。この物語は、日本最南端の石垣島に生まれ、後に全日本空手道選手権大会を制する田福雄市氏の空手人生、そしてフリムン… もっと読む
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【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第8話 暗雲編(4)

【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第8話 暗雲編(4)

【初来島】石垣島に、師範が初めて足を踏み入れる日がやってきた。

同好会初の審査会のためである。

何だかんだで会員数も爆上がりし、同好会ながら他の空手道場よりも活気に溢れていた石垣同好会。

しかし、流石にフリムンと同じく那覇で審査を受けさせる訳にはいかないので、師範の配慮により石垣島で受けられる事となった。

ただ、大変なのはフリムンの方だ。

那覇に行けば、諸先輩方が常に近くに居るが、石垣島

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【自伝小説】第1話 幼少時代(1) |最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島  

【自伝小説】第1話 幼少時代(1) |最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島  

空手フリムンとは?

フリムンという言葉は沖縄の方言で、バカ・愚か者という意味で使われる。この物語は、日本最南端の石垣島に生まれ、後に全日本空手道選手権大会を制する田福雄市氏の空手人生、そしてフリムンな半生(または反省)を描いたノンフィクション作品である。
(記:月刊まーる編集部)

序章

 巨木がひしめく森で視界を遮られ、天を仰いだその視線の先から僅かに覗く星空に思いを馳せる。そんな表現が適切

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【自伝小説】第1話 幼少時代(2) |最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

【自伝小説】第1話 幼少時代(2) |最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

RAIN

その日は突然やってきた。

その日、仕事は休みであったが、働き者だった父は残った仕事を片付けたいと、祖母が止めるのも聞かずに一人で職場へ向かったのだという。

生憎その日は雨だった。

仕方なく雨ガッパに身を包み、木材を切断する仕事に没頭していた父。そんな作業中、運悪くその雨ガッパが機械に挟まり、そのまま巻き込まれてしまったという。休日のため周囲には誰も居らず、助けも呼べずただ悪戯に時

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【自伝小説】第2話 小学校時代(1) |最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

【自伝小説】第2話 小学校時代(1) |最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

屋根より高い鯉のぼり

 毎年5月5日(こどもの日)になると思い出すことがある。少年が、まだ低学年の頃の話しである。

祖父がなけなしの給料をはたいて買ってきた小さな鯉のぼり。それを門柱に縛り付け、少年に誇らしげに見せていた時の事である。

貧しかった我が家に、まさか鯉のぼりが泳ぐ日が来るとは夢にも思わなかった少年は、心の底から大喜び。祖父の腰に手を回し、歓喜した。

祖父もさぞやご満悦だったこと

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【自伝小説】第2話 小学校時代(2) |最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

【自伝小説】第2話 小学校時代(2) |最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

血ぃーごーごー事件

 突然、辺り一面に悲鳴がこだました。そこは某小学校のグラウンド。少年野球チーム、「武蔵」の本拠地だった。まだ5年生ながら、そのチームのキャプテンを務めていた少年。

その日は練習日ではなかったが、気の合う仲間たちと休日を楽しんでいた時に事件は起きた。

 当時、その学校のバックネットは、4m程の角材に緑色の網を縛り付けただけの即席ネットであった。そんな弱々しいバックネットに、

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【目撃談】第2.2.1話 血ぃーごーごー事件の目撃談|そのとき私は空手フリムンを目撃した!|by 花屋・福木屋@石垣島

【目撃談】第2.2.1話 血ぃーごーごー事件の目撃談|そのとき私は空手フリムンを目撃した!|by 花屋・福木屋@石垣島

本編は下記バナーから読めます

血ぃーごーごー事件の目撃談

ごーごー事件!やはり自伝に加えられるべき出来事だったか。あの光景、惨状は死ぬまで頭から離れないだろうな…。

爺さんに理不尽に怒られている雄市があまりにも不憫だった。

爺さんの剣幕に自分も震えあがっていたので、血ミドロの雄市が自転車で帰る姿は薄目を開けて見るのが精一杯だった。

砂利道をヨタヨタしながらだんだん小さくなっていく後ろ姿は

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【自伝小説】第2話 小学校時代(3) |最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

【自伝小説】第2話 小学校時代(3) |最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

未来少年

その頃の石垣島にはまだ民放はなく、テレビ放送はNHKのみ。更に少年が5年生になるまでアニメ放送は皆無で、子ども向けに放送されていたのは人形劇のみであった。

その日、石垣島に激震が走った。遂にお茶の間でアニメが見られる日が来たのだ。

子どもたちは飛び上がって歓喜し、「ビートルズがやってきたYAYAYA」どころの騒ぎではなかった。

そんな記念すべきアニメ放送の第一弾は、未だ根強いファ

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【自伝小説】第3話 中学校時代(1) |最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

【自伝小説】第3話 中学校時代(1) |最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

実験室少年は生粋の野球少年だった。

野球少年なら誰もが憧れる甲子園を目指し、日々血豆が潰れるまで素振りを繰り返す真面目な少年だった。

しかし、少年野球で2年間も主将を務めるほど努力を積み重ねてきたものの、いつしか団体競技に見切りをつけるようになっていた。

そう、個人の努力が報われないというジレンマが団体競技にはあったのだ。

当時、他の学校に後れを取っていた少年の通う中学校。

どんなに努力

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【自伝小説】第3話 中学校時代(2) |最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

【自伝小説】第3話 中学校時代(2) |最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

ドラゴンロード

あの時代は、全国的に校内暴力が蔓延り、日常的に不良少年が我が物顔で跋扈していた時代であった。

例外に漏れず、この島でもビーバップワールドが広がっていた。

少しばかり郊外に行けば、必ず金銭を巻き上げられるのが常であった。

そんな中でも、群を抜いて暴君が蔓延る地区があった。

通称「七町内」である。

そこは泣く子も更に泣き出す悪夢のような地区だった。

ちなみにそこを通過する

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【目撃談】第2.2.2話 第二の血ぃーごーごー事件?|そのとき私は空手フリムンを目撃した!|by 友人S

【目撃談】第2.2.2話 第二の血ぃーごーごー事件?|そのとき私は空手フリムンを目撃した!|by 友人S

夢にまで見た一番棒‥‥少年二人は感動のあまり言葉さえ失っていた..地獄の特訓も笑顔でこなし少年二人はメキメキと上達して行った。

小学生の域を超えたある日..夕暮れの校庭で雄市が俺に向かってこう言い放った‥‥

『俺達はこれで満足していいのかぁ!?』

熱く燃え上がる瞳はまるで星飛雄馬。そしてこう言った‥大人がやるように槍を大きく振り回してから俺の足元を突いて始めよう‥と。

本編の写真は槍を振り

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【自伝小説】第3話 中学校時代(3)最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

【自伝小説】第3話 中学校時代(3)最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

実戦の定義いきなり始まった代表戦。二人を取り囲んだ敵側の仲間が、少年にのみ次々と罵声を浴びせてきた。

これ以上の恐怖は他にない。しかし、何もしなければフルボッコは確実だ。

少年は仕方なくジークンドー(李小龍が考案した武術)のサイドキック(足刀横蹴り)を繰り出した。

だが、いつもよりスピード、タイミング、角度までもがイマイチだ。

足がすくんでいるのだから当然だ。

直後、その空手野郎が「フシ

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【自伝小説】第3話 中学校時代(4)最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

【自伝小説】第3話 中学校時代(4)最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

警察故事「オワタ」
「完全にオワタ」

少年は心の中でそう呟きながら、人生初となるパトカーの後部座席に身を委ねた。

そして、署でおまわりさんにこっぴどく叱られた後、保護者に連絡を取るため自宅の電話番号を聞き出された。

時計の針は既に深夜を指していたが、寝ているはずの祖母の事を思いながら、泣く泣く電話番号をおまわりさんに告げた。

それから僅か数分後の事であった。

「いや…あの……」「〇×▼※

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【自伝小説】第4話 高校編(1)|最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

【自伝小説】第4話 高校編(1)|最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島

FIRST LOVE(初恋)

何だかんだあった中学校生活(あり過ぎやっ)、

入試直前に「深夜徘徊」と「無免許運転」で補導されたにも関わらず、奇跡的に県立Y高に入学する事ができたのは、これが初犯であった事と、先生方へのウケが良かった事などが上げられよう。

昔からよくトラブルに巻き込まれてはいたものの、平和主義で揉め事が嫌いだった少年。それを先生方はキチンと見抜いてくれていたのだ。

ただ、そん

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【目撃談】実録 |新聞沙汰となった「マミドーマ事件」関係者の証言|by フリムン同級生@石垣島

【目撃談】実録 |新聞沙汰となった「マミドーマ事件」関係者の証言|by フリムン同級生@石垣島

この記事では、約45年ほど前、沖縄県石垣市内のN中学校生徒(石垣第N中であろうと思われる)が、天敵のI中学校の生徒(石垣市立I垣中であると推察される)に集団で殴り込みを掛けたという、通称「マミドーマ事件」についての目撃証言を公開した。この事件は全国的に新聞報道されたという。(詳しくはこちらをご覧ください)

【同級生Tさんの証言】

同級生T:
一生忘れられない全国的に報道された事件にふれちゃたわ

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