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【自伝小説】第1話 幼少時代(2) |最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島
RAIN
その日は突然やってきた。
その日、仕事は休みであったが、働き者だった父は残った仕事を片付けたいと、祖母が止めるのも聞かずに一人で職場へ向かったのだという。
生憎その日は雨だった。
仕方なく雨ガッパに身を包み、木材を切断する仕事に没頭していた父。そんな作業中、運悪くその雨ガッパが機械に挟まり、そのまま巻き込まれてしまったという。休日のため周囲には誰も居らず、助けも呼べずただ悪戯に時
【自伝小説】第2話 小学校時代(1) |最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島
屋根より高い鯉のぼり
毎年5月5日(こどもの日)になると思い出すことがある。少年が、まだ低学年の頃の話しである。
祖父がなけなしの給料をはたいて買ってきた小さな鯉のぼり。それを門柱に縛り付け、少年に誇らしげに見せていた時の事である。
貧しかった我が家に、まさか鯉のぼりが泳ぐ日が来るとは夢にも思わなかった少年は、心の底から大喜び。祖父の腰に手を回し、歓喜した。
祖父もさぞやご満悦だったこと
【目撃談】第2.2.1話 血ぃーごーごー事件の目撃談|そのとき私は空手フリムンを目撃した!|by 花屋・福木屋@石垣島
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血ぃーごーごー事件の目撃談
ごーごー事件!やはり自伝に加えられるべき出来事だったか。あの光景、惨状は死ぬまで頭から離れないだろうな…。
爺さんに理不尽に怒られている雄市があまりにも不憫だった。
爺さんの剣幕に自分も震えあがっていたので、血ミドロの雄市が自転車で帰る姿は薄目を開けて見るのが精一杯だった。
砂利道をヨタヨタしながらだんだん小さくなっていく後ろ姿は
【自伝小説】第3話 中学校時代(1) |最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島
実験室少年は生粋の野球少年だった。
野球少年なら誰もが憧れる甲子園を目指し、日々血豆が潰れるまで素振りを繰り返す真面目な少年だった。
しかし、少年野球で2年間も主将を務めるほど努力を積み重ねてきたものの、いつしか団体競技に見切りをつけるようになっていた。
そう、個人の努力が報われないというジレンマが団体競技にはあったのだ。
当時、他の学校に後れを取っていた少年の通う中学校。
どんなに努力
【目撃談】第2.2.2話 第二の血ぃーごーごー事件?|そのとき私は空手フリムンを目撃した!|by 友人S
夢にまで見た一番棒‥‥少年二人は感動のあまり言葉さえ失っていた..地獄の特訓も笑顔でこなし少年二人はメキメキと上達して行った。
小学生の域を超えたある日..夕暮れの校庭で雄市が俺に向かってこう言い放った‥‥
『俺達はこれで満足していいのかぁ!?』
熱く燃え上がる瞳はまるで星飛雄馬。そしてこう言った‥大人がやるように槍を大きく振り回してから俺の足元を突いて始めよう‥と。
本編の写真は槍を振り