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君がいる夏 (ミスチルが聴こえる)
僕の好きな夏が終わってしまった。同時に、学校が始まってしまった。夕暮れも悲しくなる季節が来る。海を見ても虚しくなる季節が来る。冷たい風が吹き、寒くなるこれからが、僕は嫌いだ。
「何聴いてるの?」
放課後。君はイヤホンをした僕の肩を叩いて、訊く。
「言っても知らないよ、君は」
それでも君は僕を離さない。
「いいじゃん、教えてよ」
小さな子供みたいにせがむ君。仕方なく、僕は教
何処へ行く?(ショートショート)
この車、何処へ行く?
行き先は、不明。
しかしどうして行き先が不明なのかさえ、不明。
外観が見えれば良かったけれど、窓の外は何故だかブラックアウトしている。だからここが都会なのか、田舎なのか、それすらもわからない。
もっと言えば、僕は助手席に座っているのだが、運転手がいない。しかしアクセルは踏まれていて、ハンドルは動いている。これはあれか、幽霊の仕業だろうか。
この車、何処へ行く?