パゴパゴ

人滅。主にカニ人の二次創作小説を書くモジカキヘンタイニンゲン。そもそもカニ人って何?と…

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人滅。主にカニ人の二次創作小説を書くモジカキヘンタイニンゲン。そもそもカニ人って何?という方は管理人ソラ氏が運営されている公式公認ファンサイトへどうぞhttps://cssora.net/kanijin/top.html

最近の記事

「アガルタ日本神話編後期のあらまし」について

どうも、パゴパゴです。カニ人ワールド・アガルタ日本神話編の考察、今回は後期を取り上げます。中期に起きた主な出来事としては、テナズチ夫妻の地上での陰謀失敗、スサノオとクシナダの出会い、月読とテナズチ夫妻が共謀して黒蟒を封印……といったところでした。今回はヒルメが邪馬台国を治めている所から話が始まります。 疲弊するヒルメ まずはヒルメが邪馬台国を捨てアガルタへの帰還を決心する所から。父親から逃れるために地上へやって来たヒルメが、なぜまたアガルタに戻る事になったのかという理由が

    • 「アガルタ日本神話編中期のあらまし」について

      どうも皆さんこんばんは、カニ人ワールドの調査官に転職したいパゴパゴです。 先日、カニ人公式アカウントから「アガルタ日本神話編 中期・後期」の情報が開示されましたね。 いや今回も情報量が凄まじかった。物語とキャラクターってこうやって絡めて作っていくのかと勉強にもなりました。おそろしいのはこれほどの構想をスケッチだけで展開しようとしていたカニ人です。今からでも遅くないので漫画家のippatu氏(@ippatu358)をシャウエッセンで買収して漫画連載を開始しましょう。カニ人ワ

      • 「アガルタ日本神話編前期のあらまし」について

        こんばんは、パゴパゴです。昨日オニギリィーヌさんのnote記事、「爬の国考察」を読んで色々とぶったまげる事がありました。 爬の国編が進んでる! 新スケッチも出てる!! 確認できた範囲でも以下の三つのスケッチが追加されていました。 ・月読 ・ツクヨミボーイ ・天照大神 いつもの公式公認非公式Webサイトにはまだアップされてなかったので画像は引っ張って来られませんでしたが、とりあえず妻に公式Twitter(現X)を見せてもらってテキストだけ引用させて頂きます。 ●月読

        • 【後編】ラナンキュラス号事件

          前編はこちら。 ◆◆◆ 「イケメンニンゲンブロマイドを取られたぁ⁉︎」 通信機の向こうでスガルが叫んだ。岩に縛られたまま通話を聞いていたアトリがこくんと頷く。 「……か、返して欲しかったら自分たちのいう事を聞けって……やり取りはライトを使ったモールス信号で……」 ハナコには思い当たる節があった。ラナンキュラス号を発見する直前、アトリのライトが突然謎の点滅をし始めたのだ。 「あれは調子がおかしくなったんじゃなく、奴らに情報を送っていたのか。我々が待ち伏せしている事、

        「アガルタ日本神話編後期のあらまし」について

          【前編】ラナンキュラス号事件

          太平洋の北西部に美しい弧を描いて連なる小さな島々の東側に、世界で最も深い海溝であるマリアナ海溝がある。その深さ8000メートル地点で、一人の人魚がライト片手にパトロールを行っていた。深海警察の新米保安官、カイコウオオソコエビ人魚である。周囲には彼女の他には誰もいない。人魚の中でもこの深さまで潜ってこられる種族はほとんどいないからだ。カイコウオオソコエビ人魚は殺人的な水圧に耐えられる特殊な体質を持っている。だからいつもこの海域のパトロールを任されているのだが、警棒片手に周囲を警

          【前編】ラナンキュラス号事件

          昆獣ミルメコレオちゃんの誕生によせて

          カニ人界隈の皆様、あけましておめでとうございます。noteに生息するモジカキヘンタイニンゲンのパゴパゴです。パコパコではありません。2024年も宜しくお願い致します。 昨年の大みそかを〆切として行われた「第二部人虫族人気投票」はどうやら無事に終了した模様です。公式公認非公式WEBサイトに新たなハーフキッズが数人登録されていました。誠に喜ばしい事に私の推しである虫竜クインアントちゃんの子供、昆獣ミルメコレオちゃんも誕生していました。やったー! 拍手!!! Twitter(現

          昆獣ミルメコレオちゃんの誕生によせて

          【速報】ippatu氏、人虫族人気投票で裏工作か ──カニ人との癒着濃厚──

          12月21日より開催されている第二部人虫族人気投票を巡り、主催者であるカニ人の意向に沿ってハイクオリティなFAを投稿し一部の候補に有利な影響を与えようとしたなどとして、漫画家でシャウエッセン好きを公言するippatu氏(@ippatu358)が裏工作の疑いを持たれている。『グローバル・ロッカー通信』が独自にスクープした。 ippatu氏が投稿したのは虫竜・常世神と呼ばれる人虫族のFAだ。この人虫の詳細については非公式公式公認Webサイトの記述を引用する。 カリブ海海底警察

          【速報】ippatu氏、人虫族人気投票で裏工作か ──カニ人との癒着濃厚──

          ホトトギスの誤算

          虫竜クインアントが闘技場の観戦に訪れる日はちょっとした騒ぎになる。町の端から端まで続いているのではないかと思うほどの物々しい行列の正体は、虫の国の外れにある彼女らの居城、巨大な『パレス』に住むシロアリ族の群れだ。お揃いの真っ赤な槍を携え、きびきびとした動きで先頭を行くのは一族を外敵から守る兵隊たち。その後ろに続くのは女王の身の回りの世話をするワーカーだ。四列縦隊の内側二列にワーカーがおり、その外側を兵隊たちが守っている。 シロアリ族の外見にはあまり個体差がない。誰もがみな似

          ホトトギスの誤算

          策士の話(大体全部アイツらのせい)

          どうも、パゴパゴです。この記事はみえ様主催の「カニ人アドカレ2023」20日目の記事です。と言っても他の方のようにちゃんとした記事ではなく、カニ人ワールドについて個人的に気になった点についてアレコレと想像を巡らせるというか、時系列を妄想を交えてまとめるというか、とにかくそんなフワッとした記事になります。ちなみに前回の記事はこちらです。ヨナタマ嬢への愛が詰まった素晴らしい内容です。 さて、普段はヘンタイモジカキニンゲンの端くれとして広大なネットの片隅で二次創作小説ばかりを書い

          策士の話(大体全部アイツらのせい)

          シガーラの転職

          この記事はみえ様主催の「カニ人アドカレ2023」18日目の記事です。カニ人5回目のお誕生日おめでとうございます🦀これからも末長く人類滅亡させて下さい。今回の作品は2〜3ヶ月前からチマチマ書いていたものですが一応新規になります。お楽しみ頂ければ幸いです。 17日目の記事はこちら。 ◆◆◆ セミ人虫のシガーラは消毒薬の臭いがする就労支援施設のブースに座り、すでに何度も顔を合わせている担当職員を見つめた。 一目見ただけで分かるうんざりした表情。それはそうだろう。この担当者か

          シガーラの転職

          綱渡り

          この記事はみえ様主催の「カニ人アドカレ2023」8日目の記事として参加しています。昨日に引き続き書き下ろしではありませんが、内容を若干修正したものをアップさせて頂きます。お楽しみ頂ければ幸いです。 7日目の記事はこちら。 ◆◆◆ 時は東西冷戦の最中のことである。地上で行われているニンゲン同士の血で血を洗うような争いの行く末などどこ吹く風とばかりに深海の熱水噴出孔近くで心地よい惰眠を貪っていたカニ人たちは、突如として視界が眩い光に満ち、直後に強烈な熱と衝撃が全身を激しく打

          竹箆返し

          ひとけのない山道で、男は立ち止まった。 誰かに見つめられているような気がしたのだ。 首をめぐらし、後ろを振り返る。 懐中電灯のぼんやりとした明かりの中には、今来た山道があるばかりだった。 男の他には、誰もいない。 「──気のせいか」 訝しげに呟いたが、それも束の間、男はまた歩き始めた。 先ほどよりも、ほんの少しだけ早足で……。 時刻は、もう間もなく日没を迎える頃合い。 町の盛り場で飲みすぎ、帰るのが遅くなってしまった。 この辺りは昔から妖怪変化が出ると噂されるいわくつきの

          真夏の約束

          蝉しぐれが容赦なく降りつけてくる八月のある日の朝、庭に大きな池のある屋敷のなかで、一人の青年がその短い生涯を終えようとしていた。 「…………」 青年は長く肺を患っていた。 この時代ではまだ不治の病とされていたものであり、幼少の頃より次第に症状が重くなってきていたが、ついに寿命を奪い尽くすに至ったのであった。 屋敷に集まった親族たちは、彼の臨終までそばにいることを望んだ。 だが驚いたことに、本人がそれを断った。 最期の瞬間は一人で迎えたいと言い出したのだ。 にわかに場が騒

          真夏の約束

          人類滅亡もいいが、クリスマスも悪くない

          ※警告:本作には筆者の妄想オリジナル人獣ちゃんが複数登場し、ストーリーの本筋に絡みます。せっかくここまで来て頂いた方には申し訳ありませんが、そういう要素が苦手な方はご注意下さい。 ◆◆◆ 今よりもほんの少しだけ未来の話。 猛烈な寒波が地球全体を覆い尽くした十二月のある日、夜よりも暗い深海の底で、カニ人たちが集まって何やら秘密の集会を開いていた。 「諸君、よく聞くカニ!」 見れば、一匹のカニ人が他の大勢の前で演説をぶとうとしていた。 「いきなり皆を集めてどうしたカニ?

          人類滅亡もいいが、クリスマスも悪くない

          籠の中の蛇

          その道場には、国中から人爬たちが集まってきていた。 御前試合が開かれるのは実に三年ぶりのことである。 居並ぶ観客たちは皆、熱心に目の前で行われている試合を見つめていた。 爬の国はアガルタでも武芸の盛んな国として知られている。 それは、人爬というものが程度の差こそあれ、生まれつき闘争を好む性質を持っていることに由来するのかもしれない。 彼らは幼い頃から日常的に武術の鍛錬をし、肉体的な成長と共にその技術をも磨き上げていく。 強さこそ正義、強さこそ美徳。 人爬とはそういう種族だ。

          籠の中の蛇

          祈り

          この記事はみえ様主催の「カニ人アドカレ2023」7日目の記事として参加しています。書き下ろしではありませんが、お楽しみ頂ければ幸いです。 6日目の記事はこちら。 ◆◆◆ 年の瀬を迎えたアガルタの一角にある、狭い木造家屋。 こたつに寝そべりながら煎餅を齧り、テレビを見ている人爬がいる。 部屋の外からガチャリと鍵が開く音。 ズルズルと重い物を引きずるような音がして、長い黒髪を持つ人爬である濡女が顔を出した。 「ヤト様、こんばんは」 ヤトと呼ばれた人爬はむっくりとこたつか