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本紹介

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2016年4月の記事一覧

「体育座り」にいろいろ思う

「体育座り」にいろいろ思う

「体育座り」、またの名を「三角座り」。
幼稚園から中高生・大人まで、椅子以外の地べたに座る場面では、馴染みの、体に染み付いた座り方ですね。
両手で折れ曲がった足を包み、限りなく縮こまる型です。

しかし、竹内敏晴氏は、『教師のためのからだとことば考』(1999年刊 ちくま学芸文庫・私が読んだのは藤原書店刊『セレクション 竹内敏晴の「からだと思想」2「したくない」という自由』に収録されたそれです)の

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平成における読み聞かせ絵本の定番中の定番

平成における読み聞かせ絵本の定番中の定番

ほとんどの赤ちゃんがいるご家庭には、この絵本があるのではないか?
と、密かに思っている定番中の定番絵本

まつおか たつひで作『ぴょーん』今日はこの絵本の作者の新作発売記念講演会に行ってきた。

新作は『だれのこえ?』

『ぴょーん』誕生秘話から物理、自然界、生物界にまつわる貴重なお話、めっちゃくちゃ面白かった!

とにかく、生き物をじっくり観察することの楽しさを思い知りました。

「ちょっとそこ

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そしてコヨーテ

そしてコヨーテ

職場にあった小川洋子著『ことり』ですが、「読みなよ!」と背中を押したのは、他でもないこの雑誌です。

そして、ブローディガン『西瓜糖の日々』とコーネル『箱の中のユートピア』が手ぐすね引いて待っているのでした。

読むのが遅い私。「生きている間に読みたい本」が貯まっていき、気ばかり焦ってしまいます…。
#読書 #coyote #コヨーテ #ブローディガン #ジョセフコーネル #小川洋子 #平松洋子

小川洋子『ことり』関連。
ささやかに生きる人々の、救い、とまではいかなくても、なぐさめ?そんなものを提供できる人になりたいと思いました。

ミチル商会社史と司書のおねいさん

ミチル商会社史と司書のおねいさん

また一冊、読みながら鼻息が荒くなり動悸が速くなる小説と出会った。
いつまでも読み終わりたくない。この小父さんといつまでも生活を共にしたい。大きな事件が起こりませんように…。女になんか近づいちゃいけない!
思わずため息が出たりべそをかいたり、朝夕の通勤電車で感情を隠し切れない日々だった。

小川洋子著『ことり』

なんといっても小父さんの淡々とした愛おしい日々と、そこに加わるささやかな出会いの妙が得

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古書修復熱ふたたび

古書修復熱ふたたび

一昨年、突如として
「古書修復の修行がしたい!」
という思いが風船にように膨れ上がった。
図書館で貴重書の修理をしているうちに、
「もっとちゃんと教わりたい!」
との思いが発展した形だ。

思い立ったら居ても立っても居られず、「古書修復」でググってフィレンツェ古書修復インターンシップに参加する妄想をしたりして、盛り上がりは極限に達していた。

が、フィレンツェは家庭のこともあって無理なので、ネット

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全国の書店員さんを信じて

全国の書店員さんを信じて

この帯の付いた本を購入してみた。

一度、こういう派手な帯の本を読んで、「ダメだこりゃ」と長介さんになったことがあったので、読み始めで、
「もしかしたら、あの感じのヤツか?」
という警戒モードが発令された。
が、結論からいうと杞憂だった。オビの感想にあるように、「ページをめくる指が止められませんでした」なのだった。

『君の膵臓をたべたい』住野よる著(2015年双葉社刊)桜はらはらの表紙がタイムリ

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エイプリル・フールちゃんの奇跡

エイプリル・フールちゃんの奇跡

昨夜寝床に持ち込んだ、藤野可織著『おはなしして子ちゃん』(2013年 講談社刊)

この本には、10編のめくるめく妙ちきりん世界が収められている。

順不同に読んでいたが、昨夜は読みかけの「美人は気合い」を読み終え、ページをめくってあらびっくり。

目に飛び込んだ次の短編のタイトルは

「エイプリル・フール」であった。

おおー、なんとタイムリーな!そんじゃ明日、エイプリル・フールの日にこれを読も

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