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詩『夜に入水する』

入水自殺するように沈んで
毎朝、目を覚ましたときに
日付が変わってしまったと
空の境界線に別れを告げる

割れそうな頭をぶら下げて
まず台所で海の結晶を搾る
まるで青い檸檬れもんのかさぶた
伝えられなかった言葉たち
種を零すように落としこむ 

相手への思いやりや優しさ
いいわけなのかもしれない
檸檬が喇叭らっぱを高らかに吹く
若い果実に銃を突きつける

喇叭を何度も無鉄砲に吹く
武器は銃なのか喇叭なのか
誰も黒板に答えを書けない
チョークを投げ合うぼくら
攻撃は最大の防御らしいよ

(るかられるかのデッドライン)

*     *     *

熟れたメロンに、たかる小蝿、それは、明日の、ぼくたち、かも、しれないね、明日の、わたし、は、売れたメロン、になれたら、いいけど、たぶん、赤く暮れてゆく、レモン、レミ⚫ロメンは、知らないあいだに、解散していた、ひとりで、粉雪と、3月9日を、歌いつづけている、レミパンは、便利で、カラフルで、素敵だけど、高くて、買えない、(ねーむばりゅーはあるの?)、平野⚫ミは、小蝿のように、五月蝿うるさい、でも料理は、とても美味しそうだ、小蝿にも、家族があって、どんなに嫌われても、生きているんだ、みみずだって、もぐらだって、あめんぼだって、ぼくたちだって、わたしたちだって、みんな、みんな、生きてるんだから、いのちの、音を、そっと聞かせてよ、ちいさな、鼓動を、かき集めたら、銃声に、勝ちました、なんて、夢を、みる、きっと、銃口に、蓋を、できるのは、あたたかい、くちびる、だけ、いっせーのーで、歌をうたって、

*     *     *

ことばとことばのすきまをぬいながらおよぐあえぎながらあえいうえおあおあおいれもんがながれていったたいようのようにしずんでうかんでまたしずむどひょうのうえでのこったのこったれもんがさきかうみがさきかうみをうむのはだあれぼくをうんだのだあれわたしをうんだのだあれみんなおかあさんからうまれてきたおかあさんのおかあさんのおかあさんの……いちばんはじめのおかあさんをうんだのだあれほーほーほーたるこいこっちのみーずはすっぱいぞほたるはみずのきれいなくににすんでいるのかわをよごさないでうみをよごさないでおかあさんをよごさないですべてのいのちのみなもとなんだからあおいれもんもいつかおかあさんになれますかららばいららばいでんぐりがえしでいっかいてんしてからおやすみなさい

毎晩、海のようなベッドで
おかあさんに包まれてゆく

『ぐっどないと、そるてぃむーん』

photo:見出し画像(みんなのフォトギャラリーより、こおろぎ(裏)さん)
photo2:Unsplash
design:未来の味蕾
word&poem:未来の味蕾

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