深山静
2020年再始動の深山の短歌、川柳、エッセイ、小説です。
ことば書きの練習。 現代川柳・現代短歌を書き連ねています。(短歌多め)
えりちゃんを覚えてますかとおばさんが虚ろに迫るわたしもえりよ 制服のスカーフだけは捨てきれずわたしの首を今でも絞める 呼吸するように「キモい」と笑われて前髪の下…
汽水域境目ばかり探すから名を呼ばれると立ち眩みする あんな人でも死ぬんやなすみません期待に沿えず生きてしまって 優劣で生死の決まる法則が伝染病に掻き乱される 方…
この手から零れる愛は何でしょう1円単位で割り勘されて 一瞬の間が広がったカウンターあなたは覗くわたしは返す お帰りはあちらですよと午前二時扉の音はやっぱり残酷 …
コレ睫毛入っているな違和感と引き際を知りサヨナラを聞く 容量が分からず作った夕飯をタッパに詰める時差ぼけみたい 元日に向けて早まる閉店に大みそかすら追い出される…
左手の薬指だけ見る癖が今もわたしの真ん中に在る マニキュアがはみ出ず濡れた夜だからあなたの指に色を添えたい パノラマをもっと伸ばしてふたりきり 好きと言えれば楽…
2018年川柳まとめ 中道に舗装の有無を問いかける 書き換けの言葉飲み込む事務文書 日報に隠したはずのない正義 肉まんに包み込めたか春の夢 噛み締めた嘘に混じった歯…
2018年短歌まとめ・5 カウンター決めたあの子は絹ごしにおぼろのようなハートを隠す 強かに机の間すり抜けて窓の向こうにばらまく本音 しょーもないこともない気もする…
2018年短歌まとめ・4 加工した視界と言葉わたくしを現世に留める「いいね!」の通知 偽物の桜の花が落ちていて本物はもう雨の向こうへ 価値観の違いで離婚するのだし異…
2018年短歌まとめ・3 沈黙を守れぬ花火残像が扇ヶ浜のイルカに注ぐ 蝉時雨くぐり抜ければまた命稲穂の海を泳ぐトラクタ 濁流の中の煌めきその意味を指環の痕に聞けばい…
2018年短歌まとめ・2 人の死ももはや因数分解で求められずに受け入れられずに 他人事自分事への移ろいを加速できずに並ぶお通夜よ 容赦ない偽善の群れに追われ行く九月…
2018年短歌まとめ・1 嘘つきが子どもみたいに笑うから何度も角を曲がる一日 飛び出したその瞬間に分かるやろ世界を作るカラーコードが 病から食細くなり死に到る死に到…
手抜きでも愛してくれる悪い猫 性格の悪さで曇る眼鏡かな 色のない嘘を吐くから貴方だな 細胞のひとつひとつに男居り 枝分かれする髪の先舌の先 残酷にカップルシート…
撃たず塗るものと気付いたBBよ 騒ぐほど余地はなかったAカップ マニキュアを乾くの待てず爪を噛む 爪の先滲む涙は鳳仙花 指きりを映えるようにと爪を塗る 鎖骨から…
今年も九月一日は過ぎていった。 一週間前くらいから九月一日を心配する大人たちの言葉がSNSから流れてきて、「おっと、お前は違うんじゃないの?」って思う人も中には…
許し合う距離になれないやじろべえ 額縁はわたしの心切り取れず 台本に見当たらないか今生は 幕引きの合図代わりの始業ベル 柔らかな声に馴染んだ別れです 青い鳥つつ…
義務感で生きるわたしはまだ生きる 正義とはあんパン強いる横暴や 愚痴だけで膨らんだのよこのお腹 根性を有糸分裂させてくれ 無精子の吐息聞こえるひとり寝よ 今月も…
2021年2月11日 21:13
えりちゃんを覚えてますかとおばさんが虚ろに迫るわたしもえりよ制服のスカーフだけは捨てきれずわたしの首を今でも絞める呼吸するように「キモい」と笑われて前髪の下わたしも笑う教室でわたしを刺したコンパスが半径いじめメートルを描く学校と家を往復するだけで赤外線と化したわたしよ消しゴムの角を消すのとおんなじで躊躇うと負け、わたしの負けだ世の中が逆さまになり飛行機はわたしを轢いてどこか
2020年9月27日 22:23
汽水域境目ばかり探すから名を呼ばれると立ち眩みするあんな人でも死ぬんやなすみません期待に沿えず生きてしまって優劣で生死の決まる法則が伝染病に掻き乱される方法を検索ばかりするうちは弱虫のまま見送るだけで「負け犬」と言われなくても絶対に線を重ねて花を咲かすよエスケープキーを押すならデリートを 世の中のためわたしのために輝いて輝いてなお輝いて影が消えない影が消えないあのときの
2020年3月1日 16:46
この手から零れる愛は何でしょう1円単位で割り勘されて一瞬の間が広がったカウンターあなたは覗くわたしは返すお帰りはあちらですよと午前二時扉の音はやっぱり残酷胸焼けに寄り添う影を追いかけて繰り返し見るローマの休日親知らず抜いても消えぬ痛みには見透かされてる躊躇した過去半歩からさらに半歩も開いたらいつかあなたは去って行くのねあの曲の夜光虫になりたくてもらい泣きした空虚のわたし
2020年1月3日 13:04
コレ睫毛入っているな違和感と引き際を知りサヨナラを聞く容量が分からず作った夕飯をタッパに詰める時差ぼけみたい元日に向けて早まる閉店に大みそかすら追い出されるとは冷めていくカップの肌に懇願すあなたにだけは捨てられたくない閉店が迫りソファーは意地悪で女ひとりが泣き寝入りする冷めきったカップの底にひとりきりわたしの顔が染みついていたベイサイドモールを無言で歩く夜に強くなれたねヒー
2019年1月12日 23:04
左手の薬指だけ見る癖が今もわたしの真ん中に在るマニキュアがはみ出ず濡れた夜だからあなたの指に色を添えたいパノラマをもっと伸ばしてふたりきり 好きと言えれば楽なのに、ねえこの足が止まることのないようにため息を吐く白線を踏むくちびるの薄皮を食む独り寝にシュリンクされたあなたの記憶十年が長いねなんて言わないで貪欲だって自負はあるから*どんな関係かと問われれば、一日を共に過ごし
2019年1月12日 21:43
2018年川柳まとめ中道に舗装の有無を問いかける書き換けの言葉飲み込む事務文書日報に隠したはずのない正義肉まんに包み込めたか春の夢噛み締めた嘘に混じった歯の欠片恥なんてないから春は嘘なんだ米露中夜の唸りを誰が聞くひとときの長さをさしで測りたい梅東風に託す異動と腹の音ひと匙の幸せ舐める女ですミュージックボックスの中うずくまるモザイクに潜むわたしの頑なよ
2019年1月12日 21:38
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2019年1月12日 21:32
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2019年1月12日 21:24
2018年短歌まとめ・3沈黙を守れぬ花火残像が扇ヶ浜のイルカに注ぐ蝉時雨くぐり抜ければまた命稲穂の海を泳ぐトラクタ濁流の中の煌めきその意味を指環の痕に聞けばいいのにねえちゃんと胸に手を当て聞いてみてあなたに捧ぐラ・カンパネッラ待ってれば必ず星は落ちてくる願いが叶う保証はないがほつれ髪女々しさを剃る美容室ベリーショートで強がり増して太陽に向かい何をば語るやら燃え尽きること
2019年1月12日 21:15
2018年短歌まとめ・2人の死ももはや因数分解で求められずに受け入れられずに他人事自分事への移ろいを加速できずに並ぶお通夜よ容赦ない偽善の群れに追われ行く九月一日日はまだ長い宿題とともに詰め込む溜め息にランドセルすら我を裏切る花すらも置かれず君は旅立った座席表から消された名前正解を求め戦う人の手に捩じ込む誇りそして埃と高速の路肩に黒い靴下が迷いくたびれ死んでいく春*
2019年1月12日 20:27
2018年短歌まとめ・1嘘つきが子どもみたいに笑うから何度も角を曲がる一日飛び出したその瞬間に分かるやろ世界を作るカラーコードが病から食細くなり死に到る死に到るため食細くなる刃こぼれのない言葉だけ通過する泣く術忘れて見る砂嵐真夜中の合わせ鏡は饒舌に悪口ばかり我に向ける悔しさを舐めとる舌の柔らかき蛇口の栓をまた弛めけりジグザグに歩き続けたはずなのにカラーコーンはまだ倒れな
2017年10月18日 20:19
手抜きでも愛してくれる悪い猫性格の悪さで曇る眼鏡かな色のない嘘を吐くから貴方だな細胞のひとつひとつに男居り枝分かれする髪の先舌の先残酷にカップルシート座高告げ水ナスとともに噛みたるわだかまり肉じゃがとカレー並べて迫る夜数珠ひとつ気圧の谷に横たわる化けて出る母が母なら恋しかろ銀の匙安いやさしさすぐ分かる人生のハズレくじだけ集めてる足の裏無限に伸びる弱音
2017年10月18日 20:15
撃たず塗るものと気付いたBBよ騒ぐほど余地はなかったAカップマニキュアを乾くの待てず爪を噛む爪の先滲む涙は鳳仙花指きりを映えるようにと爪を塗る鎖骨からその先誘うほくろかな髪を巻く時間が惜しいイブの朝遠雷や彼の心も響かせよ真夜中の薄型テレビ軽いノリダニの跡辿って見えたオリオン座LINEよりわりかし近い天の川インスタの人の幸せ咀嚼する----------
2017年10月18日 19:09
今年も九月一日は過ぎていった。一週間前くらいから九月一日を心配する大人たちの言葉がSNSから流れてきて、「おっと、お前は違うんじゃないの?」って思う人も中にはいたり。何かを呼びかける、そんなアクションで心の保険を取っていたのだろう。恐らくわたしもその内呼びかけるかもしれない。自己満足、偽善と言われようと、死んで欲しくない人には死んで欲しくない。顔を思い浮かべれる人たちだけでも命
2017年5月13日 22:23
許し合う距離になれないやじろべえ額縁はわたしの心切り取れず台本に見当たらないか今生は幕引きの合図代わりの始業ベル柔らかな声に馴染んだ別れです青い鳥つついたハート炎上すちぐはぐのちぐの辺りに迷い込む星間に漂うわたしデブリかな都合いい女になるわスイングバイ月光は子宮奥には届かない沈黙を美徳とするな世の案山子花の名を知らぬ朝日が野に注ぐ踊り子のステップ示す
2017年4月25日 21:40
義務感で生きるわたしはまだ生きる正義とはあんパン強いる横暴や愚痴だけで膨らんだのよこのお腹根性を有糸分裂させてくれ無精子の吐息聞こえるひとり寝よ今月も始まりません乙女の日子宮には漂流ゴミが溜まってく唇の皮剥くたびにキスそびれクズ芋がわたしに似てて美味くない金曜の夜再起動し続けるスキップをうまくできないフラミンゴシマウマを踏み躙り皆渡りきる遮断機の向こ