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【お仕事】『Numero TOKYO』10月号掲載 村田沙耶香さんへのインタビューと新刊『地球星人』について

8月28日発売の『Numero TOKYO』10月号(扶桑社)。

巻頭特集「Beauty Rules 美しい人よ」の中で、芥川賞作家の村田沙耶香さんへのインタビュー記事を書かせていただきました。

ちなみに(編集さんがつけてくださった)記事タイトルは「『美しい』は変化する! 新しい価値観を手に入れるには」で、見出しを引用させていただくと……

少しずつ多様性が認められる世の中になってきた。となると「美しい」という基準も多様化するのが当たり前。私たちは自分の価値観でそれを判断すべきなのだ。芥川賞作家・村田沙耶香は新作『地球星人』で「常識は伝染する」と表現した。常識にとらわれない美しさ、その見つけ方について彼女に聞く。

……と、村田さんの中における「美しい」の価値観についてお話を伺いました。ちなみに「美しい」という表現は、村田さんにとって特別な想いのあるもので……どんな想いなのか、どの作品に関連しているのかは、ぜひ記事にてお確かめください。

ちなみに8月31日に発売される、村田さんにとっては芥川賞受賞後第1作となる『地球星人』(新潮社)

インタビューを行うにあたって『新潮』5月号に掲載されたバージョンを読んでいました。インタビュー終わりに、(いつも新刊紹介の原稿確認などでお世話になっている)新潮社さんの宣伝部の方が再校のゲラ(のコピー)を手渡してくださったこともあり、自分は単行本バージョンを既に(数回)読みおえているのですが、もう本当にすごい! 『新潮』掲載バージョンよりも、作品の奥行きや、村田さんだからこそ描ける世界観の濃度がグッと増しています。

これまで村田さんが作品の中で舞台にしてきた世界は、『コンビニ人間』に代表されるような《かなりリアルに近い(リアルでもありえる)世界》と、『消滅世界』に代表されるような《完全にフィクションである(と、読者もハッキリと分かる)世界》に二分されていました。が、『地球星人』で舞台となるのは村田さんの作品において、ほぼ初めてともいえる《リアルとフィクションの境界が曖昧になった世界》

さらに、「社会」の常識に抗おうとするキャラクターたちを描いた作品においても、キャラクターたちが「社会」からは完全には抜けださない形で物語が終わることがほとんどでしたが、『地球星人』のラストは……まだ単行本発売前なので、これ以上はネタバレになってしまいそうなので書きませんが、もう本当にものすごいラストだということだけは伝えたい……っ!!

インタビューの際も、村田さんご自身にお伝えしましたが、この『地球星人』は村田さんの作家人生におけるターニングポイントとなる作品だと自分は予感しています。

ラスト部分だけを切り出すと、エキセントリックさを狙ったかのようにも誤解されるかもしれません。でも、物語を頭から読んでいると、それが「必然」のように感じられるし、村田さんご自身も『地球星人』のラストについて……

あのラストは奇妙なことを書きたかったわけではなく、彼女(※主人公の奈月)のことを徹底して考えた上で「これしかない」という気持ちで書いたものでした。

……と、インタビューの中で語ってくださいました(この後につづく、村田さんの言葉がさらに素敵なので、ぜひ本誌を手にとって読んでいただきたい……!)。

とまぁ、相変わらずの長文になってしまいましたが、要は「村田さんのインタビュー記事も『地球星人』も読んで!」っていうことです。少なくとも、絶対に面白さが保証されている『地球星人』だけでも!(懇願) 村田沙耶香さんが作家としてネクストステージへとあがる瞬間を、見逃す(読み逃す)なんて本当に勿体ないですよ!!


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