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アンダーグラウンド(1995年:監督:エミール・クストリッツァ)【おい、外はどんな感じだ「いまだに映画紹介みたいだ」その服はなんか良さそうだな「ドイツ軍に取り入って入手した。これからは食糧なども外国製が多くなる。アメリカ製とかな」ふぅん】

エミール・クストリッツァ監督作品。
どこかで紹介したかもしれないけど、その場合は二度目だっ

何かのはずみに断筆宣言をして、これがラストの作品らしい。
(復帰したのかな?)
セルビア人であり、ユーゴ紛争で故郷が破壊されてしまい、
そのトラウマが大きかったらしい。
前作アリゾナドリームの後に、ぶっ続けで本作を制作した。
当然ながら賞を取ったのだが。

ということで、本作「アンダーグラウンド」は、
第二次大戦中のユーゴの話だ。

共産党員のマルコはインテリだが気が弱く、
たいしてクロは男の中の男といった感じの、
二人は親友だ。
傲慢なドイツ軍将校などと戦ったあげく、
地下で隠れパルチザン生活をするようになったクロは、
外部との連絡でマルコに依存する。

ここでいつも、クロの強さに憧れていたマルコの頭の中に、
悪い考えが浮かんでしまう。

クロの愛人と結婚してしまい、あまつさえ、
大戦が終わった後、何十年もクロを騙し続け、その地下工場で搾取してしまう。
地下工場で作ったものは、べらぼうな利ザヤで売りさばけるのだ。
外ではまだドイツ軍が支配していると思っているクロたちは、マルコに依存するしかない。
さんざクロたちを騙し続けるマルコだが、
そんな裏切り行為の中、ついにクロたちは外に出てしまう。

外ではちょうど、近所の戦争中の悲劇を映画化していた。
そこにいたのはあの傲慢なドイツ軍将校ではないか。
「なんてこった。あの野郎、昔とちっとも変ってないぞ。許さん!」

*****

というわけで、コメディ、悲劇。
この二つの要素はクストリッツァ作品ではド定番のしょうゆ味である。
うちの父の料理と同じで、何を作ってもしょうゆ味になるのだ。

いや、でもこれはスキだ。
アリゾナドリームに関しては、ぼろくそに言ったけど、
それはおそらく「アンダーグラウンド」の影響だ。

私はこの映画にかなり、深奥をやられている。
浸食同化され、奥の方がクストリッツァになってしまっているのだ。きっと。
それに元敗戦国民として、こういう作風にはとにかく好感が持てる。
ビビッときたのだ。

じゃあ、ネタバレいく。

結局、この悲劇は裏切り行為の清算を命で払って終わり。
といって、クロも生きる道はない。

・・・・・・

そしてどこかの草原で、仲間たちがみんなそろって、食卓につくのだ。
そこへマルコと愛人も。

クロの妻「あの女はきらいよ」
クロ「親友の妻なんだよ。ほら、これで機嫌を直してくれ」

マルコ「赦してくれ。クロ」
クロ 「赦そう。しかし忘れはしない」

・・・・・・・

この一言を言いたいためだけに、この長い映画はあったのだ。
クストリッツァ監督は地上のすべての憎しみに、
この言葉でケリをつけたのだった。

そして草原で仲良くランチからフェードアウトして映画は終わり。
クストリッツァ監督はまだ、此岸に戻ってきてはいないらしい。

諸君っ。これが映画だっ

復帰してる!?


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