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2023年全日本プロレスの三冠戦

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2023年の全日本プロレスの三冠戦を全試合レビューします #ajpw
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12.31三冠戦 中嶋勝彦VS宮原健斗〜闘魂?王道?その先にあるのモノは?

12.31三冠戦 中嶋勝彦VS宮原健斗〜闘魂?王道?その先にあるのモノは?

いやーめっちゃ悔しいですねー。まさか宮原健斗が中嶋勝彦に敗戦とは…。この日の中嶋勝彦はたしかに強かったです。これまでの打撃メインのスタイルを微妙にマイナーチェンジしての宮原の右腕を徹底して攻める。腕攻め自体が最初から意図されたモノかはわかりませんが、試合中盤に宮原の腕をハイキックで狙撃した以降は徹底しての腕攻め。最終的にノーザンライトボムからのアームロックで宮原からギブアップを奪いますが、それ以外

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11.5三冠戦 青柳優馬VS中嶋勝彦〜殺気と狂気という新たな価値観

11.5三冠戦 青柳優馬VS中嶋勝彦〜殺気と狂気という新たな価値観

10.21の後楽園ホール大会で挑戦者宮原健斗を退けて王者としての己の姿をプロレス界に見せつけた青柳優馬。その青柳優馬に挑戦への挑戦を宣言したのは中嶋勝彦。プロレスリング・ノアを9月をもって退団し、10月の試合を最後に方舟に別れを告げた中嶋の次の標的は三冠ベルトでした。決戦の地は11/.5札幌大会。札幌大会は昼夜興行であり王者青柳優馬はダブルヘッダー。6日で7連戦の最後というハードスケジュールでした

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10.21三冠戦 青柳優馬VS宮原健斗〜二人の9年と空色デイズ

10.21三冠戦 青柳優馬VS宮原健斗〜二人の9年と空色デイズ

三冠王者青柳優馬と挑戦者宮原健斗。このワードだけでも「とうとうその時がきたか」と全日本プロレスファンに思わせるものです。9年前に青柳のデビュー戦の相手を務めたのが他ならぬ宮原。その場所は奇しくも今回と同じ後楽園ホール。9年後に両者が全日本プロレスの至宝を賭けて相まみえる。それも「王者青柳に宮原が挑戦者として立ち向かう」。さらには全日本プロレスの旗揚げ記念日のメインイベント。新時代の旗手と現在のスー

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9.23三冠戦 青柳優馬VS本田竜輝〜人生の岐路で見せた強さと輝き

9.23三冠戦 青柳優馬VS本田竜輝〜人生の岐路で見せた強さと輝き

さて。三冠戦の深みを増すことでおなじみの全日本プロレスの煽りVですが。この試合はBGMにGLAYのpure soulを採用していました。この曲の歌詞の中で本田竜輝に当てはまりそうな箇所があったので、冒頭に引用しました。本田はこの日の三冠戦を前に所属していたユニットGUNGNIR OF ANARCHYから卒業をしていました。かつての仲間と離れ、人生の岐路に立ち。安齊勇馬という新たな仲間を得て。しかし

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9.3三冠戦 青柳優馬VS小島聡〜明日のヒーローは俺だ!

9.3三冠戦 青柳優馬VS小島聡〜明日のヒーローは俺だ!

あなたにとってのヒーローはどんな人ですか?有名人?先輩?両親?ちなみにぼくのヒーローは三沢光晴と小橋建太です。自分が憧れていたヒーローに対面する機会は案外ありえることです。しかし「ヒーローとともに切磋琢磨する機会」「ヒーローと勝負する機会」。これはなかなか得られないでしょう。三冠王者青柳優馬にとってその貴重な機会。それが9.3アオーレ長岡で行われた小島聡との三冠統一ヘビー級の防衛戦でした。

煽り

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8.6三冠戦 青柳優馬vs諏訪魔〜馬鹿VS馬鹿〜

8.6三冠戦 青柳優馬vs諏訪魔〜馬鹿VS馬鹿〜

現在の全日本プロレス三冠王者青柳優馬。彼がデビューして数年間にわたり。日々の試合で彼をボコボコにして鍛え上げたのが諏訪魔とジョー・ドーリングでした。その諏訪魔が挑戦者として王者青柳優馬に立ちはだかる。いや。王者青柳優馬が迎え撃つという方がよいか(煽りVで本人が諏訪魔の全てを受け止めると言ってたし)。いずれにせよ青柳優馬時代を築くために絶対に倒さねばならぬ相手が諏訪魔であり。個人的にはこの試合が組ま

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7.22三冠戦 青柳優馬vs大森北斗〜横綱が伝えた悔しさの重要性〜

7.22三冠戦 青柳優馬vs大森北斗〜横綱が伝えた悔しさの重要性〜

7.2で三冠統一ヘビー級のベルトを永田裕志から奪還した青柳優馬。彼の初防衛戦の相手は「同い年の後輩」である大森北斗となりました。王者青柳優馬、挑戦者大森北斗がともに生え抜き20代同士という三冠戦。今年の全日本プロレスにとっては2月の八王子以来の所属同士の試合ということもあり、個人的にも注目していた試合でした。

この試合の内容を率直に伝えるのならば?「若き横綱青柳優馬が堂々たる試合をして挑戦者大森

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7.2三冠戦 永田裕志vs青柳優馬〜ゼンニチ新時代は幸せの青い風景とともに〜

7.2三冠戦 永田裕志vs青柳優馬〜ゼンニチ新時代は幸せの青い風景とともに〜

青柳優馬が勝ちましたーーーーー!!!

いやーようやくようやくようやくです。2月から数えて5ヶ月。本当にようやく全日本プロレスの元に三冠統一ヘビー級のベルトが戻ってきました。全日本の象徴である宮原健斗を破り三冠ベルトを得た永田裕志。彼は石川修司、T-Hawk(CC覇者芦野祥太朗の負傷欠場によるピンチヒッター)、安齊勇馬と全日の選手を前に防衛を続けて来ました。永田は防衛を重ねる毎に尻上がりにコンディ

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6.17三冠戦〜暖かくて大切な場所で万人に未来を見せた安齊勇馬〜

6.17三冠戦〜暖かくて大切な場所で万人に未来を見せた安齊勇馬〜

さてさてさて。戴冠当初はコンディションに一抹の不安を抱えていた三冠王者永田裕志ですが、5.29後楽園ホール大会(前回の防衛戦)あたりからは明確にコンディションをあげてきました。特に「王者として堂々と相手の攻撃を受け切る」という部分。ある意味では最も全日ファンが望む部分。そこについて、ようやく永田がフィットしてきたという印象があります。

その永田に挑戦したのは安齊勇馬。彼はデビューからわずか9ヶ月

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5.29三冠戦〜デカイは正義されど複雑な感情〜

5.29三冠戦〜デカイは正義されど複雑な感情〜

さて。5.29全日本プロレス後楽園ホール大会で行われた三冠戦。当初はCCの覇者である芦野祥太郎が王者永田裕志に挑むはずでした。しかし芦野の負傷欠場により挑戦者が白紙に戻るという非常事態。そこに名乗りを上げたのがCC準優勝のT-Hawkと芦野のタッグパートナーである本田竜輝。5月の新木場大会で次期挑戦者決定戦を行った両者。これに勝利したT-Hawkが正式に三冠の挑戦者として永田と対戦する形となりまし

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3.21三冠戦〜良い試合=タイトルマッチか?

3.21三冠戦〜良い試合=タイトルマッチか?

さて。この試合をどのように見るか?それはおおいに判断が分かれると思います。この試合を「永田裕志VS石川修司のシングルマッチとして捉えるのか?」。それとも「三冠統一ヘビー級の試合として捉えるのか?」。観客がそのどちらのスタンスをとったかで、この試合の評価は分かれると私は思います。

まずは「永田裕志VS石川修司のシングルマッチとして捉えた場合」について。その視点で捉えれば、この試合を私は好勝負だった

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2.19三冠戦〜宮原健斗の陥落に思うこと

2.19三冠戦〜宮原健斗の陥落に思うこと

いやーめっちゃ悔しいですねーーーーーーーーーーーーーー。
スーパーエース宮原健斗が永田裕志に敗北して三冠が流出って…。

さて。今年は三冠戦全部書くを自分のテーマにしていたので、いくら悔しいとはいってもそこから逃げません。しかし本当に悔しい…。

全日本プロレスの三冠王者宮原健斗が新日本プロレスの永田裕志を迎えて行われた三冠戦。私の結論から言えば「試合自体はとてもおもしろかった」という感想です。両

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2.4三冠戦〜依然として高い宮原健斗の壁、されど潮目は確実に変化している

2.4三冠戦〜依然として高い宮原健斗の壁、されど潮目は確実に変化している

さて。ようやく仕事もきりがよくなってきたので、全日本プロレス2.4三冠戦(宮原健斗vs青柳優馬)についてお話したいと思います。

2.4八王子大会は大仁田厚による電流爆破マッチが開催(それもアジアタッグをかけて)。という部分で論争がおきていました。「今の全日本に電流爆破マッチ(それもアジアタッグ戦で)が必要なのか?」。そんな声も多かったですし、「メインの三冠戦が大仁田の毒に染まるのか?」といった危

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1.3三冠戦〜宮原健斗と野村卓矢の316日目へ〜

1.3三冠戦〜宮原健斗と野村卓矢の316日目へ〜

私は今年ひっそりと「面倒くさいことは言わない」と目標を立てましたが、もう一つ密かに立てた目標があります。それは「三冠戦全部書く」。昨年も1/3くらいは書いてた気はしますが、今年は全部書くを目標にして更新できればと考えています。

早速2023年1回目の三冠戦です。今回のカードは王者宮原健斗VS挑戦者野村卓矢。両者はタッグパートナー。そして2022年の世界最強タッグ決定リーグ戦を制し。さらに2023

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