こんにちは、DJムッチーです。
最近中国では、外食チェーン各社が「貧乏人セット」という激安メニューを売り出して、人気を博しているようです。中国がデフレ経済に突入した臭いがプンプンしますね。
激安メニューで特に注目を集めているのは、北京市内に150店舗を展開する中華ファストフード「南城香」が提供する「3元朝食（60円）食べ放題」。
為替レートだけで現地の経済価値を測ることはできませんが、中国の電車初乗り運賃が日本円で49円（日本の初乗りは169円）ほどです。そうすると3元は日本円で20円ぐらいの価値ですから、かなり安い値段だと思いますね
「3元朝食」はセルフサービスで、おかゆや豆乳、スープなど7種がお替り自由の食べ放題という学食や社食方式。追加で揚げパンや肉まんを頼んでも、10元（200円）以下で済むというから安いことこの上ないですね。
現在「南城香」では、8店舗でテスト中ですが、朝食メニューを提供する店舗が増えていて、最終的に全店舗で提供をする予定なのだそうです。

中国では朝食は外食が習慣

中国では、朝食は飲食店で食べる習慣があります。そのため、お粥をはじめとした地域ごとの朝食メニューが充実をしているそうです。その多くは、個人の飲食店で、店の前にテーブルとパイプ椅子を並べ、通勤前に寄ってさっと食べてさっと出勤するというパターンが多いらしいです。朝食メニューはそもそも利益が小さく、多くの朝食店は利益よりもなじみのお客さんのために開いているようなところが多かったようです。それがコロナ禍とコロナ禍以降の物価上昇で営業が難しくなり、あまつさえ店主の高齢化も進み、閉店をする朝食店が増えてしまって、朝食を食べる店が激減をしのだそうです。

朝食店の実情は、多くが品質は低く、テーブルなどが汚れていても気にしないなど、安いだけが魅力で、ホワイトカラーにとっては行きづらい店になっているケースが多いかったようです。そのため、ホワイトカラーは、ケンタッキーフライドチキンやマクドナルドといった大手ファストフードの朝食メニューや、コンビニで買った朝食メニューをオフィスで食べるということが多くなっているのは理解できますね。しかし、ファストフードの朝食は衛生的で美味しいものの、20元から30元と高い。この層に目を付けたのが、南城香ほか飲食チェーンで、朝食層を狙って投入したのが激安メニューの「貧乏人セット」でした。
この状況に手をこまねいているマクドナルドではありません、期間限定でダブルバーガーとコーラで10元（200円）という対抗セットを打ち出して、売り上げを伸ばしています。期間限定キャンペーン中は、お店は相当混雑して売り切れも出たそうです。

100円マックがデビューした頃を思い出す

「3元朝食」でどうやって利益をだすのか？と誰でも疑問に思うでしょう。南城香の平均客単価は28元、一般的な朝食店の相場は15元程度と言う中で3元はいくら何でも安すぎます。
南城香の創業者・汪国玉氏は「朝食メニューについて、利益を出せないとか、損をしているとか言う人がいますが、そのような考え方ではイノベーションは起こせない」というおっしゃっています。（汪さんカッコイイ！）

実は、朝食メニューといっても、定食になっているわけではなく、3元のメニューはお粥だけ、牛乳だけであり、多くの人がサイドメニューを追加注文するようです。時間がない人は3元朝食だけ食べて出勤をするかもしれないけれど、朝食の客単価は10元近くに膨らんでいるそうです。それでも、他の朝食店の相場から考えると安いというから、南城香としては相当の自信があるようですね。

この状況を見ていると、日本がバブル経済崩壊後にやって来たデフレと共にマクドナルドのハンバーガーの値段が急激に下がって、100円マックが登場した頃を思い出します。当時のマックも、100円バーガーを買いに来た人は他のメニューも買うから、売り上げは下がらないとか言ってましたね。
中国に「貧乏人セット」が登場したことで、中国のデフレ状態が赤裸々になったのではないでしょうか。
日本ではヴァリューセットですが、中国では「貧乏人セット」という生々しい名前に変わっているのが悲しいユーモアに思えてなりません。
明後日から全国人民代表大会が始まりますが、中国の経済の行方はどうなるのでしょうね。正確なデーターを持たない国に、適切な経済運営ができるのか、はなはだ疑問です。

日本では、去年で100円マックがメニューから消えました。長いデフレが終わるのでしょうか？　今の働き方でインフレになるのでしょうか？こちらもはなはだ疑問ですね・・😅

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