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子供が扁平足になるリスク要因


今回参考にした論文はこちら↓

雑誌名:International Journal of Environmental Research and Public Health
Impact Factor:4.614

※内容には個人の解釈や見解が含まれます。ご理解の上ご覧ください。


子供が扁平足になるリスク要因は?


扁平足は、足の内側縦アーチ(いわゆる、土踏まず)の形状が崩壊または消失した状態を特徴とする。


小児の扁平足は、臨床上のよく観察される1つである。


一般に扁平足は、生理的なものであり柔軟な足部において見られやすく、病気の概念には含まれない(当然、病的なものもある)。


これまでのほとんどの研究で、扁平足の形成は、足の骨構造の異常や筋・靭帯の緩みによって引き起こされるとされてきた。


しかし、小児や青年期における扁平足の発生には、生理的な構造に加えて、外的な要因も関与していることも懸念されている。



これまでのいくつかの研究で、子どもの扁平足は、疲労や痛みを引き起こしやすく、病的な扁平足に発展するのではないと保護者の不安の要因の1つともなっている。


本研究では、扁平足のリスク要因をメタ分析した研究である。



扁平足に関するリスクの結果


時期的要素:先天性と後天性の2つにタイプに分けられることがわかった。

先天的な要因としては、一般的に生まれつき背屈(つま先を上にあげる動き)と外反(足裏を外に向ける動き)が軽度であった。


後天的な扁平足については、主に身体活動のレベル、靴を履く習慣があるかどうか、生活をしている場所、などが影響を受けている様子であった。



性差による影響:女児に比べて、男児の扁平足の発生率が高かった。

これは、男児の扁平足の検出率が高いとする、以前までの研究と合致する研究データであった。


年齢層による影響:扁平足の検出率は、年齢が上がるにつれて低下する傾向があった。

いわゆる、年齢が上がるにつれて、扁平率が観察される可能性は減少していき、


3歳児の群では、54%が観察されたのに対して、6歳児の群では、24%になっていたことがわかった。


したがって、年齢が上がるにつれて、扁平足の発生率は徐々に低下し、これは足部アーチに見られる生理学的な定型発達とも一致する結果であった。


その他の所見

1.関節が緩いことによる影響

関節が緩いことも扁平足になりやすい要因の1つとなっているが、関節の緩さについては、男児よりも女児で見られやすい。

一方で、扁平足自体は男児に多いことから、 関節の緩さについては、性差の交絡因子として解釈される点である。
※交絡因子とは:調べようとする因子以外の因子の事で、病気の発生に影響を与えるもの


2.運動量が不足している。

運動量が少ない子どもほど扁平足になりやすかった、いくつかの研究で、運動量が少ないために、扁平足になる児童がいることが報告されており、


運動量が少ないと、筋力の発達が遅れたり、筋力にムラが生じることで、アーチの強度が低下する可能性があることがわかっている。


運動は、身体の発育や、体重管理、健康的なライフスタイルと密接な関係がある。


しかし、小児期においては適切な身体活動を行う必要がある。発育が十分でない思春期には、

過負荷のかかる労働やスポーツは避けた方が良い。


足のアーチに関わる筋肉や靭帯を十分に使わせるためには、

・足を高く上げる運動
・跳躍運動(縄跳びや幅跳び、走り高跳びなど)
・登る動きに関する運動(ハシゴ登り、ロープクライミング、ロッククライミング等)

が大切である。



まとめ


1. 子どもが扁平足になるリスク要因には、先天性・後天性の要素があること、男児に多いこと、年齢が低い子どもで見られやすいこと、関節の緩みや運動量が少ないことがリスクになり得ることがわかった。

2. 療育や保育園等、学校などで運動量を増やすことは、扁平足の予防の1つになり得ると考えられる。


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