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3歳はじめての性教育。絵本「いいタッチわるいタッチ」を読み聞かせてみた

子どもが3歳になり、そろそろ性教育を始めようと思っていました。

今回、性教育の絵本「いいタッチわるいタッチ」を購入し、子どもに読み聞かせをしたので、子どもの反応や私の感想などを書いてみようと思います。

うちの子は、3歳8か月の男の子です。

どんな絵本?

今回購入したのは「いいタッチわるいタッチ」という絵本です。

”人を愛したり守ったりする「いいタッチ」と、人に暴力をふるい権利を奪う「わるいタッチ」があることを知って、自分の身体を守ろう!という教育絵本”だそうです。(出版社の説明書きより)

Twitterの育児界隈でオススメされているのを度々見かけて、気になっていました。

性教育の絵本には様々な作品がありますが、その中でも、メッセージがシンプルでわかりやすく、また、性被害などの怖い出来事を連想させる要素が少ないと思ったので、この本を選びました。

あらすじ

あらすじはシンプルです。

表紙に描かれている犬たちが登場します。

犬の双子が主人公で、友達に誘われてプールに行きます。プールに入る前に、友達のママから3人へ「いいタッチ」と「わるいタッチ」の説明があるという内容です。

この本でわかること

この本でわかることは次のような内容です。

口と水着で隠れる場所は大切な場所、触れるのは自分だけ(プライベートゾーン)
・お風呂でプライベートゾーンは自分で洗う
わるいタッチの例(プライベートゾーンを触る、キック、パンチ、つねる、引っ張る等)
わるいタッチをされた場合の対処法(「嫌だ」と言う、逃げる、誰かに話す)
いいタッチの例(保護者の抱っこ、おんぶ、寝かしつけのトントン、友達と手を繋ぐ等)
自分の体は自分のもの

実際に読み聞かせてみた

購入してさっそく子どもに読み聞かせてみました。

Amazonから届いた箱を子どもと一緒に開封したので、その流れで一緒に読もうと誘いました。

子どもは表紙に描かれている犬の絵が気になったようで、すんなりと一緒に読んでくれました。

長さが3歳にちょうどよく、子どもは最後まで集中して聞くことができました。

子どもの反応

読み終わったあと、子どもがどのくらい理解したのかを確認するために「いいタッチってどんなのだった?」と聞くと、「わからない」との答えでした。

まぁそんなもんかーと思い、根気よく何度も読み聞かせをしようと思いました。

しかしその後、いつもより抱っこを多く求めてきたり、「今日は(寝るときに)トントンいっぱいしてね」と言われたり…。

明らかに「いいタッチ」を意識しているようでした。

なーんだ、ちゃんと理解しているじゃん!さっきの「わからない」は天邪鬼だったのかも。

「いいタッチ」を通して甘えようとする姿がとても可愛いと思いました。(親バカ)

お風呂ではちょうど自分の体を自分で洗うように教えていたのですが、絵本を読んだ日から自分でスムーズに洗ってくれるようになりました。

親が相手だとどうしても甘えて洗ってほしいと言われていましたが、絵本でも親と同じことを言われることでやる気になったのだと思います。

親(私)の感想

とてもよい絵本だと思いました。

「いいタッチ」「わるいタッチ」の具体例もわかりやすくてよいですし、そもそもの「自分の体は自分のもの」という性教育の基本中の基本をストレートに伝えているところが素晴らしいと思います。

「自分の体は自分のもの」だから「嫌だと思ったら嫌だと言っていい」なんですよね。

「嫌だと言っていい」はよく子どもに伝えていますが、「自分の体は自分のもの」は改めて伝える機会が今までありませんでした。

今回きちんと伝えられてよかったです。

また、登場人物が犬というのが、子どもにとって親しみやすかったようです。

実は、「いいタッチわるいタッチ」と一緒に「おちんちんのえほん」も購入していたのですが、「おちんちんのえほん」は中に男女の裸のイラストが描かれていて、子どもが引いてしまいました。

まず「読んでみよう」と子どもに思ってもらえたという意味で、登場人物が犬という「いいタッチわるいタッチ」は3歳のうちの子にちょうどよかったです。

今回「いいタッチわるいタッチ」を買おうと思ったのは、年末年始に実家へ帰省することを決めて(注1)、(子どもから見て)祖父・祖母・叔母との共同生活で子どもが嫌な思いをしないようにしたいと思ったからです。

子どもが3歳になり、もう親がいなくても他人と一定の時間を過ごせるようになりました。

先日も美容院へ行った際、今までは私が子どもを抱っこしたまま子どものカットをしていましたが、子どもが1人でイスに座りカットしてもらうことができました。

シャンプーも、今までは私が付き添っていましたが、先日は私がカットしてもらっている間に、子どもと美容師さんだけでシャンプー台へ行き、何の問題もなくシャンプーしてもらって戻ってきていました。

子どもが親なしで過ごせる経験は、子どもの自立心を育み、重要だと思います。
子どもが大きくなるにつれ、子ども自身もそのような成長を望み、周りも親なしで過ごせるものとして接するようになってきています。

だからこそ、親がいないときに子どもが自分で自分の身を守れるように、何がよくて何がわるいのか、きちんと教えていかなければならないと改めて感じました。

「いいタッチわるいタッチ」は内容がシンプルでわかりやすく、ひとまずこの本を読み聞かせておけば子どもがもし性被害に遭いそうになったときにきちんと違和感を抱けるようになることが期待できるので、安心できると思いました。

読み聞かせる上での注意点

このように「いいタッチわるいタッチ」はよい絵本なのですが、「いいタッチ」の例として挙げられている行為に不適切なものがあります。

それは、「おばあちゃんのキス」と「近所のおじさんが頭を撫でてくれる」です。

犬同士の優しい絵柄なので、イラストにそこまで不快感はありません。

ですが、「おばあちゃんとのキス」は、口をプライベートゾーンとして自分だけが触れる場所と説明していることと矛盾しますし、虫歯や感染症予防の観点からも望ましくありません。

「近所のおじさんが頭を撫でてくれる」については、性犯罪の加害者は面識がない人よりも、面識のある身近な人の方が多いそうなので、近所のおじさんといえどもむやみに触られるのはよくありません。

うちの子がまさにそうですが、「いいタッチわるいタッチ」を読んで「いいタッチ」をしてもらいたがるようになると、例えばおばあちゃんにキスを求めてしまうといった可能性があります。

親が読み聞かせの際に、これは違うと子どもに説明する必要があると思います。

「いいタッチわるいタッチ」は性教育の第一歩にオススメ

上で書いたような注意点はありますが、「いいタッチわるいタッチ」は性教育の第一歩としてオススメできる絵本だと思いました。

性教育をいつから始めればよいかと迷う方もいると思います。
年齢はお子さんによって異なると思いますが、例えば3歳など、親と別行動で他人と過ごす時間が増えてくる年齢になったら、読み聞かせをするタイミングだと思います。

幼児だからまだ早いということはありません。

「いいタッチわるいタッチ」は、性教育…!と身構えることもなく、親も子どもも自然体で読める絵本でした。

ぜひ読んでみてください。

今なら、出版社の復刊ドットコムが、期間限定で全ページ試し読み公開しています。

こちらのリンクから試し読みを見ることができます。
ぜひ見てみてください。

ちなみに図書館にもありましたが、私の地域では予約が35人待ちでした。

図書館で借りたいという方はお早めに予約した方がいいかもしれません。




性教育の絵本や書籍をまとめています。
こちらもよければご覧ください。




(注1)新型コロナの感染状況を踏まえて帰省を自粛することも考えましたが、諸事情により我が家の家計がピンチなので感染対策をした上で帰省することにしました。例年はむしろ仕事の関係で帰省しておらず、年末年始に実家へ帰省するのは10何年ぶりです。我が家の非常事態としてご理解いただければ幸いです。

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