Nathan(ねーさん)

法的観点を含む社会問題についても、事実に基づき整理しています。

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記事一覧

固定された記事

性犯罪・性的被害の暗数、日本と海外の国際比較:The burden of crime in the EU

上掲の記事で第2回法務省調査時の国際比較の結果を乗せましたが、情報が古く、また、考察に必要な情報が法務省の報告書等では不十分でした。 法務省の暗数調査では、国際…

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【徴用工】韓国裁判所が第三者弁済要件不足で供託不受理:解釈論と手続論の問題

韓国の司法がまた暴走 おさらい:いわゆる「徴用工問題」いわゆる「徴用工問題」とは… ・朝鮮半島出身の戦時労働者(募集工)が、日本企業における労働が非人道的であっ…

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「過ちは繰り返しませぬから」の主語は、名実ともに全人類になった:広島原爆慰霊碑

ここに慰霊碑文言論争に終止符が打たれた 「過ちは繰り返しませぬから」の主語広島原爆慰霊碑には「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」という言葉が刻まれて…

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日本ファクトチェックセンターの「LGBT差別禁止法」記事の問題点とミスリード

日本ファクトチェックセンターのファクトチェックをチェックしました。 日本ファクトチェックセンターの「LGBT差別禁止法」記事の問題点・日本ファクトチェックセンター(…

家庭連合が否定「下関は統一教会の聖地」有田芳生発言は地域差別が確定、そして国生さゆり田村淳への誹謗中傷をしたメディアたち

立憲民主党はどう責任を取るのか? 家庭連合が否定「下関は統一教会の聖地」家庭連合=旧統一教会「下関は統一教会の聖地」という有田芳生の発言は事実と異なると真っ向か…

「テロの原因を究明して報道せよ、それが再発防止になる」が詭弁である理由

『テロの「原因を究明して報道」せよ、それが再発防止になる』 これは詭弁です。 その理由を書いていきます。 テロの動機・目的はテロリズムの定義上、特定が必要「テロ…

高校野球・周知徹底事項「喜びを誇示する派手な「ガッツポーズ」などは、相手チームヘの不敬・侮辱につながりかねないので慎む」…

春の選抜高校野球大会全国大会の東北高校vs山梨学院高校において、東北高校がペッパーミルパフォーマンスを行ったところ、審判から注意を受けたという事案がありました。 …

高市大臣「捏造文書でなかったら辞職」まとめ:放送法の政治的公平「一つの番組」判断と文書の真正性・真実性

令和5年3月3日の参議院予算委員会において、小西洋之議員が総務省の内部文書とされる文書の内容に基づいて放送法4条の政治的公平性の解釈に関する答弁の経緯を質疑した際、…

開示請求対象文書を廃棄することの違法性について:暇空茜Colabo問題の場外戦

東京都において開示請求対象となったDVセーフティーネット強化支援補助金に関する文書で、暇空茜氏への非開示決定の場合は存在する前提で別の理由で通知がなされていたが、…

暇空茜住民監査結果とColabo弁護団の誤魔化し

暇空茜氏の都へのColaboに関する住民監査請求の結果が正式に公表されましたが、その理解を誤魔化す論法があるので。 暇空茜住民監査結果とColabo弁護団の誤魔化しhttps://…

Colabo問題愉快犯による「暇アノン」への殺害・爆破予告メールの奇妙な点について

本件、文章の内容に、おそらく私ともう一人くらいしか気にならない、妙な点があります。 「暇アノン」への殺害・爆破予告メール「暇アノン」というのは犯人の用語法。Twit…

同性婚訴訟東京地裁判決の報道格付けチェックと産経新聞の記事改ざんについて

同性婚訴訟東京地裁判決の理解は上掲記事で。 「同性愛者が家族となる法制度が無いことは憲法24条2項に違反する状態だが(民法や戸籍法などの)本件諸規定は憲法24条2項に…

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なぜ当事者に「セカンドレイプ」と言ってはいけないのか?

冒頭画像の魚拓 「セカンドレイプ」という言葉の使い方が不適切な人が多いと思う。 セカンドレイプの定義・用法「セカンドレイプ」(性的二次被害)とは、性犯罪・性暴力…

佐藤九段のマスク不着用での反則負けと非科学のゼロリスク思考

佐藤九段のマスク不着用での反則負け後、日本将棋連盟による説明文の公開、そして佐藤九段による不服申立書の公開がありました。 それを受けて今回話題となったルールその…

椎名林檎グッズの赤十字マークヘルプマーク酷似問題の整理と感想

本件に必要な法律や商標、政府の考え方について上掲記事でまとめてます。 ここでは本件の問題の整理と表で騒がれていることについて、その主張の当否の検討について、戦前…

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故安倍晋三元内閣総理大臣の功績と足跡を偲ぶ

大勲位菊花章頸飾を受章された故安倍晋三元内閣総理大臣(従一位) 彼の功績と足跡を学び、偲ぶ記事を書きたいと思いました。 SNS上では箇条書き的に「功績一覧」と書か…

性犯罪・性的被害の暗数、日本と海外の国際比較:The burden of crime in the EU

性犯罪・性的被害の暗数、日本と海外の国際比較:The burden of crime in the EU

上掲の記事で第2回法務省調査時の国際比較の結果を乗せましたが、情報が古く、また、考察に必要な情報が法務省の報告書等では不十分でした。

法務省の暗数調査では、国際犯罪被害実態調査(ICVS=International CrimeVictimizationSurvey)において統一された調査様式と方式を用いた調査に参加する形で実施されていますが、ICVSについて,多数の国をカバーした調査は,2005

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【徴用工】韓国裁判所が第三者弁済要件不足で供託不受理:解釈論と手続論の問題

【徴用工】韓国裁判所が第三者弁済要件不足で供託不受理:解釈論と手続論の問題

韓国の司法がまた暴走

おさらい:いわゆる「徴用工問題」いわゆる「徴用工問題」とは…

・朝鮮半島出身の戦時労働者(募集工)が、日本企業における労働が非人道的であったなどとして日本政府や日本企業に賠償を求めた
・1965年の日韓請求権協定によって日本側の責任が問えないようになっているため訴えが排斥されてきた
・しかし、文在寅(ムンジェイン)大統領政権時代の2018年に韓国大法院が日本企業に対して賠

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「過ちは繰り返しませぬから」の主語は、名実ともに全人類になった:広島原爆慰霊碑

「過ちは繰り返しませぬから」の主語は、名実ともに全人類になった:広島原爆慰霊碑

ここに慰霊碑文言論争に終止符が打たれた

「過ちは繰り返しませぬから」の主語広島原爆慰霊碑には「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」という言葉が刻まれています。

これに対して「主語は誰だ?」という疑問があり、また右翼系からは「日本人の過ちであるなどと転嫁するな!」といった反発があり、慰霊碑の文言を変更乃至削除を求める声がありました。

従前、広島市は以下のように説明していました。

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日本ファクトチェックセンターの「LGBT差別禁止法」記事の問題点とミスリード

日本ファクトチェックセンターのファクトチェックをチェックしました。

日本ファクトチェックセンターの「LGBT差別禁止法」記事の問題点・日本ファクトチェックセンター(JFC)は、検証対象の文言として「LGBT差別禁止法があるのはG7でカナダだけ」「日本だけないというのは嘘」を取り上げた
・しかし、前者は高鳥議員のツイート、後者は片山議員のツイートという別々の文言から持ち出してきたものだった
・後者

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家庭連合が否定「下関は統一教会の聖地」有田芳生発言は地域差別が確定、そして国生さゆり田村淳への誹謗中傷をしたメディアたち

立憲民主党はどう責任を取るのか?

家庭連合が否定「下関は統一教会の聖地」家庭連合=旧統一教会「下関は統一教会の聖地」という有田芳生の発言は事実と異なると真っ向から否定しました。

この話、「有田が間違いでした、終わり」で終わらせてはいけないいろんな性質があります。

有田芳生発言は下関への地域差別が確定有田芳生はこんなことを言ってました。

「基礎知識」とさえ言い放っていました。
が、当の統一教

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「テロの原因を究明して報道せよ、それが再発防止になる」が詭弁である理由

『テロの「原因を究明して報道」せよ、それが再発防止になる』

これは詭弁です。

その理由を書いていきます。

テロの動機・目的はテロリズムの定義上、特定が必要「テロリズム」とは何なのか。

平成二十八年法律第九号は、現在では「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律」となっており、上掲答弁書で「第六条第一項」となっているのは現在は「第八条第一項」となっています。

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高校野球・周知徹底事項「喜びを誇示する派手な「ガッツポーズ」などは、相手チームヘの不敬・侮辱につながりかねないので慎む」と東北高校のペッパーミルパフォーマンスについて

高校野球・周知徹底事項「喜びを誇示する派手な「ガッツポーズ」などは、相手チームヘの不敬・侮辱につながりかねないので慎む」と東北高校のペッパーミルパフォーマンスについて

春の選抜高校野球大会全国大会の東北高校vs山梨学院高校において、東北高校がペッパーミルパフォーマンスを行ったところ、審判から注意を受けたという事案がありました。

そして、試合後に東北高校の監督が「何でこんなことで、子どもたちが楽しんでいる野球を大人たちが止めるのかな、と感じました。もう少し子どもたちが、自由に野球を楽しむことを考えてほしい。日本中が盛り上がっているのに、なんでダメなのか理由が聞き

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高市大臣「捏造文書でなかったら辞職」まとめ:放送法の政治的公平「一つの番組」判断と文書の真正性・真実性

令和5年3月3日の参議院予算委員会において、小西洋之議員が総務省の内部文書とされる文書の内容に基づいて放送法4条の政治的公平性の解釈に関する答弁の経緯を質疑した際、高市早苗議員が「捏造文書でなければ辞職」という旨の発言したことについて。

令和5年3月3日の参議院予算委員会:小西議員質疑に対する高市大臣答弁書き起こしこれは質疑に対する答弁を見比べないと、いろいろと判断できません。

報道ではかなり

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開示請求対象文書を廃棄することの違法性について:暇空茜Colabo問題の場外戦

東京都において開示請求対象となったDVセーフティーネット強化支援補助金に関する文書で、暇空茜氏への非開示決定の場合は存在する前提で別の理由で通知がなされていたが、浜田聡参議院議員秘書の末永ゆかり氏が同じ資料を開示請求したところ、「廃棄済み」として通知されていました。

※追記※

1月28日の川松真一朗都議の説明によると、暇空氏に不開示とした生活文化スポーツ局のメールとされたものはColaboと都

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暇空茜住民監査結果とColabo弁護団の誤魔化し

暇空茜氏の都へのColaboに関する住民監査請求の結果が正式に公表されましたが、その理解を誤魔化す論法があるので。

暇空茜住民監査結果とColabo弁護団の誤魔化しhttps://twitter.com/colabo_official/status/1610510654313762816

Colabo弁護団は「その主張の大半は監査委員によって退けられました」などと書いています。

ここに誤魔化

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Colabo問題愉快犯による「暇アノン」への殺害・爆破予告メールの奇妙な点について

本件、文章の内容に、おそらく私ともう一人くらいしか気にならない、妙な点があります。

「暇アノン」への殺害・爆破予告メール「暇アノン」というのは犯人の用語法。Twitter上でColabo問題に関心があると見える者のうち、犯人が恣意的に選んだアカウントの名称が羅列されています。

Colabo擁護者というよりも、現時点では単なる「愉快犯」とみるべきでしょう。

また、送信者のメールアドレスがWEB

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同性婚訴訟東京地裁判決の報道格付けチェックと産経新聞の記事改ざんについて

同性婚訴訟東京地裁判決の理解は上掲記事で。

「同性愛者が家族となる法制度が無いことは憲法24条2項に違反する状態だが(民法や戸籍法などの)本件諸規定は憲法24条2項に違反しない」との判断を下した、というのが特徴のある本件の説明として最適です。

その観点から各所の報道ぶりを格付けした結果が以下。

その他、読売新聞はかなり簡潔に書いてて情報量が少なすぎますが、上掲のコアな部分を落としていないので

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なぜ当事者に「セカンドレイプ」と言ってはいけないのか?

なぜ当事者に「セカンドレイプ」と言ってはいけないのか?

冒頭画像の魚拓

「セカンドレイプ」という言葉の使い方が不適切な人が多いと思う。

セカンドレイプの定義・用法「セカンドレイプ」(性的二次被害)とは、性犯罪・性暴力(性的嫌がらせなど含む)の被害者に対して、その被害経験に関する心無い言動によって更なるダメージを与えること、という意味がなんとなくの公約数的理解。
公的な定義があるわけではありません。

具体的には、性被害の苦痛を思い出させるような言葉

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佐藤九段のマスク不着用での反則負けと非科学のゼロリスク思考

佐藤九段のマスク不着用での反則負け後、日本将棋連盟による説明文の公開、そして佐藤九段による不服申立書の公開がありました。

それを受けて今回話題となったルールそのものとその適用・判断の問題について上掲記事で書きましたが、現行の様々な規制等をそちらで見ている前提で、そこでは書ききれなかったこと補足的に書いていきます。

非科学のゼロリスク思考に基づくルール冒頭記事でも書いてますが、汗が飛び散り呼気に

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椎名林檎グッズの赤十字マークヘルプマーク酷似問題の整理と感想

椎名林檎グッズの赤十字マークヘルプマーク酷似問題の整理と感想

本件に必要な法律や商標、政府の考え方について上掲記事でまとめてます。

ここでは本件の問題の整理と表で騒がれていることについて、その主張の当否の検討について、戦前の赤十字標章に関する勅令などの追加的な情報も含めて個人的な見解を書いていきます。

※10月10日未明時点でのもので、仮にその後にオフィシャルな対応・見解提示があったとしてもそれは反映していません。赤十字社の許可を取っていないという前提で

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故安倍晋三元内閣総理大臣の功績と足跡を偲ぶ

大勲位菊花章頸飾を受章された故安倍晋三元内閣総理大臣(従一位)

彼の功績と足跡を学び、偲ぶ記事を書きたいと思いました。

SNS上では箇条書き的に「功績一覧」と書かれているものはあっても、その中身(成立時の状況、どのような障壁があったか、もともと存在していた問題にどう対応するものだったか、問題は解消できたのか、評価はどうなってるのかなど)に触れているものに出会う事は少ないです。

これはある意味

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