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St. Vincent / Actor (2009)
アメリカが誇る気鋭のシンガー・ソングライター/ギタリストであるセイント・ヴィンセント(ことアニー・クラーク)による、ディズニーやウディ・アレン作品の音楽にインスパイアされたというセカンド・アルバムは、名門4ADへの移籍後の第1作。
本作からプロデューサーのジョン・コングルトンとのタッグが始まり、彼女の鋭い知性とエキセントリックで刺激的なサウンドにさらに磨きがかかっていく。
前作よりも素顔に近い
Animal Collective / Sung Tongs (2004)
ボルティモア発、ニューヨークを拠点に活動する4人組変動型エクスペリメンタル・ポップ・バンド、アニマル・コレクティヴの通算5作目は、エイヴィー・テアとパンダ・ベアのコア・メンバー2人によって作られた。
ダブル・アコースティック・ギターが織り成すミニマルでプリミティヴな演奏と浮遊感のあるサウンド、コラージュされたようなヴォーカルが、呪術的でサイケなトリップ感覚を生み出すと同時に、不思議と人肌の温かみ
The Stone Roses / The Stone Roses (1989)
言わずと知れたUKギター・ロックにおける最高傑作と名高い、名盤中の名盤。
ザ・ストーン・ローゼズのファースト・アルバムにして実質唯一のアルバム(といってしまっていいかしら。セカンドも嫌いじゃないけどほとんど別物だし)。
リリースから35年経った今、何百回と聴いた耳でこうしてあらためて聴いてみても、やはりここには”全て”がある。
どこを取ってもエヴァーグリーンな輝きと瑞々しさと荒々しさを漲らせた
Joni Mitchell / Clouds (1969)
可憐さと意志の強さが同居した、存在感のあるセルフ・ポートレートのジャケットが印象的なジョニ・ミッチェルのセカンド・アルバム。
前作同様にシンプル極まりない弾き語りスタイルで綴られた楽曲はしかし、ソングライターとしての表現力とシンガーとしての凄みを増した彼女の詩情と情念が濃密に刻まれており、決して簡素には聴こえず、ときに重厚感すら感じさせる。
来たる70年代SSWブームを先取りしたような透徹した
スピッツ / 名前をつけてやる (1991)
スピッツのセカンド・アルバム。
「ライド歌謡」を目指したという本作は、草野マサムネが当時影響を受けていたライドやMBVあたりのシューゲイザー風サウンドに、繊細なアコースティック・サウンド、日本のポップスのメロディを組み合わせたことで、2作目にしてオルタナティヴ・ロックとしての独自の音楽性を獲得。
ザクザクとした質感と淡い残響を心地良く共存させたギター、太く角張ったベース、シンプルな響きのドラムス
blur / Parklife (1994)
ブラーの最高傑作にして、ブリットポップの金字塔というべき名盤となったサード・アルバム。本作で初の全英チャート1位を獲得。
前作で志向した”英国回帰路線”をさらに強力に押し進め、古のミュージック・ホールから60年代以降のブリティッシュ・ロック、70年代のパンク、ニュー・ウェイヴ、そして80年代エレクトロ・ポップまで取り込んだ上で、ブラーらしく知性的でウィットに富み、滑稽でどこか哀愁の漂う詩情と、捻
The Horrors / Primary Colours (2009)
ゴスとガレージ・パンクに振り切ったデビュー作が一部で評価を得つつも、見た目も音も佇まいもキワモノ扱いされる向きがあったザ・ホラーズは、この2作目で”突然変異”を果たし、各誌が選ぶ2009年ベスト・アルバムでは、NME誌で1位、MOJO誌で2位に選ばれるなど、各所から賛辞を受けた。
UKインディ・ロック界隈の最大勢力であるXL Recordingsにレーベル移籍し、ポーティスヘッドのジェフ・バーロ
The Pop Group / Y (1979)
英ブリストル出身のザ・ポップ・グループの衝撃のデビュー・アルバムにして、ポスト・パンクの時代を代表する傑作。
パンクの影響で音楽を始めた彼らは、黒人やジャマイカ移民の多いブリストルの土地柄もあって、パンクにファンク、ダブ、フリー・ジャズなどを飲み込んでごちゃ混ぜにし、ヴォーカルのマーク・スチュワートの過激な主張を絶叫&煽りとともに叩きつけ、ジャケットのパプア・ニューギニアの先住民族の写真のイメー
Pulp / His 'n' Hers (1994)
英シェフィールド出身、ジャーヴィス・コッカーを中心に結成され、1970年代末から(細々と)活動してきたパルプ。
デビュー作から実に10年、紆余曲折を経てのシングル曲のヒット、メジャー・レーベルとの契約、そしてメジャー・デビュー作となるこの4作目で全英チャート9位を記録するとともに、マーキュリー賞ノミネートまで果たし、彼らは苦節15年で一躍UKトップ・バンドの一つへと成り上がった。
これまでも彼
Dusty Springfield / A Girl Called Dusty (1964)
英国が誇る世界最高の女性シンガーの一人、ダスティ・スプリングフィールド。
兄らと組んだグループから脱退後ソロ・デビューし、シングル曲のヒット後にリリースされたファースト・アルバムは、彼女のフェイヴァリットからのカヴァーをメインに据えており、藍色の背景にデニム・シャツを着たダスティの立ち姿がモダンなジャケット写真も印象的。
デビュー作にして早くも風格が漂い、その伸びやかでハスキーで艶のある歌声と
Pixies / Doolittle (1989)
ボストン出身ながら、イギリスの気鋭レーベル4ADと契約し、先に英国内で人気を集めたピクシーズ。
ラフで荒々しい狂気の音の中にポップネスを閉じ込めた鮮烈なデビュー・アルバムを手掛けたスティーヴ・アルビニに代わり、当時まだ無名だったギル・ノートンをプロデューサーに迎えたセカンド・アルバムは、ピクシーズの特徴を幅広く鋭く端的に明瞭に展開した結果、ロック史上でも屈指の(2作連続の)名盤となった。
ニルヴ
R.E.M. / Reckoning (1984)
ファースト・アルバムが、その堅実かつ誠実、実直な内容にも関わらず望外(?)の高評価とセールスを得たR.E.M.の4人が、ツアーの勢いのまま、わずか数週間でほぼライヴ・レコーディングにより仕上げたセカンド・アルバム。
ピッチフォークが前作から2作続けて10点満点(ちょっとやりすぎな気もするが)をつけた本作もまた、ピーター・バックのギターがジャングリーなアルペジオを奏で、4人のバンド・サウンドはとき
Leonard Cohen / Songs from a Room (1969)
当時34歳のレナード・コーエンが、フォーク・ロック期のボブ・ディランなどを手掛けたボブ・ジョンストンをプロデューサーに迎えて制作したセカンド・アルバム。
彼がレコード・デビューをする前の8年間の大半を過ごしたというギリシャのイドア島で書かれた楽曲を中心とし、ジョンストンとともにナッシュヴィルにてレコーディングされた本作は、彼の代表曲である"Bird On The Wire"で幕を開ける。
フォ
Phoenix / Alphabetical (2004)
フランス産のインディ・ポップ・バンド、フェニックスのセカンド・アルバムは、前作の「フレンチ・タッチ」で多面的な内容から、的を絞ってロックやソウルをエレクトロで磨き上げた、洗練された上質なポップ・アルバムとなっている。
打ち込みのドラムやアナログなシンセ・サウンドが絶妙な按配で配置され、ミニマルで温かみのあるサウンドと、前作の”パーティー感”とその喧騒の後の内省的な気分を映し出したような切なくも美