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脳みそジャーニー【5】 私の乳がん発覚。何気なく触った胸にしこりを感じた

そんなある日のこと。自宅でふとんに横になってぼんやりとしていたとき、何気なく触った右胸に、違和感を覚えました。
(あれ? なにこれ? こんなところに、こんなのあったっけ?)。
何度も角度を変えて触ってみますが、以前になかったものができている。
イヤな予感がしました。

起き上がって隣の部屋にいた夫にも触ってもらうと、夫は首を傾げます。
「このくらいのしこりは、他の場所にもある感じがするけど……」
確かに胸の中には、乳腺などがあり、ボコボコとした異物を感じる場所がいくつもあります。夫にとってはどれも同じように感じたようでした。

(まさかね)

悪い予感を振り払おうとしますが、いつ触っても、胸のしこりはしっかりとその存在感を主張し続けてきました。

そうこうしているうちに、母の二度目の抗がん剤の入院が始まりました。
私は同時進行で、見舞いの時間と前後して、母には内緒で自身の乳がん検査を進めてゆきました。
エコーに、マンモグラフィー、MRI。

最初は医師に「良性じゃないかな」と言われ希望を持っていましたが、検査を進めるにつれ「良性であっても悪性であっても、驚かない感じかな」と言葉のニュアンスが変わっていきました。

結局、最終段階の針生研をすることになり、胸に麻酔を打たれ、太い注射針のような機械で細胞を採取。あとは結果を待つばかりとなりました。
分厚いガーゼとテープで胸ががっちりと固められたまま、会計を済ませると、その足で今度は移動して母のいる入院病棟を訪ねます。

だんだんと麻酔が切れ、胸の痛みが増してきました。
(いたた……)
胸を張れずに前かがみ気味になっていると、母が目ざとく私の姿を見咎めて、声を掛けてきます。

母「あなた、背中が丸いわね。もっと姿勢よくしなきゃ」
私「え……ああ……うん……」
言葉にならない感情が沸き起こりましたが、もにょもにょ言ってごまかしました。

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