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#アメリカ
115「デイジー・ミラー」ヘンリー・ジェイムズ
191グラム。『ねじの回転』『デイジー・ミラー』と二作つづけて読むと、内容はさておき「女性は怖い、特に美人はめっちゃ怖い。美人であれば8歳児でもじゅうぶん怖い」というヘンリー・ジェイムズの心の叫びがひしひしと伝わってきて、気の毒ながらちょっと面白い。美人との間に何があったんだ。
デイジー・ミラーはアメリカの大富豪の実業家の娘。ぼんやりした性格の母と、わがままな幼い弟と一緒にヨーロッパを旅してい
98「冷血」カポーティ
286グラム。けっして朗らかな文章ではないが、ルートビアとゼリービーンズとハーシーチョコは食べたくなる。アメリカである。
裏表紙のあらすじはこうだ。
カンザス州の片田舎で起きた一家4人惨殺事件。被害者は皆ロープで縛られ、至近距離から散弾銃で射殺されていた。このあまりにも惨い犯行に著者は5年余りの歳月を費やして綿密な取材を遂行。そして犯人2名が絞首刑に処せられるまでを見届けた。
当時はまだ存
読んでない本の書評64「大いなる眠り」
151グラム。レイモンド・チャンドラーである。私立探偵フィリップ・マーロウである。ハードボイルドの王者である。
今や村上春樹訳が出ているらしいが、古本の地層から引きずりだしたこの本は1959年の訳だ。実に60年近く前の翻訳には、今となってはみかけない古い翻訳独特の言い回しがふんだんに入っていて実に味がある。
富豪の老人スターンウッド将軍の口調は「すわってもかまわんですぞ。煙草のにおいはいい