マガジンのカバー画像

オタクパパの映画レビュー

140
運営しているクリエイター

2023年5月の記事一覧

塩を砂糖に変えたらいいんじゃない? 〜観客の映画へのダメ出しはちょっと荒い〜

塩を砂糖に変えたらいいんじゃない? 〜観客の映画へのダメ出しはちょっと荒い〜

1996年、『ミッション・インポッシブル』を試写会で観た。
その生意気な22歳の男子は、すぐにダメ出しをした。
なんで途中で黒幕をバラしちゃうんだ。最後まで黒幕がだれかわからない状態を引っ張った方が絶対に面白いのに。って。

ダメ出しをした生意気な22歳の男子は僕のことなんですけれども。
先日『ミッション・インポッシブル』の1作目を27年ぶりにじっくりと観た。
そしてまざまざと過去の生意気な自分、

もっとみる
「好き」の反対は「嫌い」よりも「苦手」 〜人たらしの外星人〜

「好き」の反対は「嫌い」よりも「苦手」 〜人たらしの外星人〜

映画『シン・ウルトラマン』の劇中で、外星人のメフィラスが言った。
「私の苦手な言葉です」
メフィラスはこの前に「私の好きな言葉です」と何度も言っていた。

そこからのこのセリフ。
「好き」の反対の表現に「嫌い」じゃなくって「苦手」という言葉を使う。
やりおるな。さすがは人たらしの外星人メフィラス。

これだから人間は彼に騙されるのだ。
「好き」と「嫌い」では言葉の強さが違う。
「好き」よりも「嫌い

もっとみる
映画はわんこそばじゃない 〜『ザ・スーパーマリオブラザース・ムービー』この映画でもゲームでもない体験〜

映画はわんこそばじゃない 〜『ザ・スーパーマリオブラザース・ムービー』この映画でもゲームでもない体験〜

また書いてら。
「続編希望!」「次はいつ?」「すぐ続きが見たい!!」
公開されて間もないのに。ほとんどの人は一回見ただけなのに。

もちろん別に書いてもいい。「酷評」なんかよりは全然いい。映画の楽しみ方は自由。
でも僕はこう言う書き込みにイラッとするということを書きたいので書かせてもらう。
手間暇かけて作った料理を味をちょっと舐めただけで「はい次!」って。わんこそばじゃないんだから。(わんこそばも

もっとみる
ハリウッド製の変な日本を楽むために 〜『ブレッド・トレイン』の日本はデタラメじゃない〜

ハリウッド製の変な日本を楽むために 〜『ブレッド・トレイン』の日本はデタラメじゃない〜

日本の小説が原作で、日本が舞台なのに、キャストの9割がアメリカ人のハリウッド映画。
『ブレッド・トレイン』を観ましたよ。
弾丸特急ゆかり号の中で起きる殺し屋同士のドタバタアクションコメディ。

ほんまにコメディ色が強くって終始ニヤニヤ、気づけば爆笑しておりました。
え、弾丸特急ゆかり号なんて聞いたことがないって?
そうなんです。この映画、現実の日本じゃなくってハリウッドが描く変な日本が舞台なんです

もっとみる
元ネタの答え合わせなんて面白くない 〜『NOPE』に怖がってないってば!〜

元ネタの答え合わせなんて面白くない 〜『NOPE』に怖がってないってば!〜

SFファン話題の映画『NOPE』をAmazonプライムで観ましてね。ええ。
え?SF映画好きなのに話題のSF映画を映画館に観に行かなかったの?って?
ええ。映画館行かなかったです。

SF映画って言っても、これはSFホラーって聞いてたもんで。
僕は別に怖がりじゃないんですけど、ホラーは好みじゃなくって。
いや、怖くないですって。好みじゃないだけ。

好みじゃないホラーなんで、家の明るいリビングの明

もっとみる
秀でた能力は呪いである 〜ミッション:インポッシブルとフォレスト・ガンプ〜

秀でた能力は呪いである 〜ミッション:インポッシブルとフォレスト・ガンプ〜

映画『ミッション:インポッシブル』シリーズを観ていて、『フォレスト・ガンプ』を思い出した。
トム・クルーズ演じる凄腕のスパイ、イーサン・ハントが、トム・ハンクス演じるフォレスト・ガンプに重なった。
ヒーローと知的障害者。一見真逆の主人公像に見えるけれどこの2人は一緒じゃないか。

世にヒューマンドラマというジャンルがある。
ヒューマンドラマには主人公がハンデを背負った存在であるケースが多い。
病気

もっとみる