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書籍・資料・文献

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原稿を書くにあたり参考にした書籍・資料・文献などを紹介。書評・レビューではありません
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#岩波新書

【書籍・資料・文献】『キャッチフレーズの戦後史』(岩波新書)深川英雄

 ネットニュース全盛期である。日々、スマホでネットニュースを読み、SNSに感想を述べる。これをライフスタイルと表現していいのかわからないが、そうした日常が定着しつつある。

 新聞は購読していない。雑誌も買わない。テレビを見る時間もない。そんな社会人さえいる。学生なら、友達との会話に共通テーマが必要になるが、仲間内で完結する話題でも問題ないので、ニュースに過敏になる必要はないかもしれない。

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【書籍・資料・文献】『会計学の誕生』(岩波新書)渡邉泉

石原都政3期総括で強調された複式簿記 2011年に施行された都知事選では、現職の石原慎太郎都知事がほかの立候補者から出遅れながらも3選出馬を表明した。石原候補の表明前、神奈川県の現職知事だった松沢成文知事が都知事選にスライドで出馬することを発表。石原都知事と松沢県知事は思想や党派を超えた旧知の間柄にあり、それだけに松沢候補は石原後継を打ち出していた。

 一転して石原都知事が4選出馬を表明すると、

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【書籍・資料・文献】『「ふるさと」の発想』(岩波新書)西川一誠

ふるさと納税が地方にもたらしたモノとは? ふるさと納税は、2008年度に創設された。制度開始から10年。もはや定着した制度と言えるだろう。制度が導入された背景には、地方から都市への人口流出が止まらない事情があった。人口流出は過疎化を招き、地方の疲弊感を強めた。人口減少が都市を疲弊させることは言うまでもないが、なによりも若者の流出が大きい。

 18歳を機に、進学・就職で若者は地方から出ていく。就職

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【書籍・資料・文献】『渋沢栄一』(岩波新書)島田昌和

偽造防止技術の向上が紙幣界の女性進出を促進させた? 長らく福澤諭吉が顔を務めてきた一万円札の改刷が発表された。新札の顔は、1万円札が渋沢栄一、5000円札が津田梅子、1000円札が北里柴三郎だから、次のF券は民間人から起用が占めたということになる。

 紙幣の顔になる人物は、昭和まで政治家が多くを占め、平成に入ってようやく女性が登場する。女性の登場は社会的な流れではあるが、偽札防止という観点からす

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【書籍・資料・文献】『日本の税金』(岩波新書)三木義一

迫る消費増税 2019年10月の消費税率10パーセントへの引き上げを目前にして、いろいろとざわつき始めた。これまで安倍晋三内閣総理大臣は2度にわたる消費税の増税時期を延期してきた。消費税が8パーセントから10パーセントに引き上げられれば、その分の消費が冷え込み、税率を上げても税収は減少するといった懸念もある。それだけに、景気が上昇基調でないタイミングで消費税率を上げれば、景気はますます減速する。だ

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