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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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#利下げ

 "バリアー” が破れる時

"バリアー” が破れる時

 何度も何度も下値トライして 思ったより分厚い「円売り」 ー 「介入」と「外為特会」と「米国債」 |損切丸 (note.com) に跳ね返されてきたドル円。米ISM製造業指数の悪化 ↑ を受けてようやく@156.50を下抜け「キャリートレード」の「損切り」を誘った

 タイミングを合わせるように@75ドルを割れたWTI(NY原油先物)や@80ドルを割り込んだ北海ブレントも似たような動き。OPECの

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続・「高金利時代」再び? - もう期待できない日本の「バズーカ」

続・「高金利時代」再び? - もう期待できない日本の「バズーカ」

 「レンジ相場」で仕掛ける第2の「キャリートレード」 ”ボラティリティー・ショート” |損切丸 (note.com) なんて書いていたら米国債が動いた。
要因は国債入札。5年債 ↑ 、2年債とも思ったより札が入らず急落(金利急上昇)の引き金となった

 ただ市場の反応を見ると2022~2023のようにファンドが嬉々として売っているのではなく、どちらかというと虚を突かれて嫌々売っている感じ。FXも同

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遂に「ドル売り」転換? ー 怖いのは日銀の "心変わり" (再び)

遂に「ドル売り」転換? ー 怖いのは日銀の "心変わり" (再び)

 注目の4月米CPI。指標発表前に既にユーロドルを中心に「ドル売り」に転じていたが、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアベースで前月比の伸びが6カ月ぶりに鈍化。NY FED指数も悪化し恰好の材料となった

 これで米国債は短期ゾーンを中心に急伸(金利は低下)。「利下げ」開始時期は9月、ターミナルレート(政策金利の到達点)は@4%まで低下した。 金利の ”着地点” と「中立金利」|損切丸 (not

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金利の ”着地点” と「中立金利」

金利の ”着地点” と「中立金利」

 こうして時系列で「イールドカーブ」を追っていると、世界の国債金利、特に長期金利は随分収斂しつつある( ↑ 標題グラフ)。特に「円安」に見舞われているJGB(日本国債)の猛追は顕著で、30年JGBは遂に@2%を超えた。政策金利の「利上げ」も視野に入りつつある

 筆者は「中立金利」について「コロナ前」=「ディスインフレ時代」と「コロナ後」=「インフレ時代」に分けて金利の ”着地点” を想定 ↓

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米国経済本当は強い?弱い?Ⅲ

米国経済本当は強い?弱い?Ⅲ

 米国経済本当は強い?弱い?|損切丸 (note.com)
 続・米国経済本当は強い?弱い?|損切丸 (note.com) の続編

 昨日(5/2)東京時間早朝、意表を突いた「ドル売円買介入」で▼4円程急落した時、置いておいた買いオーダーがついて喜んだトレーダーもいただろう。その後@157円台まで戻して喜んだのも束の間、ドル円はジリジリ値を下げ翌日(5/3)には一時@153円割れ。「なぜ上がらな

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「利下げ」の ”芽” vs しつこい「円安」

「利下げ」の ”芽” vs しつこい「円安」

 PMIの大幅な減少は昨年8月以来でやや意外感があった。価格や雇用指数を見ても、まんべんなく ”景気減速” が見て取れ、これが真のトレンドになるならようやく「利下げ」の ”芽” が吹いた事になる

 これを受けて米国債も全般に買われ年内「利下げ」シナリオも徳俵に足が掛かった状態で持ち堪えた。ここまで金利上昇が急だっただけに当然の小休止とも言える

 これを諸手を挙げて歓迎したのが株式市場。「マグニ

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「利下げ」が先か「株安」が先か

「利下げ」が先か「株安」が先か

 予想を大きく上回った米小売売上高 ↑ をきっかけに米国債は急落。まあ物価が上がっているので名目値が上がるのは自然でもあるが、日本と違い ”買い控え” なんて起きない。いや、「インフレ」ならむしろ早く買わないと値段が上がってしまうので消費行動が活発になる。お給料が上がっているから成せる技でもあり、これが「インフレスパイラル」の怖い所

 「利下げ」はやっと11月開始を織り込んでいるが、もはやその有

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続・想像以上にしつこい「インフレ」

続・想像以上にしつこい「インフレ」

 想像以上にしつこい「インフレ」|損切丸 (note.com) の続編

 注目の米CPI ↑ が出た後の「損切丸」の正直な感想。特にコアの高止まりは(FRBにとっても)ショッキングで やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。|損切丸 (note.com) は健在。もう現実的に「利下げ」無しを考慮しなければいけなくなった

 20年以上マーケットに関わってきたが、いつも 続・「行って欲

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 "金利のメッセージ" (Message in a Yield)

"金利のメッセージ" (Message in a Yield)

 前稿.続・米国経済本当は強い?弱い?|損切丸 (note.com) で 政策金利は中央銀行が決める - 市場参加者や銀行の "思い込み" は危険|損切丸 (note.com) だから、マーケットの動きに反してFRB・ECBが6月にも「利下げ」を敢行するリスクに触れた。それはそれで仕方が無いことだが、こういう時大暴れするのが金利市場

 発せられる "金利のメッセージ" とは?

 もっとも分かり

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続・米国経済本当は強い?弱い?

続・米国経済本当は強い?弱い?

 米国経済本当は強い?弱い?|損切丸 (note.com) の続編

 もう1年余りNFPにマーケットは悩まされ続けている。ISM非製造業指数を見ると価格等「インフレ」や景況感に減速の兆しが見えているが、とにかく「人が足りない」。平均時給が+4.3% → +4.1%と和らいでいるのが救い

 雇用統計発表直後は「米国債売り」(ドル金利上昇)+「ドル買い」で反応したが徐々に落ち着いてきている

 一

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続・「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 株もタワマンも買いそびれ「円安」で物価は上がる一方...

続・「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 株もタワマンも買いそびれ「円安」で物価は上がる一方...

 「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 一体誰が困るのか?|損切丸 (note.com) の続編

 さあ、いよいよFRBの「年内利下げ」の雲行きが怪しくなってきた。2月までは16カ月連続で50を下回っていたがISM製造業指数が "水面下" に浮上。生産指数が54.6と2022年6月以来の高水準で前月比+6.2ポイントは2020年6月以来の大幅な伸び。2月に縮小圏となっていた新規受

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やっぱり「インフレ」しかない

やっぱり「インフレ」しかない

 地味ながら3/21に金融政策の ”予想外” が相次いだ

 対照的な2国だが、現在の世界の経済状況を端的に現していて興味深い

 まずスイスと言えば元々 ”世界一物価の高い国” 。それだけに今回の「インフレ」局面でもCPIは+1%台で低位安定しておりそれほど「利上げ」もせずに済んだ。日本とも共通するが世界一の「お金持ち」国家と言えるだろう

 これを見て 勝手が過ぎるヨーロッパ - 拙速な「利下

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さらば "異次元" - 次に待ち受けるのは「利上げ」催促相場

さらば "異次元" - 次に待ち受けるのは「利上げ」催促相場

 とタイトルは付けたが、「損切丸」の第一印象は「結構思い切ったな」

 実際「マイナス金利解除」するとどうなるのか?|損切丸 (note.com) では「マクロ加算残高」を残す予想をしたが、特殊な「三層構造」↓ は崩れ ”元来の準備預金制度” へ戻る。これで@0.10%の「付利」対象は一気に300兆円以上増え、日銀は年間約▼3,000億円のコスト持ち出しになる

 もっとも増えた▼3,000億円の

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勝手が過ぎるヨーロッパ - 拙速な「利下げ」は危険

勝手が過ぎるヨーロッパ - 拙速な「利下げ」は危険

 もうECBは完全に「利下げ」前のめり。全くこの人達は何を言っているのだろう。どうもきっかけは天然ガス価格の急落のようだが正直腹が立つ。そもそも「戦争」の引金になったのはロシアへの過剰なエネルギー依存。アメリカからバカ高いガスを買わされてイライラしているのは判るが自業自得。そう考えるとメディアを使って「停戦」へ導こうとしているのは見え見え。舌の根も乾かぬうちにロシアと手を結ぶのではないか

 ヨー

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