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ハートランドの遙かなる日々 第26章 黒の一団
招かざる客 それからもルーディックと衛兵達は、城内で徹夜の番をするのだが、侵入者を発見する事は出来なかった。
明け方から起き出したアルノルトは、ルーディックのいる詰所まで行ってみた。
「ルーディック」
見張りをしつつウトウトしていたルーディックは、弾かれたように起きて言った。
「ああ。アルノルトか」
「その後、見つかったかい?」
「いや、さっぱりだ。襲って来た奴も結局逃げられたし」
ルーデ
ハートランドの遙かなる日々 第22章 ヴィンテルトゥール
ビュルグレン村を見下ろす共同牧場の高原に朝日が昇ろうとしていた。
薄暗いうちから起き出して、アフラは書き置きを一筆書いていた。
昨日の夜、アフラは父と一緒に最終の特急便馬車に乗って、夜半にウーリに着き、二週間ぶりに家に帰って来た。久しぶりに母とマリウスに会えたのは良かったが、勝手に家を出て行った事を母に怒られ、思い詰めたような顔のまま、話したい事を何も話す事が出来なかった。
話せなかった事