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エッセイらしきものばかり

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何がエッセイなのかよく分かっていない人が書いたエッセイらしきものです。
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記事一覧

忘れてもいい忘れられない一言

忘れてもいい忘れられない一言

 誰にも忘れられない一言があると思うんです。ただ、忘れられない理由はきっと千差万別でしょう。嬉しかった一言、悲しかった一言、衝撃的な一言。皆さんの心の中に、いろんな一言が存在している。

 たまにそんな忘れられない一言が後々まで影響を与える場合がございます。私にもそんな一言がございます。

 当時付き合っていた彼女を家に呼んだ時の話です。彼女は部屋に入るなり、あっちこっちを見て回りました。別に見つ

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それは落とし物と言うのか

それは落とし物と言うのか

 歩いていたら、道路に靴下が片方だけ落ちていました。くるぶしまでの短い靴下で、手のひらに収まるくらい小さい。可愛らしい魚の模様。赤ちゃんの靴下だとすぐに分かりました。

 きっと親御さんに抱っこされている時、足をバタバタさせて脱げてしまったのでしょう。何しろ、くるぶしまでしかない靴下です。脱げやすかったに違いない。そして、親御さんも脱げた靴下に気づかなかった。落としてから10分後か、はたまた1時間

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メモの才能がない

メモの才能がない

 こんなnoteでも日々思いついたアイデアに基づいて書かれていまして、「これは書けそうだぞ」と思いついたものを次々と形にしているんです。ちゃんと形になっているかどうかは別として。

 お笑いばかり見ているせいか、その手のアイデアはいつの頃からかネタと呼ぶようになりました。芸人でもないのに、ネタを探す日常を過ごしているわけです。

 ネタはそれなりに思いつくんですが、思いつく瞬間というのが、ジョギン

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仕事を選ばないプロ中のプロ

仕事を選ばないプロ中のプロ

 気づけば世の中キャラクターだらけです。漫画やアニメはもちろん、商品や企業、自治体のイメージキャラクターなど、本当にたくさんのキャラクターが存在しています。

 時にはキャラクターが広告に登場することもあります。他のキャラクターと組んだり、他の商品に登場したりする、いわゆるコラボを展開する場合もあります。もちろん、適当に広告を展開したり、思い付きでコラボをしているわけではないでしょう。キャラクター

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特殊なのは文化なのか、それとも出来事なのか

特殊なのは文化なのか、それとも出来事なのか

 以前、産業史の専門家による講演を聞いたことがあるんですけれども、その中に印象的な言葉がありました。「過去は外国」です。同じ国、同じ町でも、現代人から見たら昔の人は違う国レベルで文化や価値観が違う、という意味のようです。

 そんな外国レベルに異なる昔の文化を知るには、もちろん歴史関係の本を読むのも有効ですが、ご年配の方に話を聞くだけでも充分に文化の違いを知れたりします。

 例えば、私の祖母は大

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宿題でふざけた人間が初めて天下人に共感する

宿題でふざけた人間が初めて天下人に共感する

 学生時代は宿題が本当に嫌だったんです。やらずに溜め込むなんてしばしばで、当然ながら先生に怒られ、罰として追加の宿題が出されたりしていました。

 普通の量でもやらないのに、増やしたらもっとやらないと思うんですが、「このままやらなかったら、そのうち学校で強制的に居残りさせてでもやらせる」との最後通告を受け、せっかくの遊ぶ予定を潰して泣く泣く漢字の書き取りをやりました。その数、1万字。ちょっとした短

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たまの休みに遭難する

たまの休みに遭難する

 以前の職場で登山が趣味の後輩がいました。ここでは仮に山本君としておきます。

 山本君が登山をしている。正直、意外だったんです。山本君は良くも悪くもほんわかしていて、山の厳しい自然に立ち向かえるような人に見えなかったんです。見る目がないとはまさにこのことでございます。山本君は職場でほんわかしながら、休日には厳しい山道を登っていたんです。

 しかし、いざ登山の話を聞いても山本君の返答はどうもよく

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「食べる」を探求して食べ方を忘れる

「食べる」を探求して食べ方を忘れる

 食事をするとむせやすいなあと以前から思っていたんです。でも、原因が分からない。

 食事のように生まれてから当たり前のようにやってきた行為ですと、無意識のうちにやっている場合が多く、原因を追究するのも一筋縄ではいきません。原因究明のため、そもそも「食べる」とは何かを自分なりに軽く調査してみました。

 まずは「食べる」を細かく分けてみました。食べ物を口に入れる、咀嚼する、飲み込む。基本はこの3段

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見た目じゃ寿命は分からない

見た目じゃ寿命は分からない

 「看板に偽りなし」という言葉がある一方、「羊頭狗肉」という言葉もあるわけです。ザックリと意味を説明すれば、前者は「見た目通り」であり、後者は「見た目と中身が一致しない」となります。意味が真逆でございまして、このふたつは互いに対義語の関係とされています。

 なんでどちらの言葉も現在に至るまで使われ続けてきたのか。恐らく、どちらのパターンもたくさんあったからだと思います。外見そのままの中身であるも

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こづかいを貰わなかったから助かったのか

こづかいを貰わなかったから助かったのか

 人は運がいいとか悪いとか言って自分の境遇を気にしてしまいますけれども、今の運がいいのか悪いのかをバシッと判別するのは意外と難しい気がしているんです。何も知らずのほほんと過ごしていたつもりが思わぬ不運を避けていた、なんて場合もあれば、宝くじで大金を当てて有頂天になっていても実はそれが大いなる不幸に繋がっていた、なんて場合もある。いわゆる「塞翁が馬」というやつで、だから今日の出来事だけで幸不幸を判断

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電子レンジレス生活から変な電子レンジ生活へ

電子レンジレス生活から変な電子レンジ生活へ

 私、10年以上電子レンジのない生活をしていました。引っ越した時に古い電子レンジを持って行ったんですが、引っ越し先に辿り着いた時には壊れて使えなくなっていたんです。その時の私、新しいのを買うのが面倒となりまして、以降10年以上、電子レンジのない生活を続けたわけです。つまり、怠慢が原因で不便な生活に突入したわけです。

 とは言え、人間とは慣れるもので、電子レンジがなくても割と平気で暮らしていけるん

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疑似スパムメール議論

疑似スパムメール議論

 友人と某テーマパークに行く予定があったんです。そのテーマパークは何しろ人気のテーマパークでございますから、開園前から人が並んでいるんです。我々はそれぞれ前売り券を買って現地集合し、早く着いたほうが先に並ぶという戦略を立てました。当時はスマホがない時代でしたが、携帯はメールも電話もできる。連絡には充分です。私は安心して当日を迎えました。

 当日、私は開園前にテーマパークのメインゲートに辿り着きま

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水中放尿者の将来に暗雲あり

水中放尿者の将来に暗雲あり

 こんな話を聞きました。湯舟でコッソリおしっこしていると、いざ介護される立場になった際、お湯で身体を綺麗にしてもらっている時に長年の癖でおしっこをジョバジョバ出してしまうという。

 全ての水中放尿者の将来に暗雲を立ち込めさせるこの噂の出所はサッパリ分かりませんけれども、それを聞いて単純に気になったんです。どうやって調査したのかと。

 冒頭で申し上げたようなことが事実だとすると、一定数の方々に、

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仮病対策済み待合室

仮病対策済み待合室

 あまり身体の強い子供ではなかったんです。だから、幼少期はちょこちょこ熱を出して休んでいました。月に一度は休んでいたので、結構な弱さです。3日連続で休んだこともある。逆によく今まで無事に生きてこれたものです。

 体調不良で休むので、当然ながら両親に病院へ連れていかれます。毎月のように行くので、医者が診察で何をするのか分かるようになってしまいました。目を見て、喉を見て、お腹の辺りを触診して、などな

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