記事一覧

00's 私的Best Album 50 (Rock & Pops)

個人的に2000年代の洋楽はリアルタイムではほぼ聴いていなくて、当時の自分は邦ロックを聴き始め、それらのバンドの影響から90年代の洋楽にのめり込み、そのままそれ以前の…

prtcll
4日前
5

Tool [Ænima]を4枚のアルバムから解析する

1996年、アメリカのバンドToolはアルバム[Ænima]を発表した。そのなんとも形容しがたい作風や音のヘヴィネス、メタファーやブラックジョークを交えた歌詞、などなど、エポ…

prtcll
4週間前
11

zappak: 2024年2月リリースの作品紹介

皆さま、2024年いかがお過ごしでしょうか。 zappakは約1週間後の2月1日(木)に新しく3作品をリリースいたします。ご興味ありましたらご購入ご検討ください。お店からの取り…

prtcll
3か月前
7

新作、[just another day]について

今月、FtarriのサブレーベルHitorriよりフィールド録音によるソロ新作[just another day]がリリースされました。'just another day'とは’なんでもない一日'という意味で、…

prtcll
4か月前
1

My New Favorite 30 Music in 2023

今年も一年色々ありました。幣レーベルzappakは無事1周年を迎え、累計7作品リリース、9月には小川町POLARISにてレーベル・ショーケースもおこないました。自身のライブの本…

prtcll
4か月前
14

現行の即興音楽のための拙いディスク・ガイド

「インプロ・りぶる」というツイッター(というか現在では「X」と呼ぶべきか)のアカウントが、8月15日に「フリー・インプロヴィゼーションに初めて触れる人のためのディスク…

prtcll
8か月前
58

2023年上半期に聴いた音楽の振り返り

2023年上半期が終わったので、今年聴いた音楽を振り返ってみました。ディスク・レビュー的に紹介しようかと思ったのですが、そうすると年末の時点で書くことがなくなる危険…

prtcll
10か月前
1

7月第1週の演奏について

こんにちは。岡川です。このところ月に1本あるかないかといったブッキング状態だったのですが(5月は0本、6月は1本)、7月の第1週に限って急に出演が次々と決まりました。す…

prtcll
11か月前
2

ECM: 私の1枚

ジャズを中心とした記事を多く掲載してきているJazzTokyoが、300号を記念して『ECM: 私の1枚』なる記事を企画した。これまで多くのライブ/作品レビューやインタビューをお…

prtcll
1年前
9

Andrew Pekler [Khao Sok Extension]

zappakはAndrew Peklerによる映像作品、[Khao Sok Extension]を2月1日に発表します。フォーマットはデジタル・アルバムのほか、PAL-DVDとCDをセットにしたフィジカル・バー…

prtcll
1年前
2

My new favorite 30 Music of 2022

1月で30歳になって人生の新しいフェーズに入ったのか、思い返すと今年は例年以上に色々な出来事があり、さまざまな人との出会いもありました。春先には関西で演奏したり(兵…

prtcll
1年前
10

zappakについて (日本語版)

(English Version Here.) 2022年9月10日、岡川怜央は自身によるCDレーベル "zappak(ざっぱく)" を立ち上げ、最初のリリースをおこないます。レーベル名は「雑駁(ざっぱく)…

prtcll
1年前
36

About zappak (English Version)

(日本語版はこちら) On September 10 2022, I will start running my own CD label named "zappak" and will release the first 2 titles. The name of "zappak" is come …

prtcll
1年前
2

My Favorite 15 Albums of 1970's

少し前にTwitterにて「#70年代ベストアルバムランキング100」なるものが開催されていて、僕みたいなのが場を荒らしちゃいけないだろうと思ってツイートするのを控えていた…

prtcll
1年前
7

PRESQUE TOUT: 窓からのながめ

このところ毎日暑いですね。皆さんお元気ですか。僕は暑さ耐性がほぼ皆無なので(寒いのは大丈夫)、自宅では常時エアコン稼働、外出中は水分補給に徹してます。電力供給がひ…

prtcll
1年前
7

物音/実験系カセット・レーベルの近況

1. 「ノイズ(騒音)」を定義する まず、音楽ではなく一般的な意味として、「ノイズ(騒音)」ってどんなものでしょう。隣の住人の生活音だったり、窓から入ってくる車の音だ…

prtcll
1年前
135

00's 私的Best Album 50 (Rock & Pops)

個人的に2000年代の洋楽はリアルタイムではほぼ聴いていなくて、当時の自分は邦ロックを聴き始め、それらのバンドの影響から90年代の洋楽にのめり込み、そのままそれ以前の洋楽やノイズ/アヴァンギャルドの作品にはまっていた。『Rockin' On』や『Crossbeat』などの雑誌は読んでいたが、どうもその頃出ていたバンドたちの音楽に当時の耳は反応できなかった。それから20年ほど経ち、『Rockin'

もっとみる
Tool [Ænima]を4枚のアルバムから解析する

Tool [Ænima]を4枚のアルバムから解析する

1996年、アメリカのバンドToolはアルバム[Ænima]を発表した。そのなんとも形容しがたい作風や音のヘヴィネス、メタファーやブラックジョークを交えた歌詞、などなど、エポック・メイキングな雰囲気から、名盤と語り継がれるようになった。この作品は一体どのようなものに影響を受けて作り上げられたのだろうか。僕自身も本作をとても愛聴し幾度となく繰り返し聴いているが、本作が発表される前にリリースされた別の

もっとみる
zappak: 2024年2月リリースの作品紹介

zappak: 2024年2月リリースの作品紹介

皆さま、2024年いかがお過ごしでしょうか。
zappakは約1週間後の2月1日(木)に新しく3作品をリリースいたします。ご興味ありましたらご購入ご検討ください。お店からの取り扱い希望のご連絡もお待ちしております。以下、各作品の情報紹介です。

p.o.p. (psychology of perception) [Alien Stewardess]
(zappak-008)

p.o.p.(psy

もっとみる
新作、[just another day]について

新作、[just another day]について

今月、FtarriのサブレーベルHitorriよりフィールド録音によるソロ新作[just another day]がリリースされました。'just another day'とは’なんでもない一日'という意味で、作中でもそれを表現しています(下は僕自身のBandcampページです、全曲試聴可能となっております)。

そもそも、本作はFtarriのオーナーの鈴木さんから「[Ulysses]みたいな作品

もっとみる
My New Favorite 30 Music in 2023

My New Favorite 30 Music in 2023

今年も一年色々ありました。幣レーベルzappakは無事1周年を迎え、累計7作品リリース、9月には小川町POLARISにてレーベル・ショーケースもおこないました。自身のライブの本数も増えて、今年は30本以上あったようです(最後の1本は年末なのでまだですが)。演奏面ではさまざまな人から嬉しい評価や感想をいただけて、成長(?)を実感したり。リリースは少なかったですが、制作面ではBreton Casset

もっとみる
現行の即興音楽のための拙いディスク・ガイド

現行の即興音楽のための拙いディスク・ガイド

「インプロ・りぶる」というツイッター(というか現在では「X」と呼ぶべきか)のアカウントが、8月15日に「フリー・インプロヴィゼーションに初めて触れる人のためのディスクガイド──デレク・ベイリーから連なる音たち」という記事を公開した。カンパニー社より以前出版されたJohn Corbettの書籍『フリー・インプロヴィゼーション聴取の手引き』をベースとし、代表格的なDerek Baileyの作品を中心に

もっとみる

2023年上半期に聴いた音楽の振り返り

2023年上半期が終わったので、今年聴いた音楽を振り返ってみました。ディスク・レビュー的に紹介しようかと思ったのですが、そうすると年末の時点で書くことがなくなる危険性があったため、ミックスという形式で曲をまとめてMixcloudにアップしました。以下より聴けます。

"Looking back my first-half listening history of 2023"

以下、コメントなしで

もっとみる

7月第1週の演奏について

こんにちは。岡川です。このところ月に1本あるかないかといったブッキング状態だったのですが(5月は0本、6月は1本)、7月の第1週に限って急に出演が次々と決まりました。すべてのイベントにおいて多くの方に来ていただきたいという気持ちはあるものの、僕については1週間に4回も観るようなアクトではないということもわかっています。
そこで今回、その4本において(今のところ)どんなことをしようと思っているのか書

もっとみる
ECM: 私の1枚

ECM: 私の1枚

ジャズを中心とした記事を多く掲載してきているJazzTokyoが、300号を記念して『ECM: 私の1枚』なる記事を企画した。これまで多くのライブ/作品レビューやインタビューをおこなってきたということもあり、JazzTokyo寄稿者のみ(?)による記事ながら、すべてを読み切るにはなかなかの時間を要すであろうヴォリュームだ。

そもそもECMとは

ECMとは「Editions of Contemp

もっとみる
Andrew Pekler [Khao Sok Extension]

Andrew Pekler [Khao Sok Extension]

zappakはAndrew Peklerによる映像作品、[Khao Sok Extension]を2月1日に発表します。フォーマットはデジタル・アルバムのほか、PAL-DVDとCDをセットにしたフィジカル・バージョンも用意しています。収録映像の時間は60分で、CDにはリスニング用に新しく用意された54分46秒のバージョンが収録されています。レーベルのBandcampより発売予定。国内のいくらかのシ

もっとみる
My new favorite 30 Music of 2022

My new favorite 30 Music of 2022

1月で30歳になって人生の新しいフェーズに入ったのか、思い返すと今年は例年以上に色々な出来事があり、さまざまな人との出会いもありました。春先には関西で演奏したり(兵庫のTobira Recordsと大阪のenvironment 0g)、夏には自分のレーベル「zappak」を立ち上げたり、(演奏の本数自体は多くありませんが)神保町の試聴室や新宿のPIT INNなど都内でも初めての場所で演奏したり。1

もっとみる
zappakについて (日本語版)

zappakについて (日本語版)

(English Version Here.)

2022年9月10日、岡川怜央は自身によるCDレーベル "zappak(ざっぱく)" を立ち上げ、最初のリリースをおこないます。レーベル名は「雑駁(ざっぱく)」からきており、その「雑駁」とは「考えや文章などが十分に整理されておらず、雑然としている状態」をさす言葉です。
このレーベルからコラボレーションを含む自分自身の作品を発表することはありません。

もっとみる
About zappak (English Version)

About zappak (English Version)

(日本語版はこちら)

On September 10 2022, I will start running my own CD label named "zappak" and will release the first 2 titles. The name of "zappak" is come from Japanese word "zappaku (雑駁)", and zappaku m

もっとみる
My Favorite 15 Albums of 1970's

My Favorite 15 Albums of 1970's

少し前にTwitterにて「#70年代ベストアルバムランキング100」なるものが開催されていて、僕みたいなのが場を荒らしちゃいけないだろうと思ってツイートするのを控えていたんですが、もうそろそろいいかなと思って15枚選んだものを投稿したので、詳細はここに書こうと思った次第です。ただ、個人的には順位付けするのが好きでないので、アルファベット順で。

David Bowie [Station to S

もっとみる
PRESQUE TOUT: 窓からのながめ

PRESQUE TOUT: 窓からのながめ

このところ毎日暑いですね。皆さんお元気ですか。僕は暑さ耐性がほぼ皆無なので(寒いのは大丈夫)、自宅では常時エアコン稼働、外出中は水分補給に徹してます。電力供給がひっ迫していますが、皆さんも倒れないように無理せず頑張ってください。

さて、余計な前置きはさておき、今回は2019年から活動を始めたフランスのレーベル(あるいはプロジェクト?)である「PRESQUE TOUT (日本語で「ほとんどすべて」

もっとみる
物音/実験系カセット・レーベルの近況

物音/実験系カセット・レーベルの近況

1. 「ノイズ(騒音)」を定義する

まず、音楽ではなく一般的な意味として、「ノイズ(騒音)」ってどんなものでしょう。隣の住人の生活音だったり、窓から入ってくる車の音だったり。人の声だってノイズと感じることがあると思います。しかし、その音が「作品」だったとき、僕らがその音を注意深く聴き込むとき、それをただのノイズと言い切れるのでしょうか。例えばÉric La Casaは録音やミキシングをエンジニア

もっとみる