マガジンのカバー画像

鳥かごの鍵

33
彼氏がいるのに、7歳下のイケメンに恋してしまう。 揺れる気持ちと罪悪感との闘い。 鳥かごとは? 鍵とは? ドキドキしながら最後まで読んで下さい。
運営しているクリエイター

#恋

鳥かごの鍵 30

鳥かごの鍵 30

夜、主人が帰って来た。

今夜は主人に話しがあったので、
早めに子供を寝かせていた。

「おかえり、話しがあるんだけど座って。」

「昨日の話しの続き?」

「そう、離婚の話し。」

長い話しになると思い私はコーヒーを入れ、
主人の前にコーヒーを置いた。

「あなた私と離婚したらどうするの?
この家で1人で暮らすの?」

「こんな広い家じゃ暮らさないよ、
マンションに引っ越すよ。」

「1人で?」

もっとみる
鳥かごの鍵 26

鳥かごの鍵 26

「ごめん、ここまで来ちゃって、
でも連絡ないから不安で…」

なつが驚いている、そりゃ驚くよね。

私と月の顔を交互の見ている。

「二人で話せるかな?」
と月が聞いて来た。

私は彼がどこかで見ているかもしれないと思い、
「なつごめん詳しい話しは明日する、今日は帰るね。」

そう言って私は月の手を引っ張って走り出した。

走るなんて久振り、
でも彼が見ていたら大変、逃げないと。

私は必死だった

もっとみる
鳥かご鍵 25

鳥かご鍵 25

私は重い体を引きずり、
仕事に向かった。

なつは私がケガしていること、
元気が無いことを心配していたが、
今はこの状況を人に説明できるほどの元気はなかった。

どうにか仕事をこなして私は家に帰って来た。

彼とどうしたら別れることが出来るのか?

私は月とお揃いで買った三日月の形のキーホルダーを見ながら考えていた。

月に会いたい。

でも彼がどこかで見ているかもしれない、
そう考えると月と会う

もっとみる
鳥かごの鍵 22

鳥かごの鍵 22

私は家に入り窓を開けて風を入れた、
これから重い話しになる。

少し前までの幸せな気持ちから一気に気分は下がっていた。

「今日はどこに行ってたんだよ?」

「今日は色々と…。」

「ふ~ん、色々ね、あの男と?」

「えっ誰?」

「あいつだよ、背の高い若いやつ。」

「なんで知ってるの?」

「俺はなんでも知ってるよ。」

彼は私と目を合わせないで、
窓の外を見ながら話している。

「もう俺のこ

もっとみる
鳥かごの鍵 21

鳥かごの鍵 21

私達は軽くご飯を食べて、
ゆっくりコーヒーを飲んだ。

「今日は本当に楽しかった、
私の好みのお店色々調べてくれてありがとう、
全部が私の好みでビックリしたよ。」

「喜んでもらえて良かった。
また会えるかな?」

月が聞いてきた。

「うん、もちろん。またランチしよう。」

私が言うと、月は嬉しそうに笑った。

時計を見ると20時を過ぎていた。

私達はお店を出て、駅に向かった。

「明日仕事で

もっとみる
鳥かごの鍵 18

鳥かごの鍵 18

火曜日の夜。

私は明日のことで頭がいっぱいだった、

明日は月のおすすめのカフェでランチをする予定だ、
私は明日の洋服、バッグ、靴を選んで、
鏡の前で何度もチェックした、
少しでも若く見えたらと思い今流行りの洋服を選んだ。

月にカフェで働いていることを知っていると言ったら、
不思議に思うだろうか?

なぜ知っていたなら声をかけなかったのか?
なぜ黙っていたのか?

色々聞かれた時に、
私はなん

もっとみる
鳥かごの鍵 17

鳥かごの鍵 17

私は冬子の家から帰る電車の中でスマホを見た。

月からメールが来ていた、
まだ17時なのに、こんな時間にめずらしい。

「こんにちは、今日は日曜日だからお休みなのかな?
俺は今日は早く仕事が終わって暇してます。」

「こんにちは、私はお休みだったから、
友達の家に遊びに行ってた。今は帰りの電車の中。」

「友達と夜ごはん食べて来なかったの?」

「彼氏が来るからって追い出された。笑」

「それは残

もっとみる
鳥かごの鍵 15

鳥かごの鍵 15

彼は私の家に来た。

「何か映画でも見よう。
古い映画でも見る?」

彼が私の家のテレビで映画を探している。

私はコーヒーを入れて、
彼から少し離れたところに座る。

彼が少し前に流行った映画を再生し始めた。
「なんで離れて座ってるの?こっち来なよ。」と、

私を自分の隣に座らせた。

映画はつまらなかった。

私は時計ばかり気にしていた。

18時半…

もしかしたら月からメールが来ているかも

もっとみる
鳥かごの鍵 14

鳥かごの鍵 14

今日は土曜日。

お隣の白い大きな家の男の子は学校がお休み。
お母さんの怒鳴り声のしない静かな朝だった。

私は仕事に行く支度をして家を出る。

今日は土曜日なので病院は半日だけ、
午後は気分転換もかねて、
洋服でも買いに行こうと考えていた。

しかし、
病院は思ったより混んで終わったのは14時を過ぎていた。

私が病院を出て駅に向かっていると、

彼からLINEが来た、

「今日は会える?今病院

もっとみる
鳥かごの鍵 13

鳥かごの鍵 13

午後の仕事は全く集中出来なかった。

気は付くと診察終了の時間だった。

私はゆっくり着替えて病院を出た。
こんなに近くにいるなんて、
これは運命?
でもどう見ても年下だよね。

私はそんなことを考えながら、
駅に向かって歩いていると、
彼からLINEが入った。

「仕事終わった?ご飯一緒に食べない?」

私は彼に会う気分になれなかった。
また会社の愚痴を聞かされて、
体を求められるだけだから…

もっとみる
鳥かごの鍵 12

鳥かごの鍵 12

えっ??
イケメン店員くん?
確か今日のお昼、
イケメン店員くんもロコモコ丼買ってたよね…
まさかね…

うそでしょ?

こんなことあるの?

私は狭い部屋の中をぐるぐる歩き回った。

あっ!返信しないと!

「今流行ってるよね、おいしそう!」

こんな短い文を打つのがやっとだった。

「おいしかったよ!
明日は休みで、友達と朝から釣りに行くから、
今日はもう寝るね、おやすみ。」

「そーなんだ、

もっとみる
鳥かごの鍵 11

鳥かごの鍵 11

午後の診察もいつも通り終わり、
私は家に帰る。
なぜか心は重かった。

彼のことを考えると心が重くなった。
私は彼を裏切っている…
でも気持ちを抑えることが出来なかった。

家に帰ってご飯を食べてお風呂に入る、
今日は月からメールが来ない。

自分からメールするか迷っていた。

「もうメールはしない」

そう決断出来たら、楽になれるのに、
私は意志が弱い人間だ…

10時過ぎに「月」からメールが来

もっとみる
鳥かごの鍵 10

鳥かごの鍵 10

いつも通り7時40分に起きると、
「月」からおはようとメールが来ていた。

「おはよう。」

私も短いメールを送った。

些細な幸せ。

私は朝からにやにやして支度をはじめた。

今日はいい天気、1日がんばろう。

私はインコに餌をあげて家を出た。

病院に着くと、
なつが今日のお昼これにしよう!とスマホを見せて来た。

それは今流行っている「ロコモコ丼」の移動販売が、
今日のお昼の近くに来るとい

もっとみる
鳥かごの鍵 9

鳥かごの鍵 9

私は野菜を切りながら、
返信の内容を考えていた。

お風呂が沸き私は湯舟に浸かりながら、
まだ返信の内容を考えていた。

お風呂の時計を見ると、
メールが来て40分は過ぎていた。

私はお風呂から出て「月」にメールをする。

「こんばんは、仕事お疲れさま、今日は暑かったね。
昨日は友達が泊まりに来たからバタバタしてました。
私は今、夜ごはん作ってました、月は何してるの?」

色々考えて出来た文がこ

もっとみる