Sakiko

MIDORI.so Community Organizer 2019年1月から半年間デ…

Sakiko

MIDORI.so Community Organizer 2019年1月から半年間デンマークのフォルケホイスコーレへ留学。

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  • フォルケホイスコーレ

記事一覧

仕事とは、お互いのできることを交換すること

「私にできることなんて何もないんです」 このままの人生じゃ絶対に後悔する。29歳の頃、そんな青臭い思いで安定した会社を辞め、何の保証もないままピンときた場所へ飛び…

Sakiko
2年前
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WHY DO YOU HAVE TATTOOS?

デンマークに来る前、東京でルームシェアしていたのがタトゥーデザイナーのoppner だった。彼女はアメリカ・ポートランドのタトゥー文化に影響を受けて、『タトゥーとは、…

Sakiko
4年前
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人間らしく働ける、ドイツの働き方

7月にデンマークを出てから、ハンブルク、ベルリン、ライプツィヒと、転々と旅をしていた。その間、労働ビザやアーティストビザでドイツに住んでいる日本人の方たちとたく…

Sakiko
4年前
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何かをつくることは、世界を理解できるようになること

何の資格も取れない。仕事に直結するわけでもない。英語をメインで勉強できるわけでもない。 フォルケホイスコーレって、そういう学校だ。 半年間もの間そんな学校へ行って…

Sakiko
4年前
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助け合うから、2つ以上の仕事を持つ

2月頃のこと。私の学校でデンマーク語コースの先生をしているAnddersの姿をしばらく見かけないことに気付いた。 友達に「なんで最近Anddersは来ていないの?」と聞くと、「…

Sakiko
5年前
56

結果を見てるんじゃない、プロセスを見てるんだ

デンマークは「世界一幸福な国」と呼ばれているけど、ポジティブなことだらけ!なんてことはなく、当然ネガティブな面もある。それでも、デンマークに住んでみて「これは素…

Sakiko
5年前
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デンマーク人が幸せなのは、日本人と幸せの前提が違うから

私がデンマークに来た理由はいろいろあるけど、「なぜデンマークが幸福な国だと言われるのか、実際にこの目で見て知りたい」ということも理由のひとつだった。 高い税率の…

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5年前
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私たちはものすごくバランスの悪い社会を生きているのかもしれない

日常の中でさらりと社会の話をするデンマーク人 全寮制のフォルケホイスコーレでは夕食後も毎晩何かしらイベントがある。みんなで映画を見たり、エクササイズをしたり、パ…

Sakiko
5年前
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仕事とは、お互いのできることを交換すること

仕事とは、お互いのできることを交換すること

「私にできることなんて何もないんです」

このままの人生じゃ絶対に後悔する。29歳の頃、そんな青臭い思いで安定した会社を辞め、何の保証もないままピンときた場所へ飛び込み働き出した。でもすぐに上手くいくはずもなく、自信を失いかけていた頃「私にできることなんて何もないんです」と、友人にポロっと言った時だった。

「仕事って、お互いのできることを交換することなんじゃない?」
そう言われ、ハッとした。

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WHY DO YOU HAVE TATTOOS?

WHY DO YOU HAVE TATTOOS?

デンマークに来る前、東京でルームシェアしていたのがタトゥーデザイナーのoppner だった。彼女はアメリカ・ポートランドのタトゥー文化に影響を受けて、『タトゥーとは、体が変わろうと人生を共存できる最高の励ましであって永遠のジュエリーである』という新しい価値観を持って仕事をしている。そんな彼女と一緒にいたこともあって、私もタトゥーカルチャーには興味があった。日本ではまだまだネガティブなイメージが大き

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人間らしく働ける、ドイツの働き方

人間らしく働ける、ドイツの働き方

7月にデンマークを出てから、ハンブルク、ベルリン、ライプツィヒと、転々と旅をしていた。その間、労働ビザやアーティストビザでドイツに住んでいる日本人の方たちとたくさん会えて話ができたのだけど、そこで知ることになったのはドイツと日本の働き方の違いについてだった。

飲食、病院、大学の研究室、表現やアートの世界に至るまで。驚くほぼ全員が口にしていたのは「日本よりも働きやすい」という話だった。

日本でも

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何かをつくることは、世界を理解できるようになること

何かをつくることは、世界を理解できるようになること

何の資格も取れない。仕事に直結するわけでもない。英語をメインで勉強できるわけでもない。
フォルケホイスコーレって、そういう学校だ。
半年間もの間そんな学校へ行って、私は一体何を得たんだろう?

学ぶことは、世界が見えるようになること

「こんにちは」と「おはよう」と「ありがとう」。恥ずかしながら、私はそれくらいのデンマーク語しか知らないままデンマークに来た。当然最初はデンマーク人のみんなが何を話し

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助け合うから、2つ以上の仕事を持つ

助け合うから、2つ以上の仕事を持つ

2月頃のこと。私の学校でデンマーク語コースの先生をしているAnddersの姿をしばらく見かけないことに気付いた。
友達に「なんで最近Anddersは来ていないの?」と聞くと、「彼の奥さんが出産したから1ヶ月育児休暇を取ってるのよ。その間代わりの先生が来てるの」と言われた。

正直言って、私は少し驚いた。日本でも男性の育休を耳にするようになってきたとは言え、自分の周りで実際に1ヶ月間もの間育休を取る

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結果を見てるんじゃない、プロセスを見てるんだ

結果を見てるんじゃない、プロセスを見てるんだ

デンマークは「世界一幸福な国」と呼ばれているけど、ポジティブなことだらけ!なんてことはなく、当然ネガティブな面もある。それでも、デンマークに住んでみて「これは素直にいい文化だな」「これは日本にもあった方がいい文化だな」と思ったことがいくつもある。

中でも特に素晴らしいなと思ったこと。それは「何かを表現した人」に対して全力の褒め言葉を贈ることだ。

例えば、学校では毎朝先生や生徒がひとつのトピック

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デンマーク人が幸せなのは、日本人と幸せの前提が違うから

デンマーク人が幸せなのは、日本人と幸せの前提が違うから

私がデンマークに来た理由はいろいろあるけど、「なぜデンマークが幸福な国だと言われるのか、実際にこの目で見て知りたい」ということも理由のひとつだった。

高い税率の代わりに教育費や医療費が無料だから?男女平等で女性が働きやすく、子育てもしやすいから?
そういうことも一因だとは思う。

でも私がフォルケホイスコーレで生活していて気付いたのは、「デンマーク人はそもそも"幸せの前提"が私たちと違うのでは?

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私たちはものすごくバランスの悪い社会を生きているのかもしれない

私たちはものすごくバランスの悪い社会を生きているのかもしれない

日常の中でさらりと社会の話をするデンマーク人

全寮制のフォルケホイスコーレでは夕食後も毎晩何かしらイベントがある。みんなで映画を見たり、エクササイズをしたり、パーティーがあったり。

この間はジェンダーの問題について話し合う会があった。
企画したのは女の子で、参加したい人だけ参加してねっていう会だったけど普段ヤンチャそうな男の子も、校長先生も参加した。みんながひとつのテーブルで、1人1人が考える

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