記事一覧
2020.08.14 短歌
引っ越しの扉を開けて立ち止まる裸足の一首は呼吸をしている
2020.08.13 短歌
残像が降るひらひらと紙片の姿で消えていく 致命傷
道端の隙間で咲く百合 凛として俯きながら黙祷をする
永眠の蝉が放置死すひと夏の寿命が転がるアスファルト
仕留めてやると云いながら時流マスクに手懐けられて、汗の夏
エアコンの膨大な放水で冷やしてく望郷の人工西瓜
バックハンドでライナーを捕る腕の強度に感嘆の声をあげる
君の沿う指に翻弄の異界が研ぎ澄まされていくのでした
焦らさない慣れた手