日射しがいちばんあたたかな昼過ぎ、湖のほとりは散歩の折り返し地点。 泡立つ炭酸水と新書を包んだスカーフを広げ道草読書タイム。 新涼の一冊 【野蛮な読書】 ああ…
夏は黄昏の幻想 夏は真っ新な純情 ひかりが生む暗がりに キミとワタシ キミの体温で 蘇るノスタルジー 溶けるアイスキャンディー 流れ流され惚けている間にふたり 忍び…
雨の音に感動する 洗濯機の音はキライ でも、雨の音と混ざると悪くない。
川面に散るそれはまだ柔らかで痛みのないうつくしい花びら 波も立たない静けさに満ちた水面 一葩一葩、ひとときのためらいもなく花びらは落ちていく 重なり合い膨…
7/7 七夕 天の川を背景にこの夜、男と女が、もしくはそれさえも越えた言葉による問いが介入しない尊い逢瀬が、数えきれないほどに交わされたことだろう。 織姫は…
『大人の絵本』 を買った。 読む前にこれから年月をかけて爪跡を刻み、食べてしまいたくなるほど甘やかに香っていくことだろう古書へのはじまりを祝して。 歓迎の証…
一秒ごとに暗闇が深まる 溶け落ちてしまいそうに麗しく爛れた月が 怪物の瞳のように胡乱に輝く夜 乱れたシーツに肌を隠して 舌で上あごに文字を書く 誰にも…
まだ雨も降っていないのに建物の壁や街路樹の葉の震え、交差点にあふれる人々の顔、すべてがどこか潤んで見える。 所々光の筋の混じる灰色の雲がゆっくりと街を 覆いは…
Misaki
2016年9月4日 00:46
日射しがいちばんあたたかな昼過ぎ、湖のほとりは散歩の折り返し地点。泡立つ炭酸水と新書を包んだスカーフを広げ道草読書タイム。 新涼の一冊 【野蛮な読書】ああ、これはまたなんとエレガントかつ野蛮なエッセイ。言葉による手引きに読み込むほどに誘発されてページをめくる手を止められない。止まらない。読む事に真剣、なのではない。この著者の冷静さと野蛮さを交ぜあわせた良質な言葉の緩急が生む歪
2016年8月20日 07:37
夏は黄昏の幻想 夏は真っ新な純情ひかりが生む暗がりにキミとワタシキミの体温で 蘇るノスタルジー 溶けるアイスキャンディー 流れ流され惚けている間にふたり忍びごとささやく虫の声 はにかむ逢瀬に隠した下心今夜棘さして 伝わる微熱がはがゆい悩ましいヒト一糸も纏わないで野暮はなし小指が結ぶ 適切な体温だけを たぐり寄せたいの朱き唇褪せぬ間に 夏よ 夏よ蟬時雨
2016年7月12日 17:17
2016年7月12日 12:53
川面に散るそれはまだ柔らかで痛みのないうつくしい花びら 波も立たない静けさに満ちた水面 一葩一葩、ひとときのためらいもなく花びらは落ちていく 重なり合い膨らんだ塊を追いかける子ども 石を投げてみたり、小枝でかき回してみたり ほんのちょっとのいたずらにも乱れることなく ふたたび花びらはゆるやかな流れに巻き込まれていく ゆらゆらと互いに重なりあい 連なって
2016年7月9日 06:06
7/7 七夕 天の川を背景にこの夜、男と女が、もしくはそれさえも越えた言葉による問いが介入しない尊い逢瀬が、数えきれないほどに交わされたことだろう。 織姫は彦星と。ワタシは歌の女神と。お七は左兵衛さんと。sexはloveと**星空のライブⅨ **人間の声ってこんなにも精巧に弦楽器のように響くんですね。大袈裟でなく、なにか音楽と言葉に対する大切な印象を得た気がしまし
2016年6月25日 13:57
『大人の絵本』 を買った。 読む前にこれから年月をかけて爪跡を刻み、食べてしまいたくなるほど甘やかに香っていくことだろう古書へのはじまりを祝して。歓迎の証に本を開きプロローグに顔を埋め、新しい紙の香りとまだキズひとつついていない硬くざらりとした紙の感触を愉しむ。 下記はそんな酔いどれオンナが満月の夜に勢い余って書いた戯言である。 昔から本棚にあったの、と鼻に掛けて言い
2016年6月14日 16:53
一秒ごとに暗闇が深まる 溶け落ちてしまいそうに麗しく爛れた月が 怪物の瞳のように胡乱に輝く夜 乱れたシーツに肌を隠して 舌で上あごに文字を書く 誰にも見つからない 私の唾液と秘密 煌々と燃える星 喪に服す獣 エナメルの爪を尖らせ 暗闇の歪みに愛の言葉を囁く満月がすぎるまで
2016年6月14日 12:58
まだ雨も降っていないのに建物の壁や街路樹の葉の震え、交差点にあふれる人々の顔、すべてがどこか潤んで見える。 所々光の筋の混じる灰色の雲がゆっくりと街を覆いはじめた。 「雨の匂いがする。」隣を歩く君が前触れもなく立ち止まり空を見上げ、二人の距離でしか聞こえないくらいの小さな声で呟いた。 しばらく夜を超えて、また日が昇ると君は街を出た。 暗い雲は街の影を吸いとり少しずつ膨れ上