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最近観た旧作の感想メモ(2022年3月)

山ほど旧作を見ているが、デカく語る感じにもならない、ならばいっそノンジャンルで旧作の感想をメモれるnoteを創ろうということで今月から。


アンダー・ザ・シルバーレイク(Amazon Prime、U-NEXT)

これ途中まで信じられないくらい面白くてワクワクした。脱出ゲーム的なスリルを、陰謀論と狂気をまじえて演出した素敵な枠組み。終盤は、なるほどそっちかぁとなる展開なのだけど、妙な説得力もあり虚無感が満タンに。箱庭のような世界で混乱し続けるアンドリュー・ガーフィールド、スパイダーマンを演じてきたとは思えない児童への暴力シーンは笑うしかなかった。


黒い家(U-NEXT)

凄い作品を観ていなかったんだな、、とホラー基礎のなさを思い知る。今まで観たホラー映画の中で1番怖かったかもしれないな、、どんどん腹の底が冷えてくる感じがパソコン上で観ててもヤバかったんで映画館で見てたらどうなってたんだろうと。あの行為を恐怖として捉える手法とか、不快感と背筋凍る感じを同居させてずーっと嫌な映画だった。90年代のド級の名作だ。



象は静かに座っている(Amazon Prime)

中国映画。4時間にわたる作品で、4人の登場人物が遠く離れた動物園にいる象を観に行くというあらすじ。象を観に行こうとするまでがとても長いのだけど、丁寧にじっくりと4人の抱える行き詰まり感を描く。象という巨大で穏やかなようで獰猛な生命のモチーフがどんどん妙に魅力的に思えてくる。人物の後ろを追うようなカメラワークと長回しも相まって、どろりとした絶望感があった。監督はこの作品を撮った後に自殺をしたという。アジカンの『プラネットフォークス』の記事を書きながら観ていたので、彼になんとかこのアルバムが届きはしなかったのかと思ってしまったりもした。どんな絶望もすんでのところで、なんとかできないかと思ってしまうのは職業病か。


ロマンスドール (Amazon Prime、U-NEXT、Netflix)

タナダユキ監督の中でも1番の作品じゃないですかね、、ラブドール職人とその妻による数年間の恋の物語。ラブドールに対しての後ろめたさが最終的に、美しく前を向くための一歩に移り変わっていく流れが見事だった。傍からどう見えるか、を考えなくなった人間が一番格好良いんだと思う。真っ直ぐなラブストーリーとしても、お仕事モノとしても上質だった。ピエール瀧がしょっぴかれてしまったシーンは笑えないけどやっぱり笑ってしまった。


ピエロがお前を嘲笑う(現在配信なし)

どんでん返しモノを求めている時期に、どんでん返しを求めて見たら見事にどんでん返ししてくれた作品。どんでん返しを求めて見ちゃうと、どうどんでん返ししてくるのか、と散々身構えてしまうので良くないし、実際当たってしまうこともあるんだけど、これはなかなか見事に、裏の裏の裏までかかれましたね、、、これくらい世界観にまとまりあると、ただ裏をかくことだけが目的の作品にならずに済んでスマートなものになるんだな、と。



12モンキーズ(Amazon Prime、U-NEXT、Netflix)

モンティパイソンの戯曲の公演を観てからずっと気になってたテリー・ギリアム作品を初めて観た。ブルース・ウィリス演じる未来人が、人類殲滅を食い止めるべく過去の世界で奔走する話なのだが、そりゃ真正面からそんなことを言ったらそうなるだろう、という展開を丁寧にやってて面白かった。ストーリー展開も見事、だけどやっぱり昔の映画だな、と思うほかないラブストーリー要素だとかがややうるさかった。ブラピがイカれててよかった。



かそけきサンカヨウ(Amazon Prime)

我らが今泉力哉監督の昨年秋の作品。家族について、特に父と娘という関係性を描いていてとても新鮮な作風だった。複雑で行き場のない想いを描いているのだけど、出てくるみんな良い人なので爽やかに観ることができた。鈴鹿央士がとても良かった。なんでしょう、あの誠実だけど不可思議な眼差し。あと声が素晴らしい。向こう数年は、朴訥青年枠は彼の独壇場かも。


目覚めれば シーズン1(Netflix)

ポーランドのNetflixドラマ。海外ドラマはSF寄りのミステリとかやや陰惨めなサスペンスを多く観てるけど、また宗教かい、また精神病かい、となるケースも多く。そんな中、なかなか突飛だけどユニークなアイデアで夢と現実を溶かし、そこに科学ミステリの要素も混ぜ込んでいた。まぁ、シーズン1でようやくスタート地点に立った感じなんで続編期待してるのだけど、容赦なく終わらせるのがNetflixだとも思っているので、、薄っすらと願っておく。




ゴジラS.P<シンギュラポイント>(Netflix)

ゴジラとはほどほどの距離感をもって色々観てきたけどこれすごく面白かった。並行世界モノとして、ちゃんと理屈をもって怪獣の存在を説明しようとする感じ。これは最近観た「平成ガメラ」シリーズにも通ずる、空想科学フィクションとして最適なフォーマットだった。ほのめかしのある最後だったんで今後にも期待。こういうの観ると、怪獣と"異宇宙からの使者"というモチーフはすごく相性が良いのだと思う。白石晃士監督とか、このテイストでガメラシリーズをユニバース化していってくれはしないだろうか、とか。


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