城田陽郁

元小学校教員。教員不足のご時世、周囲が再任用などで現場に残る中、わがままにも2023年…

城田陽郁

元小学校教員。教員不足のご時世、周囲が再任用などで現場に残る中、わがままにも2023年3月で37年勤めた学校を定年退職。この後の人生で、どれだけ自分のために時間を使って幸福感を味わえるかに挑戦することに。それから、時々は「教育」や「学校」を、離れた立場で見直してみたいです。

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定年教師の独り言vol.1「子どものため」は魔法の言葉?悪魔の囁き?

 37年間勤めた学校を定年で辞めた。教員不足のこのご時世、多くの同期が再任用教員として現場に残る中、わがままな辞め方をした。  定年で辞めることは、数年前から決めていた。自分の年代は65歳からしか年金は出ないので、全く働かないわけにはいかない。それでも、「学校」には残らないと決めた。  現役中は、全力で職に向き合った自負はある。夜であっても土日であっても、「子どものため」とあれば懸命に対応をした。学校で朝を迎えたことも何度かある。そのこと自体に悔いはないのだが、少しずつ違

    • 定年教師の独り言Vol.10 「教師のスーツは膝からヘタる」

       新しい年度、クラスがスタートした頃だ。桜の色合いや街の暖かさも相まって、やはり希望に満ちたワクワク感に包まれる。  毎年この時期に、何かと新調する先生も多いのではないだろうか。鞄、靴、スケジュール帳、文具類…様々あるだろうが、自分は、スーツを新調することが大好きだった。 変な習性とは思うのですが…  自分の場合、曜日によって着ていくスーツを決めていた。月曜日は、少し重い気持ちにハッパをかけるようにお気に入りの、金曜日は、週休前なので柄の入った華やかめの…といった具合に。

      • 定年教師の独り言Vol.9 「どこまで必要?子どもの監視」

        そもそも自分が時代遅れなのかも…  昭和の末に始まり、平成から令和に奉職していた元教師の感想です。そもそも時代遅れなのかもしれません。不快に思った方は読み飛ばしてください。 本題です  春休み最後の日。ベンチにいた親子。母親が小学校高学年くらいの男の子を置いてどこかへ。用事を済ませに行ったのか?男児はタブレットに夢中で気にも留めない様子だったが、傍にはスマホがスタンドにセットされていた。憶測だが、一人になった間の男児の様子を録画しているのか、あるいは離れたところからモニ

        • 決行!お伊勢参り

          「雨か」…  3月末、妻の仕事終わりを待って夕刻に出発した。地元は快晴。しかし目的地の伊勢はこれから雨予報。我々夫婦は恐ろしく天気運が悪い。しかも、高速に乗ったと思ったら事故渋滞に巻き込まれる。新車の自動運転機能がなければ、とっくに気持ちが切れていたところだ。予定していたSAより随分手前で仮眠をとることにした。ここまで8時間。  4時間ほどうつらうつらしただろうか。車を叩く雨の音で目が覚めた。予報的中だ。早朝の薄暗さに加え、雨の幕が広がっている。不安はあるが、ナビの案内はあ

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          定年教師の独り言Vol.8 「ほんのちょっとだけ…」

           最後の勤務校から、卒業式の案内が届いた。当日、たまたま仕事が休みだったので、迷いはしたが出席することにした。およそ1年ぶりの学校だ。  玄関に入るなり、卒業生と遭遇した。「あっ城田先生やん!」声を上げた子は、去年まで関わり続けた子だ。授業に集中できず教室を抜け出してしまう。勝手に空き教室に入り込み、好き放題を繰り返していた子の一人だ。 「卒業おめでとう」そう声をかけると、「ありがとうございます!」と、返ってきた。その、子どもらしい素直な表情で、自分が学校を離れたのち、この

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          初恋はスクリーンの向こう

           テレビで、ドリフや欽ちゃんのコントに大笑いし、登校したらその話題でもちきりの時代、自分は映画にどハマり中。だから周りから少し浮いていた。きっかけは映画雑誌。当時「スクリーン」と「ロードショー」が2大書で、確か¥400ぐらいの値段だったが、当時の中学生には高価なものだった。大判の写真が満載で、外国の映画スターがキラキラした笑顔で微笑んでいる。トレーシーハイドのその笑顔に、単純に堕ちた。  彼女が出演する「小さな恋のメロディ」は、おそらく映画館で20回以上は観た。当時、客は入

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          お伊勢参り

          宗教にこだわりはないのですが  子どもの頃から、神社で遊ぶのが好きだった。ひんやりした境内。田舎の古い朽ちたような建物でも、何だか不思議な力が宿っているように思えた。  お寺や教会も大好きだ。複雑な装飾や、伝統の技法を目の当たりにすると、時間を忘れてしまう。建物の大小は関係ない。とにかく、オーラを感じるのだ。  家は仏教だが、自宅に神棚はあるし、お地蔵様も祀っている。自分自身はカトリック系高校、プロテスタント系大学に進学した。宗教にこだわりがあるわけではないが、それらが持つ

          お伊勢参り

          定年教師の独り言 vol.7 「初めてのクレーム」の巻

           noteに出会って3ヶ月。書くのも楽しいが、やはり「読む」ことで刺激を受ける。学校から離れると宣言してnoteを始めたのに、気づけば「学校」「先生」などのkey wordで読んでしまっている。染みついたものはそうそう抜けないということか…。開き直って今回は、教師だった頃の思い出話を… これがクレームか…  紆余屈折あってようやく教師となった頃、2年続けて中学年を受け持った。その間、夢中で走っていたからか余裕がなく気づかなかっただけなのか、所謂「クレーム」を受けた自覚がな

          定年教師の独り言 vol.7 「初めてのクレーム」の巻

          定年教師の独り言vol.6 災害時に思う 「自分にできること」とは…

           自然災害から始まった2024。こんな時、自分に何ができるだろう…と考える。多くは考えているうちに時が経ち、結局何もできずじまいのことも多い。  数年前。近県で大水害が発生した。死者、行方不明者も出た大規模災害で、そこは2ヶ月後、勤務校の修学旅行予定先だった。修学旅行は実施できるのか、変更した方が良いのか…考えた末、土日を利用して、状況を確認に行くことにした。  災害から数日経った現地は、すでに道路が整備され、車の通行に支障はなかった。だが、街全体が土色をしている。ここが

          定年教師の独り言vol.6 災害時に思う 「自分にできること」とは…

          天国からの「年賀状」

          「もうあの年賀状は届かないんですね」  父の急逝は家族のみならず、父を知る多くの人も驚きだったようだ。通夜や告別式にきてくださった方々が口を揃えて仰ったのは、父からの年賀状が途絶えることの残念さだった。  父といえば年賀状。多いときにはおそらく1000通は超えていたろう。表書きは毛筆。裏書には共通の文言のほかに、一人ひとりに合わせた内容がぎっしりとペン書きされていた。数年前からさすがに表書きが辛くなったようで、パソコン教室に通いプリンタ出力に代ったが、裏書は直筆。年賀状を

          天国からの「年賀状」

          陰膳

           年は明けた。親戚で食卓を囲み、新年用の料理も並んだ。いつものように見える光景も、例年と明らかに異なることがある。料理が母の手作りではないこと。そして、いつもの席に、父の姿がないこと。  91を迎えたひと月後、父は倒れた。少しだけ記憶が怪しくなったことと耳が遠くなったことを除けば、年齢を感じさせないほど健康で元気だった父は、一気に弱った。それでも懸命にリハビリに取り組み、半年で自力で歩けるようになるまで回復を見せた。そしてそのことで、誰もが安心しきっていた。  母の大声で

          頭の中ではすでに完成! 「妄想VEZEL」

          今年最大の「買い物」  さてさて、今年もあと数時間。今年いちの買い物を振り返ってみることにした。 既出情報ではあるが、9月に新車を購入した。Honda VEZEL 経緯はこちらで  世はまさに納車氷河期。9月初めに契約したが、納車予定は2月初旬と告げられた。およそ5ヶ月待ち。長い!モチベを維持できるか?これも既出だが、ダウングレードし、オーディオレスにして、好みの車に仕上げるのが自分流。 先生は「YouTube」  何とかモチベーションを保つべく、完成形をシミュレート

          頭の中ではすでに完成! 「妄想VEZEL」

          今年一の「やってみた!」それは、noteに挑戦(チャレンジ)

          もともと興味はあったんです  「note」という単語には度々遭遇していた。芸能人のインスタなんかでも「noteに書いてます。」なんて出てきていたし…しかし、一体なんぞや?の域から進めないまま日々が過ぎていた。そんな中、12月3日、毎週欠かさずチェックしている「がっちりマンデー!!」に、noteの加藤CEOが出演するとの情報。絶対観なくっちゃ。  この日は仕事だったため、録画セットし、帰ってからゆっくりチェックすることに。 やりたいことが「がっちり」一致!  放送を見て、

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          捨てられない「アレ!」皆さんどうしてます? 自分なら、こうする!

          「子どものもの」って捨てられない  年末の大掃除シーズン。今年も、キャパオーバーの荷物を右から左に動かすだけでお茶を濁そうとしている自分がいる。毎年のことながら頭を悩ますのが「子どものもの」 子供部屋のロフトにうず高く積まれている、幼稚園の頃からの「作品」、6年間を共に過ごしたランドセル、中高の部活グッズ、教科書や参考書…それが4人分だ。  今では全く使われておらず、子どもたちは「捨てていいよ〜」と、あっさり言う。しかし、親としてはどれも思い入れがあり(子ども達の成長過程が

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          定年教師の独り言vol.5 「33年ぶりの手紙」

           「教師」という仕事を離れて早9ヶ月。先日、小6時に担任した女児から、思いがけず手紙をもらった。女児と言っても今は40代半ばのはずだ。卒業から33年が経っている。  退職間際の教育界は、「目標管理制度」の中にあった。年度当初に数値目標を立て、上司や設置者に進捗を報告しつつ、最終的な達成状況で評価される。「仕事」の評価としては至極当然のことではあろうが、自分には違和感が拭えなかった。「人が育つ」というのは、関わったらすぐに結果が出る…という類のものではない。  幼保や小学校

          定年教師の独り言vol.5 「33年ぶりの手紙」

          定年教師のぷち贖罪 これからは自分と家族のために時間使うぞ!其の壱 「車買いました②」

          前回noteからの続き …と、このnoteを公開しようと思っていた矢先、D社の検査不正ニュース!どうか飛び火しませんように。 VEZELに至るまでの車遍歴  10台中4台が欧州車。残り6台の国産車はHondaだけだ。子どもの頃、我が家に車はなかったので、親戚の叔父ちゃんが乗っていたBeetleにむちゃくちゃ憧れた。「大人になったら絶対に買うぞ!」この夢は就職と同時に叶えた。ただ空冷のキャブエンジンは取り扱いが難しい上に、PTAから「教師のくせに」「音がうるさい!」と苦情が

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