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共感的映画論◌映画『ディア・ハンター』(1)
1973年のベトナム戦争の終結後も、この戦争を扱った映画が、数多くアメリカで製作された。
その多くは、アメリカ側からの視点で描かれたもので、そのような指摘もなされた。
1979年に公開された映画『ディア・ハンター』もそのひとつだが、この映画を、登場人物のひとりである「ニック」という人物に焦点を当てて観てみると、そこには、そうした視点といったものを超えた、人間というものの悲劇が浮かび上がる。
共感的映画論❍映画監督 ウディ・アレン
ウディ・アレン(woody allen)が監督した映画のほとんどは、皮肉とユーモアをちりばめた、いわゆる、コメディ映画である。
彼にとっては、人間というのは、”コメディ”としてしか表現のしようのないものなのかもしれない。
そして、撮影カメラをのぞく彼の眼は、恋愛や家族といった親密な関係において、どうしようもなく誤解や対立、憎しみ、孤独を深めていく、ひとりひとりの人間の姿を縁どる悲しいまでも