shiro

太平洋の反対側で見つけたニュースを日本へ送り続けている渡米生活15年強の気象予報士です…

shiro

太平洋の反対側で見つけたニュースを日本へ送り続けている渡米生活15年強の気象予報士です。 ニュース原稿に盛り込まれなかった面白い情報を どこかから発信できないものかという思いでnoteを始めてみました。

最近の記事

  • 固定された記事

はじめまして

shiroと申します。天気屋です。 気象予報士資格が始まった年に業務命令で資格を取得、 後々自分の人生をこんなに助けてくれるものになるとは 当時予想もしませんでした。感謝です。 キー局早朝枠で一番最初の予報士キャスターでもありました。 住み慣れた東京の下町を離れ、 米国西海岸行きの飛行機に乗ったのが2006年早春の事です。 当時は”シリコンバレー”って呼んでるのは日本人くらいで 世の中には通用しないよと言われたものですが、 あれよあれよという間にエリアが発展し、 今で

    • 35%の日食

      アメリカの一部では皆既日食が見られました。 今年は皆既日食が見られるアリゾナ州やテキサス州からずっと北のカナダまで 天気が優れず 予報は8割以上が曇り。 週間予報が出た頃からその話題で盛り上がっていました。 何ヶ月も前から世界中の人たちが飛行機を予約して 日食帯のホテルも潤っている状態でしたから そりゃあ天気が気になりますよね。 結局当日は 雲間から見られた所も多かったし (日食の最中は対流が減って雲も減るのです) 曇り空でも辺り一面が暗くなる様子が体感できて どこもそ

      • 珍しいところに出来ちゃったストーム

        ブラジル沖にストームAkaraが発生しました。 この低気圧は発達すると同時にどんどんと熱帯の性質を帯び 台風などと同じ熱帯低気圧に変わりました。 亜熱帯から熱帯に変わるとかその逆はよくある事です。 日本付近の台風もよく温帯低気圧に変わりますね。 ブラジルあたりには収束帯が出てじゃんじゃん雨も降るので そんな珍しくも感じないのですが こちらをご覧下さい。 これはWMO(世界気象機関)により定められた 世界中の熱帯嵐の監視担当区域です。 画面右下のブラジル沖は空白 つまり

        • 時間はかかったけどなんとか確定申告終了

          1月の地球の平均気温が観測史上過去最高との発表がありました が、今日は頑張って気象から離れた話題です。 #確定申告やってみた というのを見つけたので、先日の私の体験談です。 今年確定申告をしなくてはいけないけど その時期は日本にいない! 日本の税金の知識はまるでない。 そんな私が申告終了するまでの行動を羅列します。 参考になる人はいるだろうか? まずやった事はこちら。 税理士さんやら会計事務所に見積もりを取る できる事なら専門家に任せよう、日本にいないし。 いくつか

        • 固定された記事

        はじめまして

          隆起した能登半島の画像 (NASAの特集より)

          能登半島地震により被災された皆様に 心よりお見舞い申し上げます。 アメリカのNASA(アメリカ航空宇宙局)は さまざまな衛生画像を撮影しています。 煙のように幻想的な宇宙の星たちの画像以外にも 地球を映したもの沢山あって 毎日厳選した写真を掲載しているページがあります。 そこに能登半島の地形の隆起した様子が 特集記事として組まれていました。 カリフォルニア工科大学のデータをベースに 作成された図です。 赤い部分が大きく隆起した部分。 最大で4メートルとの事です。

          隆起した能登半島の画像 (NASAの特集より)

          天気が怖くて警察を呼んでみたら

          「逮捕されました」 アメリカのアラバマ州で今月本当にあったお話しです。 外の天気が荒れていて家の中にいても怖い! 誰かにそばにいてほしい! そんな気持ち、わかりますよね。 警察を呼んだのは30代の女性 この日は特に天気が荒れていて アラバマ州では なんと14ものトルネードが確認されました。 それは怖いです! ただこの女性は 泥棒が来たから早く来てと 警察に嘘をついたそうで それで逮捕に至ったようです。 ちょっと同情してしまったニュースでした。 タイトルの写真は n

          天気が怖くて警察を呼んでみたら

          空の高〜い所に出る真珠母雲が大発生

          私たちが空を見上げて見る雲は 地球の対流圏に浮かぶ雲です。 大気の9割は対流圏にあって その上の成層圏や中間圏、熱圏は 天気現象はあまり起こりません。 ところが、そんなおだやかな成層圏にも 稀に雲が現れます。 それが真珠母雲 (極成層圏雲・Polar Stratospheric Clouds)です。 この雲は 成層圏の気温がものすごく低くなった時に発生します。 水が凝結して雲を作るのは−85度以下だそうで それが17日にスウェーデン上空で 大量に発生しました。 (NAS

          空の高〜い所に出る真珠母雲が大発生

          今私たちは、地球にとって最も暑い1年を経験している・・・

          ・・・と言ってももう過言ではないようです。 2023年は これまでで最も気温の高い1年になりそう。 少し前から専門家のみならず 国の気象機関が時折口にしてきました。 今日はイギリスのメットオフィスがこんなブログを。 今年の地球は観測史上1番の暖かさになりそう。 これは人間活動とエルニーニョが原因。 イギリスは1850年からその月の気温を記録しています。 でもまだこれは ”なるだろう”という 未来形の表現です。 もうひとつ 今日、有力な発表が。 昨年11月から今年

          今私たちは、地球にとって最も暑い1年を経験している・・・

          嵐のシーズン・フィナーレ

          ジャニーズの話ではありません。 台風やハリケーン、サイクロンは熱帯生まれの嵐です。 気温の高い時に活動が活発になるのはご存知の通り そろそろ活動の中心は南半球へ移る頃。 そんな秋の深まる北半球なのに ここ1〜2週間は 大忙しでした。 太平洋の東側に初めてカテゴリー5のハリケーンが上陸 メキシコのアカプルコ周辺に ハリケーンOtis(オーティス)が上陸しました。 Otisが最強のカテゴリー5で上陸するとは 誰も予想できませんでした。 最近は予報精度が上がって 低気圧

          嵐のシーズン・フィナーレ

          世界でも記録づくめの残暑

          世の中はすっかり10月です が、まだ暑いですね。 夏の暑さも大変でしたが 今年は秋の暑さが際立っています。 今、暑いのがヨーロッパ。 10月最初の3日間で 国の10月の最高気温記録が 少なくとも5カ国で塗り替えられました。 地点ではなく国全体の中での1番です。 スペイン、フランス、オーストリア、ポーランド ここにはありませんがラトビアもです。 38度を超えたスペインでは10月には初めての高温注意報が出されました。 ヨーロッパは9月の気温も高かった。 観測史上最も暑い9

          世界でも記録づくめの残暑

          洪水でワニが裏庭にやってくるという騒動はけっこうあるみたい

          頻繁に更新しているつもりのnoteですが 気づいたら一ヶ月以上も書いていませんでした。いかん、いかん。 台風シーズンはやっぱり忙しい。 近頃は予報精度が上がったので嵐の発生前から大騒ぎ。 リビアに大惨事をもたらしたものは メディケーンという地中海のハリケーンで リビアの前にもギリシャやトルコ、ブルガリアに豪雨をもたらしました。 これも発生前から注目されていたものです。 今、アメリカとカナダ国境付近に上陸目前のハリケーンLeeも アフリカ沖で発生前から話題のもので 9月に入

          洪水でワニが裏庭にやってくるという騒動はけっこうあるみたい

          台風の最終情報電文が文学的だった

          沖縄や西日本に長い間 大荒れの天気をもたらした台風6号は 韓国に上陸後も様々な被害をもたらし 北朝鮮でようやく熱帯低気圧に変わりました。 台風はハワイのパールハーバーにある 合同台風情報センター(Joint Typhoon Warning Center)でも 随時モニターされ 刻々と予報情報が発表されていました。 それがこちら。 私たちはこの情報を電文と呼んでいます。 たぶん昔の電報時代からの定型フォーマットで とても色気のないものです。 今はいちいち読みにくい電文を

          台風の最終情報電文が文学的だった

          ミニチュア生け花

          ミニチュア・クリエーター工房てるとさんのミニチュア生け花の会に入会しました! 2センチくらいしかない花器なのに 形や柄が本格的で これはお花を入れてみたいとほぼ一目惚れです。 でも肝心の花器は日本でないと入手できないので 何ヶ月待ったでしょうか ようやくこの夏入手できました! 早速日本で薔薇の実を入れてみました。 やっぱりお花も欲しいわと思い足してみる事に。 鶏頭の茎に葉っぱのようにちっちゃく出ていた花と葉をプラス。 タオル生地の上に置いたので、 この小ささが伝わ

          ミニチュア生け花

          ヨーロッパで1番大きな雹が降ってきた

          今年6月、7月の地球は観測史上最も暑く 人類は前人未到の暑さを進んでいる 地球は沸騰中とのことですが ヒートウェーブ真っ只中の地中海では とんでもないサイズの雹が降りました。 直径19センチの雹です。 https://twitter.com/essl_ecss/status/1683806427834351616 イタリアはベニスの北東70キロほどの地点で 7月24日に確認されました。 イタリアではその5日前にも 10センチ以上の雹の報告が24件以上あり 100名以上

          ヨーロッパで1番大きな雹が降ってきた

          ビルの重さで地面が沈んでいるらしい

          最近 立て続けに都市が沈んでいるニュースを聞いて驚きました。 ひとつ目は ニューヨーク市が毎年1〜2ミリずつ沈んでいるという話。 大きな所では60センチ沈む可能性があるとか。 ニューヨーク市には 100万以上のビルが建ち その重さは全人類の体重のほぼ2倍なんだとか。 1.68兆パウンド、 1パウンドは0.453キロだけど もう計算できないなー。 東京は大丈夫なのかなぁ。 二つ目は シカゴが沈んでいるという論文。 こちらは地中の気候変動に焦点を当てたもの。 一定している

          ビルの重さで地面が沈んでいるらしい

          日本からは遠い火事の話だけど

          水に恵まれた日本にいると山火事にはあまり縁がない。 私もアメリカで 空がオレンジ色に染まるのを体験するまでは割と他人事でした。 世界の衛生画像を見ていると 山火事って実はものすごい数がある事に気づく。 NASAのページでは世界中の火事の様子がほぼリアルタイムで見られます。 https://firms.modaps.eosdis.nasa.gov/map/#d:24hrs;@0.0,0.0,3z このリンクからアフリカを見ると本当に真っ赤っか!なんてこった。 なかなかニ

          日本からは遠い火事の話だけど