静星

東京生まれブータン育ちの21歳。2022年9月からベルギーのブリュッセル自由大学(VU…

静星

東京生まれブータン育ちの21歳。2022年9月からベルギーのブリュッセル自由大学(VUB)で社会科学を学んでます。大学のこと、その日の出来事、考えていること、ふらっと書いてます。エコビレッジ、自然、オルタナティブ・コミュニティ、パーマカルチャーに興味があります。

マガジン

  • 大学生のヨーロッパ旅日記

    ベルギーに正規留学しています。連休や長期休暇はヨーロッパを一人旅するのが好きです。サステイナブル・コミュニティ、エコビレッジ、森、海などによく出没します。

  • ヨーロッパで学ぶ社会学

    ベルギーの大学で社会学を学んでいます。社会学の面白さ、ヨーロッパ生活から考えた日本の社会のこと、社会で感じる不思議やもやもや。分かりやすく、丁寧に綴るのがモットーです。

  • 正規留学、テスト奮闘記。

    ベルギーの大学に正規留学しています。ベルギーではテスト期間が1か月半続きます。進級率は5割程度。ここでは、テスト期間中の習慣、ルーティーン、出来事を綴ります。

  • ベルギー留学日記

    2022年からベルギー・ブリュッセルの大学に正規留学しています。ここでの日々のことを綴っています。

最近の記事

ベルギー留学:黒い森、シュヴァルツヴァルトを歩く. 森の辺境にて

前回・前々回の記事の続きです。 朝7時、フランスとドイツの国境沿いの村、ストラスブールでバスを乗り継いだ。そのまま2時間バスに揺られ、朝9時にドイツのプフォルツハイム(Pforzheim)に到着。黒い森の周辺地域では、大きな町の一つ。 宿には16時にチェックインすることになっている。まだ時間がたっぷりあるから、しばらくプフォルツハイムを散策することに決めた。 バスを降りて新鮮な空気を吸う。4月の朝はまだ少し肌寒い。振り返って、バスの運転手さんに手を振る。 一人旅の時は

    • ベルギー留学:黒い森、シュヴァルツヴァルトを歩く. 出発

      4月1日からの2週間、ベルギーの大学はイースター休暇。ヨーロッパから来ている学生のほとんどは自国に戻って、家族と休暇を過ごす。 「イースターって日本には馴染みがないんだけど、ベルギーでは何をするの?」とルームメイトに尋ねる。 「特に何も。クリスマスよりも重要な行事ではないからね。ただ家族と過ごして、美味しいものを食べるよ。」と返ってきた。 「静星は、日本には帰らないでしょ?何をするの?」 えっとね、と私は答える。 「ドイツの黒い森を歩きに行くの。」 黒い森、ドイツ

      • ベルギー留学:黒い森、シュヴァルツヴァルトを歩く. 序文

        2023年の秋、 初めてドイツのシュヴァルツヴァルト、黒い森を歩く。 11月1日の日記、 フライブルクより。 ―――――――――――――――――――――――――――――― シュヴァルツヴァルト、 黒い森に行ってきました。 「黒い森」という名前が とても神秘的でお気に入り。 地図で調べると、フランスとの国境沿い、南ドイツに細長い黒い塊として存在しています。 森を歩いたのは滞在二日目の朝。 ホステルのあるフライブルクからさらに電車で1時間半、森深くまで入り込みます。

        • ベルギー留学:「3月やりたいことリスト」の振り返り。久々に暮らしの観察日記

          こんにちは、 ベルギーに正規留学している静星です。 あれよこれよと思う間に4月も半ば。 4月上旬の2週間はベルギーの大学ではイースター休暇で、私はドイツへ小さな旅に出かけていました。 暫くSNSで過ごす時間を減らし、 電子機器からも離れるようにしていましたが、 今日からまた授業が再開し、少しずつ大学生活に軸足を戻しています。 さて、今回は、先月書いた「3月のやりたいことリスト」の振り返りをしようと思います。 「1か月のやりたいことリスト」を作ってみて 久々に暮らしを観

        ベルギー留学:黒い森、シュヴァルツヴァルトを歩く. 森の辺境にて

        • ベルギー留学:黒い森、シュヴァルツヴァルトを歩く. 出発

        • ベルギー留学:黒い森、シュヴァルツヴァルトを歩く. 序文

        • ベルギー留学:「3月やりたいことリスト」の振り返り。久々に暮らしの観察日記

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        記事

          ベルギー留学:ディスカッションが苦手だったのに、気が付いたらプロジェクト・リーダーをしていた

          ベルギーのブリュッセル自由大学に正規留学してかれこれ1年半が経ちました。 社会学はリーディング課題が多く、社会問題や哲学分野を扱っているためとにかく読むのが難しい。1年目はなかなか文章が理解できず、けっこう苦しみました。 けれど、それも量をこなせば慣れてくるもの。今では日本語に訳さず、直接原文を読んだ方が理解できることの方が多いです。社会学の知識を深めれば深めるほど、社会の仕組みや人々の行動への理解が増して、さらに学びたいことが広がっていきます。 そんな中、1年目からず

          ベルギー留学:ディスカッションが苦手だったのに、気が付いたらプロジェクト・リーダーをしていた

          ベルギー留学:3月のやりたいことリスト

          こんにちは。 2月は変化の大きい1か月でした。 1月で長いテスト期間が終わり、 2月上旬はイギリスのトットネスを訪れました。 大学に戻ってきたあとすぐに2学期がスタートし、 ポーランドから友達が一週間、ブリュッセルを訪ねて来てくれました。 上旬で飛ばしすぎたのか、 先週は栓を切ったように疲れが溢れて 高熱2日間、数日は頭痛に苦しんで 大学はほどほどに、毎日よく眠りました。 少し回復してきてからは、 日本の友達や現地の友達とキャッチアップ。 高校時代の友人と電話をしたり

          ベルギー留学:3月のやりたいことリスト

          ベルギー留学:1セメスター期末の結果

          ベルギーのブリュッセル自由大学に正規留学しています。 現在は社会科学部の2年生。 ちょうど先月、1セメスターの期末試験が終わりました。 この1年で英語での学習能力がぐっと伸びたけれど、 それでも、今回のテスト期間は一段と厳しいものでした。 「国際政治の歴史」では3時間でエッセイを3つ、 「社会学とクリティカル・ティンキング」では3時間でエッセイを8つ書きました。 1年目は選択問題が多かったので、短時間でのライティングはなかなか慣れません。 先日の記事で、1つ、テスト

          ベルギー留学:1セメスター期末の結果

          エッセイ:「今」の延長線上に

          「静星はいつも未来を見ていてすごい」 しかも、どんなことも前向きに考えて ワクワクするような未来を描いてる、 大学の親友と久々に電話しているとき、そう言われました。 実際には、未来にわくわくするようになったのは、ついこの半年のことだと思います。 未来を前向きに描いているのは、楽観主義者だからでも、未来に淡い期待を描いているからでもなく、 むしろその逆で、 「今この瞬間」を、やっと認めることができるようになったからだと思います。 今この瞬間、できること、できないこと。

          エッセイ:「今」の延長線上に

          詩:Flow of Water

          川の流れに身を任せて漂っていた頃は よく、水の中から空を見上げていました。 空が変化してゆくのは 雲が動いているからか、私が動いているからなのか。 それは、 自分にとって大事なようで、 どうでもいいような、 辿り着きそうで、 はるか遠くにある秘密。 そういうことが不思議でしょうがなくて、 水の中の、音のない世界で 空を見上げては、 遠くまで想いを馳せました。 それでも、 それなりに上手く泳げるようになってきた頃には、 そんなこともどうでもよくなって なにごとも「こんな

          詩:Flow of Water

          ベルギー留学:インターンだって、実績だって、大切なことくらい分かってる。

          最近、周りの友達が「インターン、インターン」と口を揃えて言うようになりました。 「インターンをしないと、卒業後就職できないよ」と。 オランダの大学ではインターンが必須になっているそう。 ベルギーではインターンはプログラムには組み込まれていないから、大学生は独自にインターンをすることになります。 9月から6月までのセメスター中は基本的に勉強が忙しいから、サマーブレイク中の7月と8月にインターンをすることになるのでしょうか。「今を楽しむための挑戦(冒険)」よりも、「未来のた

          ベルギー留学:インターンだって、実績だって、大切なことくらい分かってる。

          ベルギー留学:2年目のテスト期間で初めて諦めたこと

          ベルギーのブリュッセル自由大学に正規留学しています。 今は社会科学部2年生。 気が付けば怒涛の1年目が過ぎ、2年生の1学期も終えました。 私の学部は、2年次への進級率が50パーセントくらい。 その関門を突破するために一年目は朝から晩まで勉強に明け暮れていたけれど、今回のテスト期間は、また一段ときつかった。 やってもやっても勉強が終わらず、朝9時から夜25時までぶっ通しで勉強していました。 けれど、上手く息抜きをしないとストレスも溜まるし、やる気もどんどん落ちます。

          ベルギー留学:2年目のテスト期間で初めて諦めたこと

          エッセイ:Imperfect

          最近、imperfect(不完全)という言葉に 「完全性」よりも、むしろ、 透き通った広い可能性を感じるようになりました. Imperfectは、わたしが高校生の時に ひとつ変化をくれた言葉だったけれど、 ヨーロッパに来て 経験を重ねる度に、 使いこなした皮のように この言葉がやっと自分の手の中に納まってきたような感覚です. 白と黒、 善と悪、 敵と味方、 勝と負、 そういう、極端の世界の間に広がる 不完全な空間が もっと人を強く、柔らかく、してくれるのかなと. 今年

          エッセイ:Imperfect

          エッセイ:今年はこんな文章がかけるといいな

          1月は、自分で文章を書くこと、 誰かの文章を読むことがけっこうあったけれど、 どんなに語彙や表現力が豊かでも、 けっきょく、私が惹かれるのは、 ありふれた日常を丁寧にくみ取って 素直に、シンプルに 表現している人であるような気がします。 シンプルって、実は一番むつかしい。 自分の目線から捉えた日常を素直に表現することは、とても勇気がいります。 だからこそ、そんな文章に、私は憧れるのです。 文化、暮らし方、考え方、時間の使い方、 表面的な違いを超えて、

          エッセイ:今年はこんな文章がかけるといいな

          ヨーロッパ旅行記11:別れ

          6月25日、パリのカフェにて。 25日朝、別のホステルに泊まっていた親友と合流して 遅めの朝食を兼ねてカフェに向かった。 彼女は午後、ヨーロッパを経つ。 ヨーロッパ旅を終えた彼女はネパールの村に一か月滞在して日本に戻り、大学に復学する。 まだ旅を始めたばかりの私はこれからフランスをゆっくり南下し、 ボルドーでベルギー人の彼と、彼の家族と合流して数日過ごす。 これからの旅も楽しみだけど、まだここにいて親友と話していたいな、という気持ち。 アイスのカプチーノを片手に、フラン

          ヨーロッパ旅行記11:別れ

          ヨーロッパ旅行記10:真夜中のアクシデント、結末.

          6月24日、パリのホテルにて。 深夜0時過ぎ、 親友がホテルのスタッフ2人に囲まれながら懸命に状況を説明しているところに、 同じくホテルに滞在していた他の宿泊者がやってきた。 「これ、もしかして彼女のですか?」 と親友を指しながら、日本のパスポートと小さなポーチを見せた。 「あぁっそうです!良かった!」 という彼女の声が、少し離れたところで見守っていた私の元にも聞こえてきた。 パスポートとポーチは、ホテルの前の道路を少し歩いたところに落ちていたらしい。 現金とクレ

          ヨーロッパ旅行記10:真夜中のアクシデント、結末.

          ヨーロッパ旅行記9:真夜中のアクシデント2.

          6月23日、パリのホテルより。 我に返って彼女の持ち物を見回すと、 確かに、さっきまで親友が肩にかけていたバックが見当たらない。 念のためバックパックの中や通路、近くの窓の隙間も探してみたけれど、やっぱり見当たらない。 「きっと、さっき一瞬だけ受付のスタッフと話すために荷物を離れたときに盗まれたんだ!」 サーっと血の気が引く。 出入り口には警備員がいるし、監視カメラもある。 こんな小さなロビーで盗難に遭うなんてあるわけない、と一瞬思ったけれど、 起こるわけないと思う盗難

          ヨーロッパ旅行記9:真夜中のアクシデント2.