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SNSの中にどっぷりはまっていけない私

私の人生は現代を生きる世界中のシングルマザーと同様、非常に慌ただしいと言えます。
ここフロリダには古い知人や、身内、親戚も一切いないので、重度の自閉症の5歳の息子の育児、教育、療育、医療に携わることを言葉も文化も違う異国で一人でやらなければいけません。
唯一の助けは、息子は前の旦那(息子の父親)とお母さんです。
毎週金曜の夜、息子はお泊りに行かせてもらっていますし、私が食中毒になった時、息子の風邪が移って高熱を出した時、どうしても育児困難に陥った時にも息子を預かってもらっています。

私自身の年齢のせいなのか、素直じゃないひねくれた性格のせいなのかわかりませんが、どうも私は、SNSで絶え間なく発信されている

”綺麗でキラキラした風に見せている普通の人たちの普通らしい綺麗な生活”
みたいなものにいつも入っていけないのです。

そして、何でもかんでも自分の価値観や世間への批評を表現したり、他人のプライベートの全てをさらけ出す風潮にも、かなり疲れてしまいます。

そういうのを見て楽しめたり、好きと言える人はきっと楽しめるのでしょうが、私は疲れる…。
自分が常に息子と一緒に寝落ちるくらい疲れているから、しょうがないといえば、しょうがないのでしょうが….。

SNSの世界に自分の生活を重ねてしまうと、溢れるくらいの情報が入り込んでいて、心の安らぎと時間の余裕がびっくりするほどなくなってしまう..。

SNSの中の他人の世界や価値観を自分の世界と重ねなくてはいけないような感覚になるのは私だけでしょうか…?

なので普段私は、あまりSNSに時間を費やさないように心がけているのです。
いや、できないといった方が正しいのかもしれません。

年明けから8月にかけて、40歳を超えて、作詞家として日本の作家事務所に仮契約をしていただいた時期は日本のアイドルの歌を書き続けていました。

その期間だけは、
『きちんと自分の人生に投資をしよう。』
と決意をし、できるだけ毎日切り詰め節約をし、貯金を切り崩しながら、歌を作る作家としての挑戦に挑んでいました。
その一方、こちらの州立の学校の夏休みは5月後半から、8月の半ばまでと、とても長く、息子が寝た後しか制作時間がなかったため、その時期は本当に

『なんだ?!この地獄は…?!』

と常に叫びたくなるほど、身体的にも精神的にもハードな日々でした。

そんな時期に、私はふと、
(シングルマザーやワーキングママの苛酷な夏休みのルーティーンとか毎回動画あげてる人って、本当に私なんかより器用で、心も常に子供に対して余裕があって、体力的にも恵まれているんだなぁ…。)

と感心するとともに….

(私にはそんな余裕すらない…。)

と我に帰り、そそくさと自分に与えられた目の前の課題をただこなしていく日々でした。

きっとユーチューバーママさんたちも毎日戦場のような修羅場の中をくぐり抜けて、毎日動画をアップされているのかなぁ….?

日本の作家事務所では本契約までには至らなかったという結果でしたが、フリーランスで歌を作る作家というお仕事の第一歩を、ありがたく踏み出せることができました。

配信リリースの告知はSNSを使って私もします。
海外在住で作家として曲をリリースできるということは、とってもキラキラしたショービジネスの世界をイメージする人が多いと思います。

ですが…、私はあえてここで書きます。

歌の歌詞を作るという作業はとても地味で地道な作業です。

私も生活をしていかなければいけない現実があります。

アメリカ在住のYouTubeを発信している日本人達が、今、超インフレ地獄状態のアメリカの物価についてたくさん語っているのを見かけます。
フロリダももちろん不動産と物価の上昇はものすごい勢いです。
日本のインフレもYouTubeで見かけますが、言っておきます。
日本とは比じゃないくらいのインフレがここ1~2年館の間ずっーと続いているのです。

日本の作家事務所の仮契約が終了し、フリーランスでの制作費が日本円で支払われた時、私はすぐにうちの近所でパートを再開しました。

当たり前のことですが、私は息子と一緒にここアメリカで生活しているので、ドルで家賃を支払い、アメリカドルで日用品を購入します。
なので、
“今はアメリカドルで収入を途絶えさせることはできない”

生きていくため、情熱を持って日本のポップスミュージックの制作に少しでも携わっていけるようになるため、息子の母親としての決断でもあります。

パートを再開した私は、アメリカ人の学生や若い世代と一緒に働きながら、日々実感するのです。

やっぱり、外に出て働き、時にはイライラしたり、パート先の同僚たちとああでもない、こうでもないとおしゃべりしながら、忙しく働き、人と直接関わるのってすっごい私にとっては大事かなぁ…と。

働いた後、急いで遅いランチを食べ、息子のスクールバスのお迎えにいく日々も又、違った充実感があって嬉しいもんです。

リモートワークが進んで、余計な人間関係のストレスもない、パソコン一台で働ける時代になったけど、私はやっぱりいつでも直接人とたくさん関わっていたいです。

アメリカ人なんて、日本人に比べたら、空気も読まないし、自分の感情むき出しだし、辛抱できないから、アメリカ人だけの職場はいろんな意味で凄まじいですが…笑….、それでもあくせく働くのに少しの幸せと充実感を感じる私はきっと、根っからの搾取されっぱなしの労働者なのかなぁ..。笑 

世界中のみんなが別にユーチューバーにならなくてもいいわけだし、SNSを配信して収益を生み出せるようにならなくてはいけないルールなんて存在しないわけですから…。

私はいつも思ってるんですが、今、SNSの配信で収益を得てる人たちの何パーセントがこれから数十年後、継続的にその収益を常に維持することができているんでしょうか…?

そうしないとこれから生き残れないなんて声もSNSでよく聞きますが、私の本音は(アナログ労働万歳!)ですね。

結局は他人からしたら地味なことでも、今の流行りに背いていることでも、自分が心地いいと思えるライフスタイルをそれぞれ貫くのが一番長い目で見てもいいじゃないのでしょうか?

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