世界樹リプレイ日記Ⅱ(プロローグ)
(↓前回の話)
真冬の凍えるような日だった。
戌神ノ月二十七日。
鈍色の甲冑を身に纏う一人の兵士が山奥へ向かう街道を急ぎ馬を奔らせていた。
見上げれば、分厚い雲が空を覆い、辺りは薄暗くなり始めている。
これはじき吹雪くと兵士が覚悟したと同時に、鼻先に羽根のような白く冷たい雪が触れ、次第にちらちらと降り始めた。
山に近付くにつれ視界は白くなっていく。
昨夜も深々と降り積もったのだろうか、山々の木々は雪に覆われ枝葉は煉瓦のような白い塊を重たそうに支えている。
このような僻地にお