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/第13回/名前も知らない女の人と過ごす時間が好き

名前って1番どうでも良いと思いませんか?


だってサキだろうとリナだろうとマイカだろうと、
返しはいつも

「いい名前。」

ですよね。


こんばんは。maison です。


僕は、

名前とか年齢とか彼氏は居るかとかそんな3秒もあれば全部答え切れるような話に興味がない。

限られた時間、3秒がもったいない。


そんな事よりも好きな映画だったり、上司の愚痴だったり、今日 僕と会うまでの生い立ちが聞きたい。


そんな話で盛り上がった後、


ふと___


「なんか面白いね。この状況(笑)」

「名前も知らないのにね(笑)」


って言い合うのが堪らなく好き。


そう微笑んでいる女の人は決まって何故か1番可愛く見える。


と まぁ、こんな話をしたのは、

こないだ渋谷で友達と飲み潰れ自然解散してしまい、1人で練り歩いていた時に出会った

会社の飲み会後、男2人に声を掛けられ一緒に飲んでいたが、面白くなかったからコンビニで撒いた

..という華奢で、ノースリーブにカーディガンを羽織った、都会のビジネススタイルの、口元が綺麗で、高校時代はバド部のマネージャーをしていた、年上の、


女の人と夏の土曜の深夜3時半にステキな時間を過ごした


からに過ぎない。



お互い始発まで1人。
暇だったので、一緒に飲むことになった。


2時間程経ち、店を出た時

口角上げっぱなしで、
久々に私がこんな酔ってる。ヤバい。楽しい。


と言っていたのが凄く嬉しかった。


同期よりも任される仕事が大きいからあまり仲良くなれてなくて辛い

とか、

通勤時間が長く、実家を出たいけど寂しいので同居してくれる人を探している

だとか、

イニシエーションラブは小説が最高だったからあんな話が完璧に再現出来るとは思えず、映画は見れてない

みたいな話をした。


お互い始発の時間は来ていたが、


疲れたし眠いし、とセブンイレブンでアイスとお酒を買って

もう明るくて少し暑い道玄坂のホテル街を歩いてた時に

隣でお姉さんが

待って、主婦が仕事に出れなくなったらしい
こんな時間に起きてて空いてるの私だけだろう
え〜、土曜出勤!?嫌だ...。

LINEと会社のスケジュールを見ながら
どうしよう、どうしようと考えていた。

お姉さんの横顔は完全に酔いも覚めた仕事の出来るOLさんの顔をしていて、

「さっきまで楽しそうだったのに、なんか寂しい。」

「でもまぁ、帰りたいなら帰っていいよ。」

と、僕は言った。


満室ばっかりのホテルを10軒以上回って

また満室。。。


満室、満室。


もう何の為に空室を探してるのかも分からなくなったくらいの時、


ドアを開けたら


毎回スマホを触って待ってくれてたお姉さんが居なかった。



少し見回したけど、


僕はすぐに駅へと歩いた。


コンビニ袋からハイボールだけを取って飲みながら。



お仕事頑張ってね。

僕は帰ったらHuluでイニシエーションラブを観ることにします。



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